異常な難易度を誇る「マイティボンジャック」。途中で挫折した者は数知れず・・・
2017年1月23日 更新

異常な難易度を誇る「マイティボンジャック」。途中で挫折した者は数知れず・・・

1986年発売の「マイティボンジャック」。敵をやっつけるのではなく、敵を避けながら進んでいくアクションゲームですが、隠し要素も随所にちりばめられており当時としてはかなりの難易度だったと言われています。 どういった点が難しかったのか、少し振り返って見てみましょう。

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1986年発売の「マイティボンジャック」は業務用ゲームの移植版

ファミコンゲーム「マイティボンジャック」は、テクモ(現在のコーエーテクモゲームズ)が開発したアクションゲームです。テクモにとって初めてのファミコンソフトであり、元々はゲームセンター向けに開発された「ボンジャック」というゲームがベースとなっていたのです。
ベースとなった「ボンジャック」は、1984年にリリースされ、主人公のジャックが爆弾を回収しながら進んでいくゲームでした。
ゲームセンターの「ボンジャック」

ゲームセンターの「ボンジャック」

ゲームセンターにあった「ボンジャック」は当時としては美しいゲーム画面と、そこそこ遊べる難易度により一世を風靡したゲームとなりました。
このゲームがファミコンに移植され、こちらも人気ゲームとなったのです。
ファミコン版は縦横スクロール画面となりました

ファミコン版は縦横スクロール画面となりました

ゲームセンターでは1画面固定だったのですが、ファミコン版では縦横のスクロールとなり、それに伴って難易度も大幅にアップしたのです。

マイティボンジャックの世界観

七つの海と六つの大陸の平和を守るパメラ王,誰もその姿を見た者がいない伝説的な王である.
ある日,地上界を破滅に導こうとする魔王ベルゼブルによってこのパメラ王と,その王妃・王女は連れ去られてしまった.
そこは魔の大ピラミッド.
この中のどこかにパメラ王が幽閉されている.
しかし,王の救出に向かったマイティ一族の兄弟たちは,ことごとく魔王の前に敗れ,後には末っ子のジャックが残るのみ.
ジャックはついに勇気をふりしぼって,最後の闘いを挑んだ!
負けるな,我らのジャック!世界の平和を呼び戻せ!
まあ、この時代のゲームには良くある世界観ですね。ピラミッドと冒険アクションを組み合わせたある意味ハリウッド的王道ともいえるストーリーです。なぜピラミッドに爆弾があるのか、こんなにたくさんの爆弾があると、爆発したら次々に誘爆してピラミッドが壊れてしまうのではないかという突っ込みはこの際止めておきましょう。

ゲームの進め方は至ってシンプル

では、実際のゲームに進んでみましょう。
進め方はシンプルです。ピラミッドの中を上下左右に動き回りながら敵を避け、仕掛けられた爆弾を回収しながら進んでいくだけです。
また、道中に宝箱が出現します。この宝箱の上でジャンプすると宝箱の中身を手に入れることができます。宝箱の中には「マイティコイン」が入っており、集めると「マイティパワー」を使うことができるのです。
敵をよけつつ爆弾を集めます

敵をよけつつ爆弾を集めます

道中、様々な敵が襲ってきます。予想外の動きをする敵もいるため、できるだけ近づかずに進めるのがよいですね。

攻略するために必要なマイティパワーとは?

主人公のジャックは、マイティパワーを集めることで4段階の変身が可能です。
このパワーアップを巧みに使うことにより、攻略が容易になるのです。
マイティパワー(単に「パワー」と称することもあります)は敵を攻撃する手段がないジャックにとって大きな助けになります.
マイティパワーは0~3の4段階があり,王家の部屋と拷問部屋を除いて,どこでも使うことができます.
ただしマイティパワーを使うためには1段階のパワーアップにつきマイティコイン1枚が必要です.
そのためマイティコインがないと使うことができません.
プレイヤーは宝箱から「マイティコイン」を集めることで、「マイティパワー」を使用できる。Bボタンを押すごとに3段階までマイティパワーを使用できる。1段階目でマイティの体は青色になり、オレンジの宝箱を開けられるようになる。2段階目でマイティはオレンジ色になり、宝箱をジャンプせずに真横から開けられるようになる。3段階目ではマイティは緑色になり、発動した時点で画面上の敵キャラを一定時間コインに変えることができる。また、シークレットコインを取ることができるのは3段階目の状態でのみ。各ランクからはAボタンを押した回数に応じて一つずつ下の段階に戻っていく。
このように、パワーアップの段階に応じてジャックの能力が変化し、各ステージを優位に戦い抜くことが可能となるのです。

画期的な【偏差値システム】も実装されています

このマイティボンジャックは、プレイヤーのゲームの進め方に応じて腕前を評価するシステムが実装されています。
これをGDV(Game Deviation Value)と呼び、ゲームオーバーとなった時点で、画面には今のプレイのGVDが表示される様になっています。
このように今回のGDVが表示されます

このように今回のGDVが表示されます

このGDVですが、取扱説明書によると

GDV=75~
素晴らしい!まさに天才です記憶力,判断力,応用力,反射神経共に言うことナシ!あとはさらに完璧なプレイを目ざして楽しんで下さい.この調子で学校のテストもがんばって下さいネ!

GDV=71~74
普通の人はここまでくればもう“名人”の部類.とにかく,あなたの頭脳はコンピュータに勝るとも劣らない実力を持っています.普通でない人は75に挑戦して下さい.それはもう神の領域.

GDV=67~70
あなたはもう上級者の仲間入り!でもここから上に行くには容易な事じゃないゾ!マップを作る等,くふうをこらしてがんばってみて下さい.マイティコインであなたの頭脳もパワーアップしてみたらいかが!

GDV=63~66
中級の腕前!上級への壁は厚くて険しいヨ!でもあきらめないで下さい.もう少し迷路や隠しキャラを研究して再挑戦をくりかえせば,きっと道は開けます.爆弾の順番を憶えるといいカモ!

GDV=59~62
かなりなれたと言ってもまだまだ初歩的なミスでやられるんじゃないカナ!?コントロールテクニックを身につければ,もうすこし上にあがれるはずです.あとは君の頭脳の記憶容量の問題です.

GDV=55~58
初級合格のあなた.でもまだまだ勉強が足りませんゾ!記憶力,反射神経,コントロールテクニック,何が欠けているか考えてみて下さい.無理をしないで慎重にやればきっと60以上に上がれるヨ!

GDV=48~54
とにかくゲームを何回もやってジャックを自由にコントロールできるようになる事が先決です.もうすこし上の偏差値が見られるようになるまでガッツで挑戦して下さい.

となっています。なんだか学校のテストの偏差値みたいですね~。

敵への攻撃手段がなく、ただ避けるだけ

ところで、このマイティボンジャックは超高難易度のゲームと言われていました。それは、まず主人公のジャックは敵への攻撃手段を持っていないという点。敵を避けつつ爆弾を回収し、先へ先へと進むしかないのです。
そしてこの敵の動きが非常にトリッキーであり、避ける方法が見当たらず同じステージで何度も躓いてしまうことも多々あります。ほんとに予測できない動きをしてくるのです。
また、拷問部屋の存在もあります。
マイティコインを間違って取りすぎると拷問部屋へとワープし、なぜだか50回ジャンプしないと拷問部屋から抜け出せないのです。
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