西川のりお   コテコテの大阪弁と捨て身の暴走で全国区へ殴り込み
2024年1月3日 更新

西川のりお コテコテの大阪弁と捨て身の暴走で全国区へ殴り込み

高校でお笑いの世界に入り、パワフルに空回りしながら下積み時代を過ごし、ヤングOh!Oh!、漫才ブーム、じゃりン子チエ、俺たちひょうきん族で一気に全国のお茶の間に。関西独特のイケイケドンドンの暴走ぶりをみせつけた。

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金鳥のCMでタコ八郎と共演。
撮影は京都で行われ、セリフは
「蚊が出た、蚊が出た、どうしましょ」
「蚊にはキンチョーマットです」
「ホンマかいな、そうかいな」
の3つだけ。
まず畳の上に座る阪神タイガースの掛布雅之が
「蚊が出た、蚊が出た、どうしましょ」
というと、頭にカニのかぶりものをかぶって顔だけを出した西川のりおとタコ八郎がローラーの上に乗ってスタッフに押されながら
「蚊にはキンチョーマットです」
というのだが、タコ八郎のセリフが聞こえず、みると
「コケちゃった」
といって倒れていた。
もう1度、やり直しとなり、
「蚊が出た、蚊が出た、どうしましょ」
「蚊にはキンチョーマットです」
といったが、またタコ八郎の声がしない。
「どないしました?」
「足踏ん張ってたら、そっちが気になってセリフが出てこない」
3回目、
「蚊が出た、蚊が出た、どうしましょ」
「蚊にはキンチョーマットです」
までうまくいったが
「ホンマかいな、そうかいな」
という関西弁をタコ八郎がうまくアクセントできなかった。
その後も
「すんません」
タコ八郎はやり直す度に謝り、そのうち西川のりおが間違ったときも謝ったので
「どないなってんの?」
と思っているとマネージャーが、
「とにかく、タコさん、NG出たら謝れっていわれてるんです」
と教えてくれた。
西川のりおは、その人柄に感動した。
「後ろ姿まで笑えるのは芸能界浩といえどもタコ八郎さんだけや。
ホンマ憎めん、オモロくてエエ人やで」
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番組で山本コウタローと
「女の自立」
というテーマで対談。
パートナーはいるが家事は自分でやっているコウタローに、西川のりおが
「それでも男か」
「そんな女とは別れてしまえ」
というと
「男尊女卑の型にはまった考え方」
といわれ、激論となった。
1ヵ月後、同じ番組で山本コウタローと同棲している吉田真由美と「女は職業を持つべきか」というテーマで対談。
映画評論家という肩書を持つ吉田真由美に
「俺、評論家とかレポーターとか信用せん。
ただのこけおろし屋やないか。
人のつくったものをアレコレいうなんて失礼や。
一芸ある人がいうならまだ許せるし聞こうと思うが、自分ではなんにもできん人間がいうのは許せん」
「のりおさんだって人のことなんだかんだいってるじゃないですか」
「俺は自分で芸をするんや。
演じるモンがいうのとアンタが人の作品ゴチャゴチャいうのは根本的に違うわ」
西川のりおは、山本コウタローと吉田真由美結婚しないことについても批判した。
「それに同棲しとるのも気分悪い。
それもアッケラカンと。
同棲いうのはヒッソリするもんで堂々いばるもんやない」
「どうして結婚と結びつけるんですか
共同生活でいいじゃないですか」
「ケジメつかなあかん。
結婚は結婚。
離婚は離婚。
結婚して離婚がある。
一生に1度のことで女の幸せや」
「つまらない既成概念です」
「女は家にいて男が食わす。
それが男の甲斐性やないか」
「どうして女性を家に閉じ込めておこうとするんですか。
女性も外に出たいんです」
「彼女やったらそれもいい。
しかし嫁さんなら話は違う。
家にいてほしい」
「無茶苦茶に勝手ないい分だわ」
西川のりおは途中から
(その通りだ)
と思いつつ、
(負けてられん)
と批判を継続した。
「男は新聞持ってきてもらったり、お茶入れてハイ、ドーゾいわれたら、ものすごうれしいんや」
「女だってそうです」
「山本コウタローも、ようこんな女と一緒に暮らしとんな」
「ウチのコウタローはね・・・」
「犬か!」
「・・・お風呂も自分で沸かすし、食事も自分でつくります。
ただ私たち一緒に住んでるだけです。
私はあの人の嫁いで、コウタローは私に嫁いだの」
それを聞き、昭和の男、西川のりお
(コウタロー、なにしてんねん。
チンチンついとんのか)
とは嘆いた。
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フジテレビの新番組「クイズアカデミー」に出演するため、西川のりおは、東京、河和田町のフジテレビへ。
控室に入るとディレクターが隣に座った。
「実はですね・・・
1回目ですので素人に優勝されたくないんです」
「それは誘導みたいな感じ?」
「答えを・・・あのぉーお教えしようと・・・」
「エッ?今っ?」
「今!
だって盛り上がらないとどうしようもないでしょ?
もし仮にのりおさんが答えられないで素人が進出しちゃって、しかも最後に挑戦しないなんてことになったら・・・」
不正行為を持ちかけられた西川のりおは、
「わけのわからんやつが優勝してもしゃあないですもんね」
とためらうことなく同意した。
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「プロ野球で初めて完全試合を達成した投手は誰でしょう?
これ、ご存じでしょう?」
「・・・・・・・」
「藤本英雄。
いまの中上英雄ですね。
それでね、(司会者の)みの(もんた)さんが聞くと思うんですけど、まあ聞かないにしても『野球のことは任せてください』っていってほしいんです」
「目の前に賞品が並んでますから、一応謙遜にしてほしいんです。
『僕はもうこれだけもらえれば満足です』みたいに・・・」
西川のりおは、ディレクターのいうことをすべて鉛筆でメモしていった。
「あとね、ポンポンポンときたんでね、1回間違えてほしいんです。
不自然でしょ?
正解正解正解ばっかりだと。
間違えたことで賞品とられることはないですから・・・
10問目は『手打ちといえばうどん。では手もみといえば何?』
まあ正解はお茶なんですけどね」
すると西川のりおは、
「おっぱいにしましょ」
といって笑顔になった。
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「それでCMに入りまして、次はチャンピオンクイズなんで・・・
『戦国時代の武将、豊臣秀吉の幼名は日吉丸ですが、徳川家康の幼名は何でしょう?』
これ竹千代です。
チャンピオンクイズに正解しますとヨーロッパ1周。
挑戦するかどうかはのりおさんにお任せします。
仮に挑戦しなければ、それまでの賞品賞金はお持ち帰りいただけます」
「ハハハッ」
「もし何にも答えを知らなかったらどうします?」
「答え知らんかったら?
チャレンジしませんよ。
もらって帰りますよ。
しばらく品もん買わんですみますもん。
だいぶん助かりますわ」
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こうして打ち合わせが終わると、のりおはディレクターと共に収録が行われる第4スタジオへ。
自分の席の後ろ、上方に客席があるのに気づくと
「みられんちがいます?」
と聞き、
「大丈夫です」
といわれると机に答えやセリフを書いたメモを張った。
そしてテレビ、ゴルフセット、ステレオ、カバン、自転車など豪華賞品をチェックし、
「俺のもの」
といった。
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「みなさん、こんばんは。
今日から始まりました、クイズアカデミー。
司会のみのもんたです」
番組の収録が開始。
のりおは「今週のスペシャルゲスト」として真っ先に紹介され、東京の相沢正博さん、埼玉の高橋弘子さん、愛知の鈴木明さんと共に4人でクイズに挑戦。
「野球のことは任せてください」
「いえいえ、もうこれだけもらえれば結構です」
『手打ちといえばうどん。では手もみといえば何?』
「おっぱい」
いわれた通りにセリフを入れつつ、クイズの成績は断トツでトップ。
目の前に賞品賞金が山積みになっていった。
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『先ほど行われたサミットの開催地はどこでしょうか?』
「ボン!」
と最終問題も正解し、のりおはトップ賞。
「さあ、今週のグランドチャンピオンの西川のりおさん。
ここで聞きたいと思います。
あのヨーロッパ1週旅行と副賞の100万円に挑戦しますか?
どうしますか?
もし不正解の場合には賞金と賞品は残念賞に変わってしまいます」
みのもんた問われ、西川のりおは
「やりましょう」
と胸を張って即答。
「男ぉー」
と持ち上げるみのもんたに
「任せてください。
僕が盛り上げな誰が盛り上げるんですか」
とノリノリで応じた。
「さあ、それではまいりましょう。
グランドチャンピオンの西川のりおさんが挑戦いたします。
では問題をどうぞ」
『戦国時代の武将、豊臣秀吉の幼名は日吉丸ですが、豊臣秀吉に生まれた年は何年でしょう?』
(打ち合わせと違う!)
西川のりおは焦ったが、
「1545年」
とヤマカンで勝負。
正解は1536年。
賞品賞金がすべて没収され、残念賞としてボールペンをもらった。
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しかしここでハプニングが発生。
スタッフが
「VTRが撮れていない」
といって収録がストップ。
改めてチャンピオンクイズをやり直すことなり、賞品賞金も元通りになると凹んでいたのりおは笑顔に。
しかし
「さあ、それでは問題いってみたいと思います。
せーの!スターどっきり㊙報告!!」
みのもんたがいうと再び怪訝な表情になり、ドッキリだったと理解すると
「コラァー」
と叫んだ。
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その日は国内で仕事をした後、、1人で海外に行かなければならなかった。
「マネージャーがついてくるとか、コンビ2人で行くとかやなしにまるっきり1人で、朝からどうしようと思うてました」
まずは横浜で、横山やすし主演の映画「ビッグマグナム黒岩先生」の撮影。
朝早く、伊丹空港へ行き、海外旅行用のトランクを預け、羽田行きの飛行機に乗った
しかし到着後、なかなかトランクが出てこなかった。
羽田空港には東映の担当者とハイヤーが待っていてくれたので
「悪かったなあ」
といって出ていくと、なんと横山やすしがハイヤーに乗っていた。
大阪から同じ飛行機に乗っていたが、タバコ嫌いの横山やすしは禁煙席にいたため気づかなかった。
「どないしたんじゃい!
遅いやないか!!
このどアホ!!!」
いきなり頭ごなしにいわれ、西川のりおは、
(なんで朝から怒られなアカンねん)
と思いながら
「すいません」
「ところで野山はどないしてん」
「エッ、僕知りませんけど」
「アホぬかせ。
お前探しに行っとんやないか、アイツは」
「僕は荷物取りに行ってましたから」
「それやったらそういうとかなアカンやろ、このアホンダラが。
何考えとるんや」
西川のりおは
「すんません」
と謝り、到着口に走った。
すると電話している野山雅史マネージャーを発見。
ちゃんと飛行機の乗ったか、大阪の西川のりおに家に確認をしていた。
「ああ、のりおさん」
「ゴメン。
俺、トランク預けとってん」
「探しましたよ。
横山さん待っとるし、のりおさんが怒られる思うて」
「なにいうとんねん。
オレはお前のためにムチャクチャ怒られて、お前探してこいいわれたんや」
「のりおさん、どうしよ」
「知るか!」
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