テレビアニメ「アタックNo.1」を企画した50年前のプレゼン資料を読み解く。
2019年6月28日 更新

テレビアニメ「アタックNo.1」を企画した50年前のプレゼン資料を読み解く。

1968年1月、週刊マーガレットで連載が始まった「アタックNo.1」は瞬く間に人気を獲得し、翌1969年12月にはアニメ放映が開始されます。ミド編は50年前に本作のアニメ化を企画したプレゼン資料を入手したので、どのような構成でアニメ化実現を訴求したのか、読み解いてみようと思います。

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アタックNo.1

Atakku No.1 Opening

一大バレーボールブームを起こしたスポーツ根性(スポ根)漫画としても有名であり、連載当時は『サインはV!』と並ぶ2大バレーボール漫画として知られていた。

1968年1月から1970年12月まで『週刊マーガレット』(集英社)にて連載された。マーガレットコミックスから全12巻が刊行され、少女漫画の単行本として初めて10巻を超えた作品となった。
1969年のフジテレビでのアニメ化の他、2005年4月には上戸彩さん主演のテレビドラマ化もされました。

ここでは1969年のテレビアニメ化を企画した資料から「アタックNo.1」の魅力を当時テレビのプロたちがどのように捉えていたのか、紐解いていきたいと思います。
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企画書の表紙、B4判の冊子となっております。

社名(起案者名)については黒くつぶされています。

テレビ動画番組「アタックNo.1」企画書

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「テレビ動画番組」

という表現が、50年前であることを感じさせてくれます。

魅力のポイント

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「アタックNo.1」はなぜ人気No.1なのか?

この企画が出される時点で、すでにマンガが人気を誇っていたことが分かります。
以降、アタックNo.1の魅力を表している表現を抜き取っていきましょう。
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「少女マンガなのに男子も愛読している」
「少女版”巨人の星”」


「アタックNo.1」の人気ぶりは、媒図かずお先生の怪奇漫画以来だと書かれています。
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「バレーボールを通じてみせる、多感な少女の成長が、ファイトと友情で前進を続ける努力が、スポーツ特有の明るさと華麗なプレーに彩られて、100万少女の胸を燃え上がらせる」

熱いです、美しいです。
そして「100万少女」という表現がとても新鮮です。これは「全国の少女」ということですよね。
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短期連載主義の「マーガレット」で異例のロング・ランを誇っているとあります。

この当時、少女マンガといえば悲劇のヒロイン、そしてバレエ、ピアノ、バイオリン、日本舞踊といった芸事が定番だったんです。
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「従来の画調を徹底的に利用し、少女マンガのファンの美意識を満足させつつ、スポーツマンガの定着に努めた」

少女マンガカテゴリとしての美しい描画は守りつつも、従来と全く異なるスポ根マンガを根付かせるのに成功したのです。
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思い出を語ろう

     
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  • 💛🏐 2020/6/2 15:13

    平成21Cに連ドラ実写化もありましたが
    こんどの東京五輪連動は練習
    表現の問題から無理なんですね

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