2021年6月22日 更新
『ガンプラり歩き旅』その58 ~イデオン編・6 現代に蘇った1/600 伝説の巨神2つ! 瞳こらせよ、復活の時!~
ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。
今回は全8回で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、『機動戦士ガンダム』(1979年)の日本サンライズ・富野由悠季監督の次作品『伝説巨神イデオン』(1980年)のアオシマ製プラモデル群から、現代に至るまでのイデオンフィギュアを、追いかけてみたいと思います!
すごいというのはもう一つ。
このフィギュアには、合体や変形をしなくてよい分、様々なところに可動軸が設けられていて、それはイデオ・ノバであれば合体時に畳替えし的展開変形をする、Bメカの肩脇ブロックの内側にもフレキシブルジョイントが設けられているのだが。
ここが変形しなくて良いぶん、可動軸を仕込めばかなり自由度が高い動きを可能にするので、腕を振り回す演出の見栄えがよくなるだけではなく、イデオンファンが夢見た「無限ミサイル一斉発射ポーズ」の完璧に近いポーズをとらせることも可能!
合体変形機構がないので、肩ブロックも前方に向けて角度が付けられ、引き出し関節がなくても腕を前方に深く曲げられる
スーパーミニプラ版の項でも改めて書くが、イデオンファンにとって「無限ミサイル一斉発射ポーズが再現できるイデオンフィギュア」は、長年の夢(と、アオシマの夢見た奇跡)でもあったので、このフィギュアの登場は鮮烈なインパクトをもたらした。
ESI版の可動範囲を駆使して再現した、無限ミサイル一斉発射ポーズ
また、近年のフィギュアの世界でありがちな逸話になるが。
上でも書いたがこのフィギュア、オプションと呼べるものは両手の平手以外ついていない。そう、誰もが欲しがる、イデオンフィギュアには付属していて当たり前のはずの、肝心のイデオン・ガンが付属していないのだ。
無限ミサイル一斉発射ポーズが実現されておきながら、イデオン・ガンが付属していないというのは、著しく画竜点睛を欠く印象を与えるが、実はそこには裏技があった。
ESI版イデオンを使った、第一話の名ポーズ
最初にも書いたが、このフィギュアのスケールは1/600。その昔、アオシマが合体版とプロポーションタイプの、2種のイデオンを出したイデプラと同じスケールなのだ。
そしてその上で、当時アオシマは、グリップ握り拳付きのイデオン・ガン(商品名「波導ガン」)を単体で発売していた……。
そこで佐藤氏(もしくは発売元のやまと)は、わざと、アオシマ製「波動ガン」付属の拳の接続ピンの太さと、このフィギュアの手首の接続部分の太さを一致させることで、四半世紀ぶりに、アンティークトイ化していたアオシマの「波導ガン」を、最新の究極イデオンフィギュアに持たせることが出来るギミックを、予め商品に仕込んでおいたのだ!
ESI版イデオンに、四半世紀の年を経たアオシマ製イデオン・ガンを握らせることができる
確かに、この大きさでイデオン・ガンが付属させれば、商品価格はさらに跳ね上がるだろう。その上で、80年代当時のアオシマのイデオン・ガンは、今の目で見ても遜色がない仕上がりをみせていた。だとしたら、ユーザーは、このイデオンにイデオン・ガンを握らせたければ、中古価格でもそうは高くなかった(フィギュア発売当時)アオシマの「波動ガン」を買ってきて作り、握らせればいい。
再現画像より。ソロ・シップ甲板からイデオン・ガンを撃つイデオン!
こういった裏技や遊び心は、近年でもメーカーやブランドの垣根を越えて存在しており、同じキャラクター、同じ作品のメカ同士が、全く関係ない商品同士で組み合わせられたり、オプションパーツが使いまわせたりする例は少なくない。
なので今回は筆者も、当たり前の前提でこのフィギュアに、アオシマの「波導ガン」を握らせることにした。
クライマックスの印象的な、壮絶なイデオンVSアディゴ群!
各関節の可動領域。ポージングした時のラインの繋がり方。可動ギミックの仕込み方。そもそもの立体物としての二次元の産物の再現性。
それらを踏まえるとこのESI版イデオンは、合体、変形こそ出来ないが、解釈の方向性次第では「イデオンのアクションフィギュアの頂点」の座を、2018年現在でも失っていない金字塔商品ではないかと、筆者は思っている。
バンダイキャンディトイ 1/600 スーパーミニプラ イデオン 発動篇 2016年10月発売 4800円
イデオンのメカデザイナー、樋口雄一氏によるボックスアートの渋みが輝くバンダイ版!
さて、とうとう今回の番外編企画の目玉でもあり、現在容易に入手できるイデオンアイテムの中では、組み立てやすさ、再現度、可動、色分け、どれも最高峰のバランスで構築された、イデオンプラモの紹介に入ろうと思う。
恒例の角度の立ち姿。まさにバンダイマスターグレード版イデオン!
そもそも、バンダイという企業は一枚岩ではなく、事業部単位でしのぎを削り合ってメーカー全体が稼働している。
主にガンプラなどを扱うホビー事業部が花形事業部だが、通好みというアイテムは、結構キャンディトイ事業部が、食玩扱いで出していたりもする。
食玩とは、読んで字のごとく、そもそもは昭和の大昔のグリコキャラメルのように、キャンディやキャラメル、ガムなどがメインで、付属してくるオマケはオマケなりの出来とボリュームだった。
さすがバンダイの最新技術投入グレード。ポーズアクションはMGガンプラ並みにしっかり決まる
しかし近年、ガムがアリバイ程度の一個入りで、メインはどう見てもプラモデルやフィギュアで、しかも大型で高額の商品が目立ってきている。
「玩具」「模型」と「食玩」を分け隔てるのは、法律的には流通ルートの問題が大きく、社会通念的には互いの商品の流通ルートがかぶらないため、キャンディトイ事業部は、ホビー事業部が部署気風として商品化しないようなアイテムやキャラを、ガンプラとは違った製造法や構造概念で商品化するようになってきている。
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Bンダイ(仮) 2021/6/12 00:51
>Bメカのイデゲージだけは、ゲージと囲うグレーのプレートの切れ込みの円の直系が合っていない
ゲージが上下逆だからです
正しい向きにすればぴったりはまります
間違った向きにはめるとずれるように設計しているんです