類い稀な才能を持ちオシャレ音楽の塊である加藤和彦の通称「ヨーロッパ三部作」。バックを務めたのはYMOだ!
2018年6月26日 更新

類い稀な才能を持ちオシャレ音楽の塊である加藤和彦の通称「ヨーロッパ三部作」。バックを務めたのはYMOだ!

ザ・フォーク・クルセダーズやサディスティック・ミカ・バンドでの活動が有名な加藤和彦。ソロとしては「あの素晴しい愛をもう一度」のヒットで知られていますね。時代毎にオシャレな音楽を作らせたら右に出るものはいないとも言われている彼が当時大人気だったYMOを従えて作り上げた3枚のコンセプト・アルバム。それが日本ロックの宝「ヨーロッパ三部作」です。

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San Salvador

加藤和彦
更にもう一枚、「パリはもう誰も愛さない」とのカップリングで「ルムバ・アメリカン」が第2弾シングルとして1980年11月28日に発売されています。
ルムバ・アメリカン

ルムバ・アメリカン

カップリング曲:パリはもう誰も愛さない

ベル・エキセントリック

加藤和彦のソロ・アルバムとしては7枚目で「ヨーロッパ三部作」の最後を飾るのが1981年7月25日に発表された「ベル・エキセントリック」です。
このアルバムは先ず、ジャケットですね。金子國義の絵画が何と言っても素晴らしい!もう、これだけでヨーロッパのムードが漂います。
ベル・エキセントリック

ベル・エキセントリック

1.ロスチャイルド夫人のスキャンダル
2.浮気なGigi
3.アメリカン・バー
4.ディアギレフの見えない手
5.ネグレスコでの御発展
6.バラ色の仮面をつけた
7.トロカデロ
8.わたしはジャン・コクトーを知っていた
9.ADIEU, MON AMOUR
10.ジュ・トゥ・ヴー
録音はフランスのシャトゥ・スタジオです。つまりコンセプトもフランス。1920年代のパリです。
バックミュージシャンは「ヨーロッパ三部作」の他の2枚と同様に細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏のYMOの面々が全面的に参加していますが、前作では坂本龍一が病欠だったなどもあり3人が揃って参加しているのは本作のみとなります。
また、他にはギターに大村憲司、ピアノに矢野顕子とこれまたYMOファミリー全面参加といった感じになっています。

残念なのは当時の映像が残っていないことですね。TVには出ないし、ライブもあまりやっていませんでしたからね。その代わりと言ってはなんですが、CMには出ていました。

1970-1987CM集

加藤和彦

コンピレーション・アルバム

1982年3月に「アメリカン・バー」という「ヨーロッパ三部作」から選ばれたコンピレーション・アルバムが発売されました。
アメリカン・バー

アメリカン・バー

SIDE 1
1.うたかたのオペラ
2.パリはもう誰も愛さない
3.スモール・キャフェ
4.ラジオ・キャバレー
5.ディアギレフの見えない手

SIDE 2
1.アメリカン・バー
2.レイジー・ガール (
3.ルムバ・アメリカン
4.浮気なGigi
5.ロスチャイルド夫人のスキャンダル
但し、残念なことに「アメリカン・バー」はアナログ・レコードとカセットテープでしか発売されていません。CD化はされていません。そのかわりと言ってはなんですが、2017年10月25日に「ヨーロッパ三部作・ベストセレクション」が発売されました。
全17曲。これ1枚あれば「ヨーロッパ三部作」を堪能することが出来ます。出来ますが、やっぱりここはオリジナルで3枚揃えて頂きたいものです。せっかくアルバム毎に録音場所も変えて丁寧に作りこまれているのですから。
ヨーロッパ三部作・ベストセレクション

ヨーロッパ三部作・ベストセレクション

1.AROUND THE WORLD (from『PAPA HEMINGWAY』)
2.ADRIANA (from『PAPA HEMINGWAY』)
3.SAN SALVADOR (from『PAPA HEMINGWAY』)
4.GEORGETOWN (from『PAPA HEMINGWAY』)
5.L'OPERA FRAGILE (from『L'OPERA FRAGILE』)
6.RUMBA AMERICAN (from『L'OPERA FRAGILE』)
7.PARIS, YESTERDAY (from『L'OPERA FRAGILE』)
8.RADIO CABARET (from『L'OPERA FRAGILE』)
9.CAFÉ BRISTOL (from『L'OPERA FRAGILE』)
10.DOCTER KESELER'S BUSY WEEKEND (from『L'OPERA FRAGILE』)
11.SOPHIE'S PRELUDE (from『L'OPERA FRAGILE』)
12.FIFTY YEARS THEME (from『L'OPERA FRAGILE』)
13.SCANDALE DE Mme ROTHCHILD (from『BELLE EXCENTRIQUE』)
14.GIGI, LA DANSEUSE (from『BELLE EXCENTRIQUE』)
15.BAR AMERICAN (from『BELLE EXCENTRIQUE』)
16.DIAGHILEV, L'HOMME-ORCHESTRE (from『BELLE EXCENTRIQUE』)
17.ADIEU, MON AMUR (from『BELLE EXCENTRIQUE』)
レトロとモダンが見事に融合し、欧米の音楽シーンに勝るとも劣らない楽曲が、当時の日本で創り出されたという事実に改めて驚かされます。タンゴやルンバのリズムがノスタルジックな雰囲気を醸し出すと共に、ニュー・ウェーヴ風の尖がったサウンドが耳を刺激する部分もあり、センスの塊のような加藤和彦だからこそ成し得た偉業を確認できるのです。
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