小川はいつしか大河になった!スタミナとスピード兼備のスーパークリーク
2016年11月25日 更新

小川はいつしか大河になった!スタミナとスピード兼備のスーパークリーク

武豊と共に菊花賞で初G1を勝ち取った。「東京競馬場でG1を勝ちたい」と言っていてた武に、天皇賞・秋でその願いを叶えたのもスーパークリークだ。名手のキャリアの出発点で、スーパークリークは今も輝き続けている。

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こだわり抜いたステイヤー血統

スーパークリークは1985年5月27日北海道の柏台牧場で産まれた。
父・ノーアテンションはフランスで活躍したステイヤー。
母の父・インターメゾもまた、イギリスのセントレジャーステークスを勝った
ステイヤー。
珍しいほど長距離にこだわった血統は「天皇賞・春や菊花賞を勝てる馬づくり」
という牧場のポリシーによるものであった。
父・ノーアテンション

父・ノーアテンション

伊藤師の慧眼

スーパークリークは左前脚が外向していたため、2度セリに出されたがなかなか買い手が
現れず、最終的な落札価格は810万円だった。
スーパークリークを購入した馬主の木倉氏が「今は小川 (Creek) でも、いつか大河になって欲しい」という意味を込め「スーパークリーク」と名付けたことは有名な話である。

木倉氏に購入を勧めたのは、栗東の伊藤修司調教師。
脚は外向しているが、良い動きをするスーパークリークに才能を感じ取っていたのだ。
伊藤修司調教師

伊藤修司調教師

G1馬ハギノトップレディー、ハギノカムイオーも管理した
via jra.jp

苦しい船出

スーパークリークの競走馬生活は順調なスタートとは言えなかった。
体調不良でデビューが遅れる。
2戦目で勝ち上がり、5戦目でオープン特別すみれ賞を勝つが、その後骨折。
日本ダービーへの出走を棒に振った。

6か月半の休養を経て神戸新聞杯に出走するも3着、続く京都新聞杯で6着。
賞金からして菊花賞は出走できない状況にあったが、賞金上位馬が回避したことにより
出走が可能になった。

人馬そろって初G1制覇!

滑り込みセーフで迎えた菊花賞。
8枠17番を引いていたが、道中では武豊の巧みなコースどりで、いつの間にかインへ。
中団から手ごたえ抜群に4角を回ると内ラチ沿いに進路をとった。
直線で抜け出すと大きな完歩でグイグイと他馬を引き離し、2着ガクエンツービートに
5馬身差をつけての圧勝だった。

菊花賞への牧場のこだわりが花開いたと共に、鞍上の武豊騎手は初G1制覇にして
史上最年少クラシック制覇を成し遂げた。
JRAの通算勝利数歴代1位のトップジョッキー武豊がまだデビュー2年目、19歳のときのこと。彼が牡馬クラシック最終戦・菊花賞の騎乗馬候補3頭を見て回っていたところ、スーパークリークの前を立ち去ろうとした際に、クリークは彼の服の袖をくわえて引っ張り、離さなかったそうです。このとき「自分に乗ってくれ!」といわれたような気がした、と後に彼は語っています。

1988.11.06 京都10R

しばし休養

菊花賞の次は、初の古馬対決となる有馬記念。
1着オグリキャップの0.2秒差で3位入線と力を見せたが、直線で他馬の進路を妨害した
ため失格処分となってしまう。
年が明け筋肉痛を発症。春シーズンは全休となった。

1988.12.25 中山9R

平成三強の頂点に

秋初戦の京都新聞杯。
9か月半の休養明けだったが、1番人気に応え1着。
天皇賞・秋に駒を進める。

平成三強と呼ばれたオグリキャップ・イナリワンが初めて一堂に会したこのレース。
人気はオグリキャップに譲ったが、レースでは強気の先行策。
不利な大外からの競馬だったが、またしても武豊騎手の絶妙な進路どりで、直線は
内をついて力強く伸びてくる。
オグリキャップも猛然と差し込んできたが、スーパクリークはクビ差でしのぎ
記念すべき第100回秋の天皇賞馬に輝いた。

京都

1着スーパークリーク 2着オグリキャップ 3着メジロアルダン 4着ヤエノムテキ 5着キリパワー
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