テレビアニメ「アタックNo.1」を企画した50年前のプレゼン資料を読み解く。
2019年6月28日 更新

テレビアニメ「アタックNo.1」を企画した50年前のプレゼン資料を読み解く。

1968年1月、週刊マーガレットで連載が始まった「アタックNo.1」は瞬く間に人気を獲得し、翌1969年12月にはアニメ放映が開始されます。ミド編は50年前に本作のアニメ化を企画したプレゼン資料を入手したので、どのような構成でアニメ化実現を訴求したのか、読み解いてみようと思います。

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テレビ化にあたっての留意点

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ここから、企画書の主旨であるテレビ化についての内容となります。
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「テレビと雑誌のちがい」

「次号に続く」でハラハラドキドキを持続できる雑誌と違い、テレビでは一話30分での独立した満足度が要求されるところ。「巨人の星」大ヒットで実績あるスタッフが構成案を持っている、とプレゼンしています。
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「男子の興味喚起」
「第1クールでのつかみが大事」


雑誌よりはるかに広範な層に届けられる点、テレビで爆発的人気を得るには初速が肝心である点を強調しています。
ネット時代になっても、この考え方は不変であろうと思います。
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「家庭の描き方」
「可愛いアイドル・ボーイ」


原作とは多少設定を変えても、お茶の間文化であるテレビならではの有効策を設ける必要性について。
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「ライバル・早川みどりの早期登場」

ライバルとの対立構図を早々に表現する有効性を説き、原作よりも早期の登場を提案しています。
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「30分完結ドラマの積み重ね」

この時代におけるテレビドラマをヒットさせるエッセンスが上記提案に盛り込まれているようです。

資料を振り返って

50年前当時、爆発的な人気を誇っていたバレーボールを題材にした、少女マンガ領域で斬新なスポ根マンガで新境地を切り拓き、絶大な人気を誇っていた「アタックNo.1」ですから、アニメ化の企画は容易だったかと思料します。
※むしろ浦野千賀子先生の許諾を得る方が大事だったかもしれません

しかしながらテレビという新しいデバイスの特徴や、マーケティング手法も現代ほど確立されていない時代にあっても

-コンテンツの魅力を定量化した説明
-テレビと雑誌のデバイス特性

これらを明記した企画書からは、目を通して新鮮な驚きを感じました。
そして何より、勢いのある時代だったのだなと感じる資料でした。

50年前の企画書、皆さんの何かしらヒントになる部分があったなら幸いです。

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思い出を語ろう

     
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  • 💛🏐 2020/6/2 15:13

    平成21Cに連ドラ実写化もありましたが
    こんどの東京五輪連動は練習
    表現の問題から無理なんですね

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