類い稀な才能を持ちオシャレ音楽の塊である加藤和彦の通称「ヨーロッパ三部作」。バックを務めたのはYMOだ!
2018年6月26日 更新

類い稀な才能を持ちオシャレ音楽の塊である加藤和彦の通称「ヨーロッパ三部作」。バックを務めたのはYMOだ!

ザ・フォーク・クルセダーズやサディスティック・ミカ・バンドでの活動が有名な加藤和彦。ソロとしては「あの素晴しい愛をもう一度」のヒットで知られていますね。時代毎にオシャレな音楽を作らせたら右に出るものはいないとも言われている彼が当時大人気だったYMOを従えて作り上げた3枚のコンセプト・アルバム。それが日本ロックの宝「ヨーロッパ三部作」です。

1,897 view

加藤和彦

アマチュア時代を経て1967年に「ザ・フォーク・クルセダーズ」でデビュー。「ザ・フォーク・クルセダーズ」解散後にソロ活動と並行して「サディスティック・ミカ・バンド」を結成しイギリスツアーも行った加藤和彦。ソロとして、またはバンドとしての活動以外にも多くのアーティストへの楽曲提供やプロデュース、映画音楽の担当など、日本の音楽界において大きな足跡を残しています。
加藤和彦

加藤和彦

別名:トノバン
生誕:1947年3月21日
出身地:京都府京都市
死没:2009年10月16日(62歳没)
活動期間:1965年~2009年
「ザ・フォーク・クルセダーズ」、「サディスティック・ミカ・バンド」に関しては再結成もあり認知度も高いのですが、それに比べると「サディスティック・ミカ・バンド」解散後のソロ活動の方は一般的にはあまり知られていないように思えます。

「サディスティック・ミカ・バンド」の解散は1975年で、翌年にソロアルバム「それから先のことは…」を発表します。シングル・カットされた「シンガプーラ」をはじめとして、安井かずみ(作詞)との長きにわたるコラボレーションがここから始まります。

シンガプーラ

加藤和彦
加藤和彦のソロ作品において最も評価が高いのは「ヨーロッパ三部作」とよばれている3枚のアルバムです。
今聴いてみても確かに素晴らしいクオリティを誇る作品です。埋もれてしまうには(そんなことはないと思いますが)あまりにも惜しいこれらの作品をご紹介します。

パパ・ヘミングウェイ

アルバム「それから先のことは…」を1976年に発表した後、1978年にアルバム「ガーディニア」を発表。そして通算5枚目となるソロ・アルバム「パパ・ヘミングウェイ」を1979年に発表するのですが、これが「ヨーロッパ三部作」の1作目です。
パパ・ヘミングウェイ

パパ・ヘミングウェイ

1.スモール・キャフェ
2.メモリーズ
3.アドリアーナ
4.サン・サルヴァドール
5.ジョージタウン
6.レイジー・ガール
7.アラウンド・ザ・ワールド
8.アンティルの日
9.メモリーズ (リプライズ)
内容はタイトルからも分かるようにアーネスト・ヘミングウェイの生涯をテーマにしており、録音もヘミングウェイゆかりの地でもあるナッソーのコンパス・ポイント・スタジオとマイアミのクライテリア・スタジオで行われています。

アルバムから「アラウンド・ザ・ワールド」と「ジョージタウン」が両A面シングルとして発売されました。
アラウンド・ザ・ワールド/ジョージタウン

アラウンド・ザ・ワールド/ジョージタウン

1979年
※両A面シングル
どちらもいい曲です。特に「アラウンド・ザ・ワールド」は、ジャマイカの風を感じるさせるレゲエな名曲。
ですが、アルバムを代表する曲となると1曲目の「スモール・キャフェ」でしょう。

SMALL CAFE

加藤和彦
この曲をきっかけとしてヨーロッパ三部作が作られることになったというエポックメイキングな曲。タンゴ風の楽曲ですが、本作中もっとも(唯一?)のヨーロッパ的な曲でもあります。

うたかたのオペラ

「ヨーロッパ三部作」の第2作目は、1980年9月25日に発表された「うたかたのオペラ」です。録音はデヴィッド・ボウイ の「ヒーローズ」やU2 の「アクトン・ベイビー」などで知られる西ベルリンのハンザ・スタジオでレコーディングされています。
うたかたのオペラ

うたかたのオペラ

1.うたかたのオペラ
2.ルムバ・アメリカン
3.パリはもう誰も愛さない
4.ラジオ・キャバレー
5.絹のシャツを着た女
6.Sバーン
7.キャフェ・ブリストル
8.ケスラー博士の忙しい週末
9.ソフィーのプレリュード
10.50年目の旋律
「うたかたのオペラ」は、1920年代のヨーロッパ文化に興味を抱いた加藤和彦が、当時世界屈指の産業都市だったベルリンをコンセプトにして作り上げたアルバムです。
前作同様にコンセプトに基づいた録音場所を選んだというわけですね。結果、その街のムードが濃厚に漂うアルバムになっています。

「絹のシャツを着た女」がシングルカットされ、アルバムと同時発売されています。
おかえりなさい秋のテーマ - 絹のシャツを着た女

おかえりなさい秋のテーマ - 絹のシャツを着た女

カップリング曲:サン・サルヴァドール
この曲は、資生堂のキャンペーン・ソングとなりスマッシュ・ヒットしました。カップリングは「パパ・ヘミングウェイ」に収録されていた「サン・サルヴァドール」です。
34 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

坂本龍一が日本人初アカデミー作曲賞に輝いた映画 『ラストエンペラー』12月24日トゥエルビで放送!!

坂本龍一が日本人初アカデミー作曲賞に輝いた映画 『ラストエンペラー』12月24日トゥエルビで放送!!

全国無料放送のBS12 トゥエルビは12月24日(土)よる7時より『ラストエンペラー』(1987年・伊、中、英、仏、米)を放送します。
なぜ、あの人が?中高年男性芸能人の自殺、ミッドライフ・クライシス

なぜ、あの人が?中高年男性芸能人の自殺、ミッドライフ・クライシス

戦後の日本において音楽業界を黄金時代に導いた芸能人であり、70年代80年代の洋楽・ポップカルチャーの牽引役を務めた。時代とともに生きた男が自ら命を断った。中年期に訪れるミッドライフ・クライシス。4人の中高年男性芸能人の自殺と生きた軌跡を紹介する。
80年代前半、それまでにはなかった独特のセンスで爆笑させてくれた“スネークマンショー”。今聞いても笑えます!

80年代前半、それまでにはなかった独特のセンスで爆笑させてくれた“スネークマンショー”。今聞いても笑えます!

独特、あまりにも独特なセンスです。当時最先端の音楽とからめたところがまた素晴らしく、今なお忘れることの出来ないスネークマンショー。一度聞いてしまうと小林克也、伊武雅之の声が耳から離れなくなってしまいますよ。
obladioblada | 3,400 view
あの頃を思い出す「ラルフ ローレン」2024年秋キャンペーン

あの頃を思い出す「ラルフ ローレン」2024年秋キャンペーン

80〜90年代に流行した「ポロ・ラルフローレン」が再び人気を集めている。ラルフ ローレンは、あの頃を思い出す、ニューヨークをテーマにした映像を発表した。また、ニューヨーク・ヤンキースとのコラボレーションによるジャケットやミドルエッジ世代が着こなせるアイテムやコーディネートなども紹介していく。
プロ野球選手と結婚し引退した80年代アイドル【秋本理央】現在どうしてる?

プロ野球選手と結婚し引退した80年代アイドル【秋本理央】現在どうしてる?

「レッツゴーヤング」の「サンデーズ」のメンバーに選ばれ、歌手デビューも果たした元アイドルの秋本理央さん。プロ野球選手の方とのご結婚により約5年の芸能生活に幕を閉じました。そんな秋本理央さんの芸能活動を振り返りつつ現在の様子についてチェックしてみました。
ハナハナ | 246 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト