私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、 再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。
今回紹介するのは、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』上映当時のリアルタイムガンプラキットから、いや懐かしい響きの「1/550 モビル・アーマー」キットのα・アジールです!
今回紹介するのは、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』上映当時のリアルタイムガンプラキットから、いや懐かしい響きの「1/550 モビル・アーマー」キットのα・アジールです!
α・アジール 1/550 1988年8月 9 1000円
今回紹介する1/550 α・アジールは、『逆襲のシャア』ガンプラシリーズで最後に商品化され、正規ガンプラ史上唯一のキット化された商品である。
正規ガンプラで「可変型ではない」純粋なモビル・アーマーが、1/550スケールで発売されたのは、最初の『機動戦士ガンダム』(1979年)劇場版三部作が全て終わった1982年の夏、7月のブラウ・ブロとアッザムの商品化以降16年ぶりであった。
正規ガンプラで「可変型ではない」純粋なモビル・アーマーが、1/550スケールで発売されたのは、最初の『機動戦士ガンダム』(1979年)劇場版三部作が全て終わった1982年の夏、7月のブラウ・ブロとアッザムの商品化以降16年ぶりであった。
『逆襲のシャア』ガンプラシリーズの特徴だったネジ止め、多色成型は使われていない。しかし、最低限の2色成型はされている上にシール補完が的確で、部分塗装だけでも完成度は高く仕上がる仕様になっている。
α・アジール自体が「ガンダムラスボスのイメージ」としてのジオングがオマージュ元になっているため、脚部がない設計になっているが、劇中でも装着されていた、下半身の巨大な2つのプロペラントタンクが脚にも見立てられるデザインにしあがっている。
α・アジール自体が「ガンダムラスボスのイメージ」としてのジオングがオマージュ元になっているため、脚部がない設計になっているが、劇中でも装着されていた、下半身の巨大な2つのプロペラントタンクが脚にも見立てられるデザインにしあがっている。
そのため、ガンプラでは(やはり旧シリーズの1/550モビル・アーマーシリーズを踏まえて)定番の、飾りスタンドが付属しており、プロペラントタンクがあってもなくても飾れるように出来ている。
劇中の役割的には、思い込みの激しいローティーンのニュータイプ少女のエゴの発露となって、アムロの恋人からの攻撃によって沈んでいくモビル・アーマーだが、富野由悠季氏の小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』ではアニメ版と異なり、ハサウェイの乱射の直撃を受けて撃沈されてしまう。
そういったロールプレイを前提にした時、この巨大モビル・アーマーが、『機動戦士ガンダム』(1979年)でララァ・スンが乗り込んだモビル・アーマー、エルメスにも通じるサイコミュ兵器・ファンネルをリアスカートに蓄えている理由もなんとなく理解できようというものだ(富野台詞口調)。
また、キットでは再現されている「隠し腕」だが、隠し腕という概念や、形状や収納の仕方など、この作品に至る前の『Zガンダム』でのラスボス、ジ・Oの隠し腕や、キュベレイの飛行形態の腕の収納の延長上でデザインラインが構築されているようにも見えて、当時のガンダムオタクにはすんなり受け入れられた異形さではある。
そういったロールプレイを前提にした時、この巨大モビル・アーマーが、『機動戦士ガンダム』(1979年)でララァ・スンが乗り込んだモビル・アーマー、エルメスにも通じるサイコミュ兵器・ファンネルをリアスカートに蓄えている理由もなんとなく理解できようというものだ(富野台詞口調)。
また、キットでは再現されている「隠し腕」だが、隠し腕という概念や、形状や収納の仕方など、この作品に至る前の『Zガンダム』でのラスボス、ジ・Oの隠し腕や、キュベレイの飛行形態の腕の収納の延長上でデザインラインが構築されているようにも見えて、当時のガンダムオタクにはすんなり受け入れられた異形さではある。
キット自体は最初にも書いたが、シリーズでは最後半になる1988年の8月に発売された。シリーズはその次に、『逆襲のシャア』ガンプラ歴史的決定打ともいうべき「1/100 νガンダム」を送り出して終了するのだが、商品化規格としてはα・アジールの時点で(ワンポイントで登場したホビーハイザックを除いて)ガンダムシリーズでは1st依頼の「全モビル・スーツ、モビル・アーマーキット化」が果たせた作品として希少である。
キットとしては、2色成型だが最低限頭部だけでも塗装するだけで雰囲気は充分再現できる(隠し腕は、劇中では隠したままで出番がないまま終わる)。肩アーマー先端の5連装砲座も、3本の砲塔が独立して可動するように出来ている。
また、ポリキャップはあまり多用されていないが、全身可動箇所の塊であり、α・アジールもプロペラントタンクを外し、腕を畳んでバックパックが後ろからスライドしてくる「着陸形態」へと完全変形することが可能である。
しっかり変形する上に、バーニア類やスカートの中の着陸アームやディテール等がしっかり作り込まれており「ガンプラの非人型メカにハズレなし」はここでも健在である。
モビル・スーツ群の関節軸問題の阿鼻叫喚地獄絵図騒動が、まるで嘘であったかのように、1/550 α・アジールは凛として完璧なプラモデルとして完成されているのである。
モビル・スーツ群の関節軸問題の阿鼻叫喚地獄絵図騒動が、まるで嘘であったかのように、1/550 α・アジールは凛として完璧なプラモデルとして完成されているのである。