逆にカンニングをしたこともあった
いつもは名前も書かないのに
そのときは前の席の生徒の答案用紙を丸写しした
数日後
先生が名前と点数が読み上げられながらテストを返していった
「・・さん、40点」
・・くん、80点
和田晴男、65点
和田晴男、65点・・・
辰吉、お前やろ!」
音楽はヘビメタが好きだった
ラウドネスを音楽室でボリュームいっぱいにして聴き
気分を高めた
体育の授業は
酒やタバコで体がシンドイので
1人だけ黒い学生服で参加した
からだ動かすの嫌い
頭使うの嫌い
遊ぶの大好き
飯食うの大好き
そんな中学生だった
いつもは名前も書かないのに
そのときは前の席の生徒の答案用紙を丸写しした
数日後
先生が名前と点数が読み上げられながらテストを返していった
「・・さん、40点」
・・くん、80点
和田晴男、65点
和田晴男、65点・・・
辰吉、お前やろ!」
音楽はヘビメタが好きだった
ラウドネスを音楽室でボリュームいっぱいにして聴き
気分を高めた
体育の授業は
酒やタバコで体がシンドイので
1人だけ黒い学生服で参加した
からだ動かすの嫌い
頭使うの嫌い
遊ぶの大好き
飯食うの大好き
そんな中学生だった
依田進悟先生
中学1~3年
辰吉の担任はずっと依田進悟だった
丈一郎がなにかやらかすと
ほとんどの先生は問答無用で辰吉を100%悪者扱いしたが
依田先生だけは
辰吉の言い分も聞き
その上で諭すところは諭した
「ひたすら怖がられ嫌われる番長ではなく、
周囲の仲間やクラスメートに好かれる番長だった
ハシにも棒にもかからない本物のワルじゃなく
不良仲間たちも含めてみんな陰湿なところが皆無で明るかった」
(依田)
辰吉の担任はずっと依田進悟だった
丈一郎がなにかやらかすと
ほとんどの先生は問答無用で辰吉を100%悪者扱いしたが
依田先生だけは
辰吉の言い分も聞き
その上で諭すところは諭した
「ひたすら怖がられ嫌われる番長ではなく、
周囲の仲間やクラスメートに好かれる番長だった
ハシにも棒にもかからない本物のワルじゃなく
不良仲間たちも含めてみんな陰湿なところが皆無で明るかった」
(依田)
via pingoo.jp
via ameblo.jp
中3になり
多くの者が自分の進路について考えはじめたが
辰吉丈一郎にはヴィジョンがなかった
とにかく楽をしたかった
ある日依田先生はいった
「辰吉
お前ボクシングやってみたらどうや?」
家庭訪問のとき
父、粂二とスパーリングする丈一郎の姿をみたのが
この進言の動機だった
「普通に大人が想像する子供のボクシング遊びとはレベルが違っていた
テレビで見たモハメッド・アリにそっくりで
間違いなくボクシングの才能がある
この子にはこれしかないと直感した」
(依田)
依田先生は
大阪帝拳ジムに連絡をとり
仕事まで探した
少しの間、悩んだが
16歳になった辰吉は大阪行きを覚悟を決めた
「親父、出世するけん」
「行って来いや
旅費は出したるわ」
父は6000円を渡した
多くの者が自分の進路について考えはじめたが
辰吉丈一郎にはヴィジョンがなかった
とにかく楽をしたかった
ある日依田先生はいった
「辰吉
お前ボクシングやってみたらどうや?」
家庭訪問のとき
父、粂二とスパーリングする丈一郎の姿をみたのが
この進言の動機だった
「普通に大人が想像する子供のボクシング遊びとはレベルが違っていた
テレビで見たモハメッド・アリにそっくりで
間違いなくボクシングの才能がある
この子にはこれしかないと直感した」
(依田)
依田先生は
大阪帝拳ジムに連絡をとり
仕事まで探した
少しの間、悩んだが
16歳になった辰吉は大阪行きを覚悟を決めた
「親父、出世するけん」
「行って来いや
旅費は出したるわ」
父は6000円を渡した
上阪
岡山から新大阪まで5500円
一気に500円になった
依田先生が探してくれた仕事先は「京橋かまぼこ」
わかるのはそれだけで
電話番号も住所も持たず出てきていた
「おっさん
京橋かまぼこって知ってるか?」
辰吉は新大阪駅で周囲の人に誰彼かまわず聞いた
聞かれた人はみんな
剃り込みの入った丸刈りでヤクザ風の服を着た男を無視した
しかし親切な人もいた
「なんだそりゃ?」
「店の名前や」
「京橋かまぼこっていうくらいやから京橋にあるんとちゃうか
ここの電車に乗って
その次で環状線に乗り換えて
そうすれば京橋に出るはずや」
「そうか
ほんなら行ってくるわ」
一気に500円になった
依田先生が探してくれた仕事先は「京橋かまぼこ」
わかるのはそれだけで
電話番号も住所も持たず出てきていた
「おっさん
京橋かまぼこって知ってるか?」
辰吉は新大阪駅で周囲の人に誰彼かまわず聞いた
聞かれた人はみんな
剃り込みの入った丸刈りでヤクザ風の服を着た男を無視した
しかし親切な人もいた
「なんだそりゃ?」
「店の名前や」
「京橋かまぼこっていうくらいやから京橋にあるんとちゃうか
ここの電車に乗って
その次で環状線に乗り換えて
そうすれば京橋に出るはずや」
「そうか
ほんなら行ってくるわ」
大阪駅のおっさん
via photozou.jp
おっさんのいうとおり電車に乗ると大阪駅に着いた
そして環状線のホームまではすんなりいった
後は京橋がどっちにあるのか
また通りがかりのスーツを着た人に聞いた
「おっさん
なあ、おっさん、京橋って知らん?」
「誰にもの言うてんや、お前」
「誰にってお前しかおらんからお前に言うてんねん」
「お前、人にものを尋ねるのにそんな言い方あるか」
「何やとー
人が親切に聞いてんのに
お前答えんか!
もうええわ
お前には頼まんへんわ」
そしておっさんを殴った
その後
別の人に行き方を尋ね
なんとか京橋の駅に着いた
そして環状線のホームまではすんなりいった
後は京橋がどっちにあるのか
また通りがかりのスーツを着た人に聞いた
「おっさん
なあ、おっさん、京橋って知らん?」
「誰にもの言うてんや、お前」
「誰にってお前しかおらんからお前に言うてんねん」
「お前、人にものを尋ねるのにそんな言い方あるか」
「何やとー
人が親切に聞いてんのに
お前答えんか!
もうええわ
お前には頼まんへんわ」
そしておっさんを殴った
その後
別の人に行き方を尋ね
なんとか京橋の駅に着いた
ポケットの残金は50円になった
駅を出て人の多さに驚いた
「何や、祭りか
えらいときに来てしまった・・・」
しかしお祭りにしてはおかしい
みんなスーツを着ていた
また道を行く人に尋ねた
「京橋かまぼこってどこ?」
「店の名前はわからんけどかまぼこ屋なら商店街にあったで」
歩いていくと京橋かまぼこがあった
「岡山から来たもんです
辰吉いいます」
大阪駅のおっさんとはエラい違いだった
駅を出て人の多さに驚いた
「何や、祭りか
えらいときに来てしまった・・・」
しかしお祭りにしてはおかしい
みんなスーツを着ていた
また道を行く人に尋ねた
「京橋かまぼこってどこ?」
「店の名前はわからんけどかまぼこ屋なら商店街にあったで」
歩いていくと京橋かまぼこがあった
「岡山から来たもんです
辰吉いいます」
大阪駅のおっさんとはエラい違いだった
via tabelog.com
次の日、初出勤した
「辰吉
お前、これ持って行け」
「持って行けってそれ何や
偉そうな口きいて
人にもの頼むのに持って行けはないやろ」
「バイトの人間がなにぬかしとんねん
はよう持って行かんかい」
「バイトもクソもあるか
人にもの頼むときはお願いしますっていうもんやろが」
大阪駅のおっさんとはエラい違いだった
「辰吉
お前、これ持って行け」
「持って行けってそれ何や
偉そうな口きいて
人にもの頼むのに持って行けはないやろ」
「バイトの人間がなにぬかしとんねん
はよう持って行かんかい」
「バイトもクソもあるか
人にもの頼むときはお願いしますっていうもんやろが」
大阪駅のおっさんとはエラい違いだった