「デンジマン」「サイボーグ009」の歌手・成田賢が在籍していた!知る人ぞ知るバンド『ザ・ビーバーズ』とは?
2021年8月15日 更新

「デンジマン」「サイボーグ009」の歌手・成田賢が在籍していた!知る人ぞ知るバンド『ザ・ビーバーズ』とは?

「電子戦隊デンジマン」「サイボーグ009」の主題歌で知られる成田賢が、ソロとして活動する前に所属していたバンド「ザ・ビーバーズ」について書いてみたいと思います。

1,395 view

「デンジマン」の成田賢が在籍していた!知る人ぞ知るバンド「ザ・ビーバーズ」

ミドル世代なら誰もが知る特撮「電子戦隊デンジマン」およびテレビアニメ「サイボーグ009」。その主題歌を担当した歌手・成田賢の名前を覚えている人も多いのではないでしょうか。この記事では、一般的にはソロシンガーとして知られている成田賢が、ソロとして活動する前に所属していたバンド「ザ・ビーバーズ」について書いてみたいと思います。
 (2296117)

1967年、「初恋の丘」でメジャーデビュー!

ザ・ビーバーズが結成されたのは1966年2月のこと。ドラマーの淡村悠紀夫が大阪と札幌でメンバーを募り、早瀬雅男(ボーカル)、成田賢(ボーカル、ハーモニカ)、荒川宏(ベース)、石間秀樹(リードギター)、平井正之(サイドギター)がそれに呼応、「ジ・アウトロウズ」というグループを結成しました。
 (2296101)

グループサウンズ(GS)全盛の時代に結成されたジ・アウトロウズ。当時、数百単位でGSのグループが存在したと言われている中、ジ・アウトロウズはTBS系列で放送されていた情報番組「ヤング720」への出演や、石間の独特なギターサウンドなどで頭角を現し、キングレコードとの契約にこぎつけました。そして、1967年7月にシングル「初恋の丘」でレコードデビューを飾ることとなります。なおデビューに先立ち、親しみやすい名前への変更を提案され「ザ・ビーバーズ」へと改名しています。
 (2296100)

セカンドシングルではかまやつひろしを起用!

デビューシングル「初恋の丘」ですが、成田賢と早瀬雅男のツインボーカル、そして石間秀樹による自己主張の強いサイケデリックなギターが評判となり、公称10万枚のヒットを記録。ザ・タイガース、ザ・テンプターズといったGSの頂点に君臨したバンドに次ぐ、人気GSの仲間入りを果たしました。そして1967年11月にはセカンドシングル「君なき世界」を発表。この楽曲は当時ザ・スパイダースで活躍していた、かまやつひろしが手掛けたもので、こちらもヒットを記録しました。1968年1月に発足したオリコンチャートでは、57位を記録しています。
 (2296102)

成田がミドルエッジ編集部に後年語ったところによれば、当時は昼と夜に別会場でそれぞれライブを行うなど、その人気に比例し非常に多忙なスケジュールを送っていた模様。また「君、好きだよ」「愛しのサンタマリア」など、新曲も続々と発表していました。
ザ・ビーバーズの頃はとにかくスケジュールが多忙でした。
昼間は銀座アシベで夜は横浜プリンス、昼夜電車で乗り継いで行ってそのまま演奏するような生活が1年半続いていましたから。楽屋でちょっと仮眠しただけで遊びに行ったりとか、生活はひどかったですね。

1969年に解散…メンバーのその後は?

多数のシングル、そしてアルバム「ビバ!ビーバーズ」を発表(当時はアルバム発売までこぎつけず解散するグループが後を絶ちませんでした)するなど一定の人気を誇り、時には“和製ヤードバーズ”と称されることもあったザ・ビーバーズ。しかし、1969年頃に起こったGSブームの急速な衰退により、1969年4月に解散することとなりました。ここでは、メンバーのその後について見ていきましょう。
 (2296134)

「ヤードバーズ」とは、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジといった世界的ギタリストを輩出したバンドで、レッド・ツェッペリンの母体となったグループです。

成田賢

ボーカルを務めた成田賢ですが、バンド活動・ソロ活動を経てスタジオシンガーへと転身。東ハト「キャラメルコーン」のCMなど、200曲を超えるCMソングを担当しました。そして、1979年にはテレビアニメ「サイボーグ009」の主題歌「誰がために」を担当し、さらに1980年には特撮「電子戦隊デンジマン」の主題歌「ああ電子戦隊デンジマン」を担当するなど、テレビ番組の主題歌へと活動の幅を広げました。しかし、1981年に起こったオートバイ事故により一旦歌手活動を引退することとなります。
 (2296111)

長期にわたり活動を休止していた成田ですが、2007年に歌手活動を再開。特撮「獣拳戦隊ゲキレンジャー」の挿入歌を担当し、往年のファンを沸かせました。さらに、2012年にはかつて担当した「サイボーグ009」の主題歌「誰がために」をセルフカバー。2018年にはミドルエッジ編集部のインタビューに応えていただくなど、積極的な歌手活動を展開していたのですが、2018年11月に肺炎のため73歳で亡くなっています。
32 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

ロックは英語で歌うべき!?70年代に起こった「日本語ロック論争」とは?

ロックは英語で歌うべき!?70年代に起こった「日本語ロック論争」とは?

現代の日本のロックでは一般的になっている「日本語と英語が入り混じった歌詞」。一方で、1970年前後に「ロックは日本語で歌うべきか、英語で歌うべきか」が真剣に論じられていたのを皆さんご存知でしょうか?
元祖イケメンドラマー「ザ・ゴールデンカップス」のマモル・マヌーさん死去。長い髪の少女、愛する君になど

元祖イケメンドラマー「ザ・ゴールデンカップス」のマモル・マヌーさん死去。長い髪の少女、愛する君になど

60年代後半のグループサウンズを代表するバンドのひとつ「ザ・ゴールデン・カップス」でドラマー兼ボーカルを務めたマモル・マヌー(本名:三枝守、さえぐさ まもる)さんが9月1日、心筋梗塞のため亡くなっていたことが明らかとなりました。
隣人速報 | 2,077 view
60年代~70年代の歌謡界を席捲した「ベンチャーズ歌謡」の魅力!!

60年代~70年代の歌謡界を席捲した「ベンチャーズ歌謡」の魅力!!

60年代、日本の音楽界を席巻した「エレキサウンド」。このエレキの波は歌謡曲にも進出し、そんな中生まれたのが「ベンチャーズ歌謡」と呼ばれる楽曲群です。
「こまっちゃうナ」が蘇る!?山本リンダが“SNS総フォロワー290万人越え”金子みゆと異色ダンスコラボ!!

「こまっちゃうナ」が蘇る!?山本リンダが“SNS総フォロワー290万人越え”金子みゆと異色ダンスコラボ!!

昭和を代表するアーティスト・山本リンダのデビューシングル「こまっちゃうナ」を完全リメイクして制作された楽曲「こまっちゃうな」のダンスコラボレーション動画が現在公開中となっています。
隣人速報 | 86 view
長崎は今日も雨だった、中の島ブルース、東京砂漠…内山田洋とクール・ファイブのシングル77曲が初の配信スタート!!

長崎は今日も雨だった、中の島ブルース、東京砂漠…内山田洋とクール・ファイブのシングル77曲が初の配信スタート!!

内山田洋とクール・ファイブが1969年から1980年にかけて発表したシングル77曲が『シングル・コレクション1969-1974』『シングル・コレクション1974-1980』として現在配信中となっています。
隣人速報 | 192 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト