『ガンプラり歩き旅』その61 ~番外編 はばたけ! 宇宙の勇者ザンボット3!(前)~
2021年6月22日 更新

『ガンプラり歩き旅』その61 ~番外編 はばたけ! 宇宙の勇者ザンボット3!(前)~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。 今回は前後編で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、アオシマ製プラモデル群から、『ガンダム』の富野由悠季監督の名作『無敵超人ザンボット3』(1977年)の、当時から現代に至るプラモデルを紹介していきます!

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前後に動く肩の関節が仕込まれた完成形

前後に動く肩の関節が仕込まれた完成形

しかし、この時期まだまだ「デザインの壁」は厚く、せっかく組み込まれたポリキャップの恩恵も虚しく、肩は結局「前後に軽く揺れるだけ」程度で終ってしまう。
これで精一杯、腕を前に向けて上げた状態の限界

これで精一杯、腕を前に向けて上げた状態の限界

肩は結局、水平方向には垂直近くまで上げられるが、肘の曲がりが悪いのも含めて、小サイズ版と似たり寄ったりというのが正直な印象か。
左腕を、水平ギリギリまで広げて上げた状態。肘も最大角ま...

左腕を、水平ギリギリまで広げて上げた状態。肘も最大角まで曲げてある

股関節の開脚と、脚の踏み出し具合

股関節の開脚と、脚の踏み出し具合

股関節は若干ではあるが開くように関節が仕込まれていて、膝と足首は一軸可動するように出来ている。
両脚を、前後に一番大きく開いて見せた状態

両脚を、前後に一番大きく開いて見せた状態

やはり「光るザンボット3」へ流用するためか、ボディが四肢よりも一回り大きく、棒立ちだと少しそこの違和感が目立ってしまうのは否めない。
なるべく自然なポーズを……と頑張った結果、なんとも微妙...

なるべく自然なポーズを……と頑張った結果、なんとも微妙で不自然なポーズに仕上がった写真

結論としては「革新的なポリキャップを全身の関節に仕込んだものの、そもそものデザインの壁に阻まれて、あまりアクション性は良くない」で終ってしまった辺り、まだまだ過渡期とはいえ、惜しすぎるという印象が強い。
ポリキャップ過渡期ゆえの残念さはそれだけではない。
実際に組み立ててみると分かるのだが、このキット、ポリキャップと、ポリキャップ埋め穴とのサイズが違い過ぎて緩すぎるので、ポリキャップが埋め穴の中で空転してしまうため、ポリキャップの一番のメリットの「関節の保持力」が殆どない。
結果、キメ技ポーズでもある「ムーンアタックのポーズ」を必死にとらせても、なんともしまりのないゆるゆるポーズに着地してしまうのであった。
必死にポーズしてみましたムーンアタック。言われないと「...

必死にポーズしてみましたムーンアタック。言われないと「適当に両手を広げただらしないポーズ」に見えてしまう(笑)

また、このキットではポリキャップCとポリキャップDの2つが用意されているが、組立説明書に解釈不能な指示があり、例えば図で示したように「ポリ部品C・D」のような指示書きがあり、これが何を意味するのかが理解できない。
問題の「ポリ部品C・D」の指示。CとD、どっちを使えば...

問題の「ポリ部品C・D」の指示。CとD、どっちを使えばえぇねん!

両方のポリキャップを2つとも埋め込めばいいのかとも思ったが、穴の深さ的に2つ同時には入らない構造。
他でも左右パーツが間違えやすいのに、組立指示図が片腕、片足しか描かれてないので、描かれてない側を組み立てるのが難しい。
とりあえず、ポリキャップの問題は、箇所単位で、CとD、どちらがハマるかを現物合わせで判断して組み立てていった。
一方、今回は小サイズとは違って、一応手持ちの武器として、ザンボットグラップと、なぜかザンボット3サイズのザンボマグナムが付属してくる。
付属してくる、ザンボットグラップとザンボマグナム

付属してくる、ザンボットグラップとザンボマグナム

実際の作品を見たことあるならばわかる人も多いと思うが、ザンボットグラップはともかく、ザンボマグナムは本来、ザンボット3の胸の中に納まる小型ロボ、ザンボエースが使う銃器であり、ザンボット3が持ったり構えたりするものでは決してない。
しかし、後の「合体ロボット ザンボット3」でもそうなのだが、アオシマはなぜか、ザンボエース用の小型銃器のザンボマグナムを、巨大化させてザンボット3用の武装として付属させてしまいたがる癖があった。
「ザンボマグナムを手にぶら下げているザンボット3」とい...

「ザンボマグナムを手にぶら下げているザンボット3」という違和感バリバリの図

この解釈としては、まずは「ライバルのガンプラの主役、ガンダムが『剣(ビーム・サーベル)』と『銃(ビーム・ライフル)』を両方装備している。ザンボットグラップ(剣)もザンボマグナム(銃)も、実際にアニメには登場するメカなのだから、両方ともザンボット3に装備させてしまえ」で用意されたという説と「アニメ本編をあまり観ていないアオシマのスタッフが、純粋に『ザンボマグナム』というネーミングだから、ザンボット3の武装だと思いこんだ」という説が考えられるが、まぁ、何もないよりは枯れ木も山の賑わいで良いのだが、ただこのザンボマグナム、シルエットも構造も比較的設定に近くパーツ数も多いため、ポリキャップの保持力の弱い腕の拳に握らせると、まともに構えられないという哀しいオチがつく。
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  • やのしん 2018/5/7 09:50

    ザンボの上腕は、曲がる金属で出来ているので、間接が無いのです。最近の戦闘ヘリのローターヘッドが複合材料を使ったヒンジレスなので似たような構造なのでしょう。

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