年末に聴きたくなる!『雪が降る町』ユニコーン(1992年)
2017年12月30日 更新

年末に聴きたくなる!『雪が降る町』ユニコーン(1992年)

毎年、年の瀬になると聴きたくなる定番曲、ユニコーンの『雪が降る町』。 奥田民生らしい歌詞と情緒あふれるメロディで今も多くの人の記憶に残る名曲にまつわるエピソードを懐かしい動画と共に紹介。

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年末の定番ソング『雪が降る町』ユニコーン

1986年に結成し、翌年アルバム『BOOM』でデビュー後、メンバー全員が作詞作曲とボーカルを担当できる多様性と独創性を武器に、バンドブームの波に乗り、『THE BLUE HEARTS』、『JUN SKY WALKER(S)』と共にバンド御三家とも呼ばれたユニコーン(UNICORN)。

そのユニコーンが1992年の年の瀬にリリースし、今も年末の定番ソングとして親しまれている曲が『雪が降る町』である。
『雪が降る町』シングルCDジャケット

『雪が降る町』シングルCDジャケット

1992年12月2日にリリースしたのが左のジャケット。
1996年11月1日にリリースされた『雪が降る町 "more bell mix"』が右のジャケット。

12月になるとクリスマスソングが注目されるので「ユニコーンもクリスマスソングを」というコンセプトで曲作りを開始したが、「年末ソングにした方が大晦日まで流せる」と奥田民生が考え直して年末ソングとして作られたという。
カップリングは、お正月ソングとして作った『お年玉』(メインボーカル:阿部義晴)。

オリコン最高位は4位。
奥田民生いわく、良い曲なのに当時あまり売れなかったのは何故だろうと考えた時に『そうだ鈴だ!』と、鈴(ベル)の音を足したバージョンの『雪が降る町 "more bell mix"』を解散後の1996年11月1日にリリースしたが、オリコン最高位は38位に終わった。

メンバー脱退・解散直前の淋しさを感じさせる曲

ユニコーンは1992年の3月中旬まで過去最長ツアーを行なった後に、各メンバーがソロ活動を開始。
8~10月に全メンバーがソロシングルをリリースしていた。

なんとなく、「あれ?このまま解散しちゃうのかな?」とファンが不安を感じたタイミングでリリースされたのがこのシングル『雪が降る町』である。

しかし、新曲リリースでファンがほっと胸をなでおろした翌月の1993年1月21日、ドラムスの川西幸一が脱退をファンクラブ号外にて発表し、2月6日付で正式脱退してしまう。

なんとか、4人で活動を続けたものの崩れたチームワークは元に戻らず、9月21日にニッポン放送のラジオ「オールナイトニッポン」で解散を発表することなった。

『雪が降る町』は、メンバー5人でリリースした最後のシングル曲(2009年に再結成するまでの)であり、バンド末期のやりきれない想いが何となく伝わってくるような曲である。

動画で振り返る『雪が降る町』

『雪が降る町』奥田民生ライブ

だらっと歌っているような感じを匂わせながらも、きっちり力を入れて歌っているのがわかる。
奥田民生らしい『味』のある歌唱は、動画だとその特徴がより鮮明に伝わってくる。

奥田民生らしさが滲み出る『雪が降る町』の世界観

いきなり「だから嫌いだよ こんな日に出かけるの」と脱力系と呼ばれる奥田民生らしいネガティブなフレーズではじまる。

ただ、田舎から都会に出てきた青年が師走のせわしない風景を描写しているだけなのだが、そんな単調な内容を全く感じさせないのは、目の前にその景色が浮かんでくるような味わいのある絶妙なメロディと、意味のない言葉であっても意味を感じさせてしまう奥田民生ならではのボーカルだから。

歌詞のラストで「あと何日かで今年も終わるけど 世の中は色々あるから どうか元気で お気をつけて 」と締めているが、このフレーズのチョイスが素晴らしい。

年末、人が多い、忙しそう、雪が降る
これぐらいのことしか歌ってないのに、最後のたった一文だけで「ああ、年末だなぁ」という感覚を呼び起こされ、身近な人を思いやる温かい気持ちが一気に押し寄せてくる。

天才・井上陽水も認めた『雪が降る町』の歌詞

独特な世界観の歌を作る天才・井上陽水は、たまたま息子が聴いていた『雪が降る町』を聴きその歌詞に魅せられて、歌詞を書き写した手紙を奥田民生に送ったことから二人の交流が始まったという。

その後、PUFFYの楽曲を共同で手掛けたり、コラボレーションユニット「井上陽水奥田民生」を結成したりと二人の繋がりは深くなっていくが、きっかけはユニコーンの楽曲『雪が降る町』であった。
1996年にPUFFYがカバー

1996年にPUFFYがカバー

1996年10月7日にリリースした2枚目のシングル『これが私の生きる道』のカップリング曲として、ユニコーン『雪が降る町』のカバーが収録されている。
毎年、年の瀬になると聴きたくなる名曲『雪が降る町』。
ユニコーンが翌年解散してしまったことから、ラストシングルだった『すばらしい日々』と共にファンにとって物悲しい気持ちになってしまう曲でもあった。

しかし、2009年にユニコーンが再結成。
個々の活動を行いながらも、ライブで生の『雪が降る町』を聴くことが可能になった。
今では純粋に、年末感をまったり味わう曲としてこの曲に浸ることができる♪

このページを年末に見てくれている人も多いかと思うので、〆はやっぱりこの言葉で。
あと何日かで今年も終わるけど
世の中は色々あるから
どうか元気で お気をつけて

そうだ!ユニコーンを聴こう!

ザ・ベリー・ベスト・オブ・ユニコーン

2,504
「Maybe Blue」から「すばらしい日々」までの全17曲を収録し、伝説的バンドUNICORNの成長の軌跡を追うことができる一枚。

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