【新耳袋】夏には怪談を…怪談本の草分け的存在「新耳袋」…「山の牧場」知っていますか?
2019年10月2日 更新

【新耳袋】夏には怪談を…怪談本の草分け的存在「新耳袋」…「山の牧場」知っていますか?

 1990年に体験者の話を元に、木原浩勝氏と中山市朗氏によりまとめられた「新・耳・袋 あなたの隣の怖い話」としてスタートした「新耳袋」。多少リライトされているとはいえ、実話が元になった怪談本は実に怖かったものです。その後、漫画化、ドラマ化もされ、「新耳袋・殴り込み」のようなおもしろ怖いシリーズも生み出しました。

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謎の多い「山の牧場」

 「山の牧場」のお話と言えば、なんといっても中山市朗さんです。
山の牧場

山の牧場

画像では普通に見えますが、なんとも言い難いほど異様な建物です。
様々な方がここへ訪れていらっしゃいますが、年代ごと、いく度に、その様子が変わっている…ことも謎です。
そして、何故かいつも誰もいない…!
(そういう時を狙って行ってらっしゃるのかもしれないのですが…)
大学の卒業制作として、モノクロの16ミリ映画を自らの監督で、兵庫県の故郷近辺でのロケを敢行。
このとき、村の俯瞰図を撮ろうと山道に入り、その先で世にも奇妙な無人の牧場を目撃した。
このエピソードをエッセイスト竹内義和が『誠のサイキック青年団』等のラジオ番組や東雅夫監修の『文藝百物語』などで披露。
この話は京都府の大江山のことであるとして話題となり広まったが、『新耳袋・第四夜』(2000年)に「山の牧場に関する十の話」としてまとめられ、中山の体験談として改めてその詳細が明らかにされた。
牧場の場所は著作では明らかにされていないが、一部マニアは自ら探し出し発見したという人たちもいて、単なる牧場跡に過ぎないとする反論もある。
また、『映画秘宝』『新耳袋・殴り込み』『不思議ナックルズ』『誠のおまえら行くな。』などが独自取材し、それぞれが独特の解釈を試みている。
なお、小説家の菊池秀行は、この山の牧場のエピソードは「文章で読んだ恐怖譚の最高傑作である」と『第四夜』のあとがきに記している。
中山市朗さんのWikipediaからです。
中山市朗氏が描いた図

中山市朗氏が描いた図

「山の牧場」の全体像です。
1980年代当時のものかと思われます。

中山市朗さんのお話と「山の牧場」へ…(新耳袋・殴り込みGメン)

 実際に「山の牧場」とはどういう場所で、どんなふうに異様で怪奇なのか…?!
 実際に「新耳袋・殴り込み」Gメンのメンバーと中山市朗さんが一緒に、現場へ行った動画がありましたので、ご紹介です。
大量の紙おむつ…!

大量の紙おむつ…!

牧場の入り口には、ふさわしくない紙おむつの山…!
確か、この牧場には、トイレもなかったらしいのです。
そして、何度か目に行ってみると(これは北野誠さんだったかと思います)、今度はこれまた大量のトイレが設置されていたり…。
階段がありますが…

階段がありますが…

ここには元々、階段はなかったようです。
コンクリートを開けて階段を新たに設置されたようですね。
階段がない二階…どうやって行くのでしょう??
「たすけて」の文字…

「たすけて」の文字…

中山さんが見た時の文字色が違うらしいので、いたずらかもしれないのですが、こんな場所で「たすけて」の文字を見るのは、少し怖い気もしますね…。
壁にドア…ですが…!?

壁にドア…ですが…!?

ドアを開けると、次の部屋…ではなく、外!
このドアは二階に設置されています。
階段もなく、梯子らしきものもなく…。
なんのためのドアなのでしょう?
お札が…

お札が…

いくつかのお札。
以前は、もっとたくさんあったようです。

「山の牧場」の不可思議さをまとめると…

① 牛舎はピカピカで使われた形跡がなかった。
② 牛舎の屋根に直径2mほどの大きな凹みがあった。
③ 中型トラクターがタイヤを上にして仰向けの状態で転覆していた。 しかし、牧場に登る道は乗車1台が やっと 通れる道で、道にはトラクターの轍もなく、転覆するような障害物もなかった。さらにこの牧場を建築する際に、車両や資材搬入はどのようにして行なわれたのかも謎。
④ 2棟の牛舎の間にある建物の中は、謎の鉄製の機械とともに割れた試験管などが散乱していた。
⑤ 宿舎らしき建物には2階部分があるにもかかわらず、2階へと登る階段がない。
⑥ その2階部分には神社のお札が数百枚単位で壁、天井、床中に貼られていた。
⑦ 襖に「たすけて」と白いペンキで殴る書きされていた。
⑧ 隣の部屋には数体の人形が上を向いて転がっていた。その横には分厚い医学書が…。
⑨ 白い漆喰の壁一面には見たことがない奇妙な形の文字が、細かくビッチリ書き込まれていた。
⑩ 落ちていたメモ帳には、壁にあった文字が書き込まれ、最後のページには人体図があり解説印が書かれていた。
⑪ 建物には水道メーターと変電室があり、ともに稼働していた。
⑫ この奇妙な2階建ての建物には、玄関も台所も風呂もトイレもなかった。
   つまり、ここでは“生活が成立しない”
⑬ 階段のない2階建ての建物の横にある木造の平屋の中に巨石があった。
   石の方が建物の入口よりはるかに大きかった。
たいへんわかりやすくまとめられた「MALさんのブログ」様より引用させていただきます。

「山の牧場」の真相はいかに…?!

81年~82年頃、つまりこの時期は何かしらの ”事情” により度々表記を変更したといえるのではないだろうか?さらに、専門家の指摘によれば、この土地は元々は公的な土地、つまり ”神社” か ”墓地” だった可能性が高いということだ。
しかし…である。この仮説は当然のことながら、説明しきれない数々の矛盾点を抱えている。 人形や医学書の謎、部屋中のお札や、生活できない宿舎…さらに人目についてはまずい監禁場所であるとするならば、わざわざ道に「あと10メートル」などという、標識のような物を作るだろうか?そして、監禁場所であれば、肝心の人間は階段を使わずに、どのようにして2階に運ぶのか?
「たまたま迷ってそこに入った人間が、嫌悪感を催すもののオンパレードを目の当たりにし、言いようのない不安な気持ちにさせられ、即座にそこから逃げ出したくなるような感覚。この牧場にはそんな細工がワザとほどこされていたとしか思えない」(中山氏)
それが人為的なものなのか、土地の因果によるものなのか今回の調査では残念ながら判明しなかった。
数々の公的資料や目撃証言があるにもかかわらず、謎に包まれたまま検証できない ”何か” がこの牧場で確実に行われていたのだ。結局、様々な角度からの検証の結果、山の牧場に関して我々が辿りついた ”現時点” での結論は次のことであった。
少し抜粋させていただきます。
 おおまかな様相はわかったような気がしますが、知れば知るほど、謎も多くなったような…気もします。
 「山の牧場」がある場所は、元々、神社かお墓のような場所だった可能性が高い…ということも、かなり気になりますし、「やっぱり…!」という気もします。
 もしかしたら、本来、建物を建てるべきでない場所に建ててしまった牧場なのかな…とも思えます。
 ともあれ、憶測であり、誰も「ここは自分の土地だ」と名乗り出ない(出ることができない事情があるのでしょうか?)…のも、不思議に思えます。やっぱり、真相は闇の中…のように思われます。
 
 21世紀で様々なことが進化した時代ですが、この世の中、まだまだ不可思議で謎な場所、ものなどなど…たくさんあるのだな…と「新耳袋」を呼んだり見たりしながら、気付いたりもしました。
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