【修羅の門】全日本異種格闘技選手権・竹海直人との試合を振り返る!
2020年4月19日 更新

【修羅の門】全日本異種格闘技選手権・竹海直人との試合を振り返る!

これまで物語の始まりとなる第一部を徹底的に紹介してきましたが、今回からは第二部に突入して本格的に『修羅の門』らしい展開になっていきます。全日本異種格闘技選手権が開催されるまでの流れ、そして初戦のキックボサクー・竹海直人との戦いを振り返っていきますので、ぜひ記事をご覧になってください。

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『修羅の門』とは?

『修羅の門』

『修羅の門』

分野 :格闘漫画
作者 :川原正敏
掲載誌:少年月刊マガジン
発表号:1987年5月号
    ~1996年12月号
巻数 :全31巻
『修羅の門』(しゅらのもん)は、川原正敏による日本の漫画作品。千年に亘り不敗を誇るとされる架空の古武術・陸奥圓明流の継承者である陸奥九十九(むつ つくも)を主人公とし、陸奥圓明流が地上最強であることを証明するため、彼が様々な強敵達と戦う様を描く格闘漫画。

全日本異種格闘技選手権までの流れ

https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156640848518 (2182291)

神武館本部に居候している九十九は、その強さから四鬼竜と呼ばれる実力上位の猛者たちに目をつけられ、仕合いをして、全員に打ち勝ってしまうのでした。神武館の実力トップで天才と呼ばれる海堂晃との戦いを経て、九十九は陸奥圓明流を継ぐ者として更なる強敵を求め、キックボクシング・シュート・プロレスといった格闘技や神部館以外にも天才がいることで有名な空手流派・鬼道館に出掛けて道場破りを繰り返すようになります。
そのことを知った神武館館長の龍造寺徹心は、九十九に戦いの場を与えるべく、全日本異種格闘技選手権の開催を発表。記者会見を行ない、「名実ともに日本で最強の男を決めよう」と大々的に参加者を募るのでした。
大会には九十九が出場することが表明され、さらに驚くことに神武館の代表として、館長の徹心も出場することも発表されました。このことは日本の格闘技界に大きな波紋を与え、九十九に道場破りされた格闘技団体など、それぞれの分野で実力ナンバー1を誇る格闘家たちが次々に参加を表明することになります。
https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156640848498 (2182293)

事前に大会のトーナメントの抽選会が行なわれ、それぞれ出場者たちの対戦相手や当り順が次々に決まっていきました。台風の目である九十九の抽選の番が回ってくると、くじを引かずに「ここがいい」とトーナメントの枠をリクエストしたのです。九十九が希望したトーナメントの枠は、初戦でプロのキックボクサーである竹海直人と戦い、二戦目以降も大会の本命と言われる有力選手たちと次々に当たる熾烈なところ。
トーナメントで優勝するためには対戦相手・当り順による有利・不利は付きものですが、九十九は敢えて実力ある強者たち全員と戦うことを自ら選んだのです。周囲はざわつきましたが、九十九の有利にトーナメントを勝ち進めることを自分から捨てる選択に異を唱える者はいませんでした。
こうして九十九は全日本異種格闘技選手権において、本命と呼ばれる格闘家全員と戦うといった組み合せが実現しました。

陸奥九十九VS竹海直人

グローブはずしなよ

グローブはずしなよ

全日本異種格闘技選手権の当日がやってきて、いよいよ第一回戦が始まります。
九十九の初戦の相手はプロのキックボクサーであり、日本ミドル級のチャンピオンに君臨する竹海直人です。竹海は勝ちにこだわるストイックな姿勢から、「キック界の宮本武蔵」と呼ばれており、ムエタイ王者にも勝った経験のあるほどの選手でした。
試合が始まろうとしたとき、グローブを着用して試合しようとする竹海に対し、九十九は「グローブをはずしなよ」と声をかけます。大会ルールでは、グローブの着用は出場者の意思に委ねられていました。
グローブをはずすのはルール違反に該当せず、九十九も素手で戦うつもりです。しかし、竹海は、キックボクシングはグローブを着用して戦う競技であること、対戦相手の多くはアマチュアであり、素手で殴ると怪我をさせてしまう危険が高くなるという理由からグローブを着用して戦うつもりでいました。
九十九の言葉に、竹海はあくまでグローブをはずさないという姿勢を崩しません。

いよいよ試合開始

試合開始の直後から、竹海は多彩なパンチのコンビネーションをみせ、九十九にクリーンヒットさせるのでした。強烈な攻撃をまともに受けた九十九でしたが、ダウンせずに踏みとどまり、その様子をみた竹海も追撃はせずに九十九の様子を伺います。すると九十九は口を開き、「やっぱりグローブじゃ人は殺せないよ。グローブをはずそうよ。」と言います。
しかし、竹海は頑なにグローブをはずそうとせず、ファイティングポースを崩そうとしないことから、九十九はグローブをはずさせることを諦め、本格的に竹海と向き合って試合を始めるのでした。
竹海と九十九のヒジ技

竹海と九十九のヒジ技

キックボクシングといえばヒジ・ヒザをつかった技が強力で、多彩な攻撃の中に組み込まれ、至近距離で放たれるコンビネーションに九十九も苦戦します。九十九は「すごい」と言うものの、「陸奥圓明流にも肘技はあるよ」と竹海のヒジ・ヒザに対抗しようとするのでした。
再び竹海がヒジを繰り出そうとすると、その瞬間に攻撃したはずの竹海が後方に吹っ飛びました。九十九の口から「陸奥圓明流肘技・蛇破山」と技名が語られ、ヒジ打ちしたような格好をしており、竹海は九十九のヒジを受けて大きなダメージを受けました。
あまりに早くて見えなかった攻防ですが、スローモーションで動画が再生されると、竹海がヒジを当てようとした瞬間、九十九は正拳をヒジに当てにいき、その拳によって、ヒジの攻撃を下方に流していたのです。そして、攻撃を流すだけで九十九の動きは止まらず、そのまま流れるように、竹海の鎖骨辺りにヒジを叩き込んでいたのです。
ラジャダムナンの奇跡

ラジャダムナンの奇跡

竹海は不敵な笑みを浮かべ、これまでの流れから一転して、蹴りで九十九を圧倒するような展開をみせます。蹴りというと、動きが大きいため、打ち終わりの姿勢は不安定で隙をつくってしまうもの。
しかし、竹海の蹴りは姿勢を乱さず、そのうえで恐ろしく速い蹴りの連打を繰り出してきます。
この光景はラジャダムナンの奇跡とまで言われたものの再現で、竹海とムエタイ王者との試合で、ムエタイ王者を倒したときにみせたフィニッシュパターンを思い浮かべるものでした。
あまりに速い攻撃に防戦一方の九十九でしたが、九十九自身も動きのギアを上げ、竹海のハイキックに上段回し蹴りを合わせます。両者の蹴りが相打ちで極まると、九十九は振り返って戦うことを止め、舞台袖にいた木村に、救急車を呼ぶように言います。
急に戦うことを止めた九十九を不思議に思う木村でした。しかし、竹海も立ち尽くしたままで、九十九に攻撃を仕掛けてこようとはしません。この時、すでに竹海の意識は失われていて立ったまま気絶していました。
お互いに蹴りが入って相打ちにように見えた応酬でしたが、九十九の上段回し蹴りは竹海のハイキックを僅かに上回り、その意識を断ち切っていたのです。注目するべきポイントは、キックボクサーが本気で放った蹴りに対して、九十九の上段回し蹴りが上回ったということでしょう。
こうして九十九は真正面からキックボクサー・竹海直人に立ち向かって勝利を収めました。

『修羅の門』第二部を読み直そう

第二部の序盤と九十九VS竹海戦を振り返っていきましたが、如何だったでしょうか?
序盤も面白いですが、ここから『修羅の門』の魅力はさらに加速していき、この後にも、血湧き肉躍るといった展開が続いて本編に惹き込まれてしまいます。
ぜひこの機会にご覧になって、陸奥圓明流や陸奥九十九の伝説を見届けてくださいね。
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