稲川淳二の怪談盗作問題は平成のうちに解決するのだろうか。
2018年11月6日 更新

稲川淳二の怪談盗作問題は平成のうちに解決するのだろうか。

怪談タレントとして著名な稲川淳二だが、あまり知られていないのが彼の怪談盗作問題。一方の当事者である木原浩勝が2018年夏、自身がパーソナリティーを務めるラジオ関西の番組「怪談ラヂオ~怖い水曜日」で語った内容が気になって調べたところ、あるモノを入手することとなった。

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稲川淳二による怪談の盗作問題

当事者や関係者、そして識者でなければ明確な線引きや幕引きは難しいと思われる「怪談」の盗作問題。

ミドルエッジ編集部(ミド編)は、かねてよりご好誼をいただいている元スタジオジブリの制作デスクで怪談作家の木原浩勝(以下、木原氏)が、この怪談盗作問題の当事者(被害者)という情報を入手し、そのことが事実存在するのか気になって調査した。

なお、本件について木原氏本人からの情報提供は受けておらず、今夏に流されたラジオ関西の番組「怪談ラヂオ~怖い水曜日」及び「別冊・怪談ラヂオ」での発言内容から、その裏付けとなるモノを探して回った次第である。

ラジオ関西に送られた一通の手紙?4か月にわたって流された盗作問題

下記は木原氏が4か月にわたって語ることとなった稲川淳二盗作問題を収録した「別冊・怪談ラヂオ」より、各回のサマリーを引用したものである。

一通の封書が届いた…、という実にドラマ仕掛けのような展開から始まる4か月。
その間、リスナーの数が通常時の何倍にもなっていた(木原氏談)というのだから、正直我々としてもこのテーマについて語ってもらいたいというのが本音だった。

ただ本件はあくまでもラジオ番組で取り上げたテーマであったため、我々も事の成り行きをただ聴く他に術はなく…。

しかしながら2018年5月31日~10月4日という実に4か月にも及んだこのテーマについて、我々も何かしら一石を投じてみたいと考えた。

下記、このテーマのきっかけとなったのは「合意書」であることが確認出来る。
第35回「初めてすべてを語る!稲川淳二盗作問題①」

木原が胸の内に収めていた怪談界の裏歴史が、遂に明らかにされる。
あの時、何があったのか?ネット等の噂や事実誤認に終止符を打つ!
番組に送られた一通の封書。
番組ディレクターも共に検証。
『新耳袋』の話が、稲川淳二に盗作された!
裁判寸前で、合意書を交わす。
合意が全て履行されなかった、木原のくやしい思い。


第36回「初めてすべてを語る!稲川淳二盗作問題②」

これは、盗んだ方と盗まれた方の話。
有名な「先輩のハト」…稲川氏が語るより、『新耳袋』出版の方が先。
稲川ファンだった当番組ディレクターが気付いた疑惑。
木原が抗議をするも、稲川氏側は「知りません」。
何故、「中山市朗の話ばかり」なのか?
ある有名人物のアドバイスと、“怪談の稲川”が誕生した理由


第37回「初めてすべてを語る!稲川淳二盗作問題③」

稲川怪談本の1作目。
「『新耳袋』の話を使うことに感謝するべき!」
中山市朗氏が見た、驚愕!稲川氏の本棚。
稲川怪談の代表作『生き人形』考。
稲川怪談『追ってくる上半身』の元ネタは、ラジオドラマ。


第38回「初めてすべてを語る!稲川淳二盗作問題④」

有名人だったら信用できるのか?
稲川怪談の内容の矛盾。
語り芸なのに、何故、早口で滑舌が悪いのか?
落語家の怪談でも、早口で滑舌が悪くなければならなくなる。
産地偽装と何が違う?
冒頭「一通の封書」という行がある。

結論から言うと、我々もおそらくこれと同じと思われる文面のコピーを入手した。
「合意書」と記されたその書面には当事者たちの捺印、契印が押されている。※後段にて記載

復刊された「新耳袋」が盗作扱い!?その「元ネタ」を辿ると…

盗作の事実、というよりも事が思わぬ形で露見することとなったのは、1990年に発売された後に1998年よりシリーズ復刊となった、木原氏と中山市朗氏の著作による「新耳袋」が稲川淳二の怪談を盗作したとする「事実」。

ところが…。
第39回「初めてすべてを語る!稲川淳二盗作問題⑤」

メディアファクトリーから『新耳袋』が復刊されたことで、『新耳袋』の方が盗作扱いされ、散々、叩かれる。
『新耳袋トークライブ』に、“稲川信者”と名乗る人達が度々現れ、盗作を謝れと詰め寄られる。
メディアファクトリーから、稲川事務所へクレームを入れると態度一変。しかし…。
稲川氏が『新耳袋』からの盗用話も含めてライブを書籍化。そこには、中山市朗氏のことがデタラメに書かれ…。
遂に中山氏も激怒。これが、この問題の本格的な着火点に。
ライブ本の版元も盗作に気付き、稲川氏に指摘したところ…。


第40回「初めてすべてを語る!稲川淳二盗作問題⑥」

出版社は、直接、稲川氏に確認を取ったという。
稲川氏によると、『新耳袋』の内容の元は稲川氏の話。中山市朗氏は元々稲川氏のアシスタントだと言うが…。
事実無根と中山氏は全否定。さらにライブでの中山氏に対する誹謗中傷に、中山氏は激怒。
木原、遂に稲川氏と初対面!盗作の指摘に稲川氏は激昂。
稲川氏は、「世に出たものは盗っていいんだよ!盗られたくなかったら作るな!」
そして、自身のファンを侮辱。
さらに稲川氏は、「話の辻褄が合わないから、早口になったんだよ!」、「何の為に、普段からペコペコしてると思う?」
稲川淳二を訴えてやる!
何故、稲川氏の著作に中山氏は出てくるが木原は出てこないか?


第41回「初めてすべてを語る!稲川淳二盗作問題⑦」

稲川氏「有名人・芸能人の言うことを、みんな信じるんだよ!」
そして「何言っても構わないけど、君らの言っていることは潰すからね。」
同じ時期に同じ内容が別々の出版社からコミック化。しかし、原作は片や『新耳袋』、片や稲川淳二と表記。
稲川氏に4次使用までされ…ここまできたら訴えるしかない!
稲川氏のマネージャーは、「社長、これは100%負けます…」
では、合意書を。その内容は…
合意書は、すべて履行されず。
テレビの一方的な報道。


第42回「初めてすべてを語る!稲川淳二盗作問題⑧」

そもそも、この問題の発端となった、リスナーから送られてきた合意書は本物か?
木原が所有する合意書の原本が、本物かどうかの根拠について。
合意書第3項と『ワイドスクランブル』の報道。
稲川氏の恫喝。
何故、今頃、この問題を取り上げるのか。
稲川氏の言い分ばかり世に出て、木原・中山側の言い分は世に出たことが無い。
復刊した「新耳袋」が稲川怪談の盗作とされた訳であるが、事の発端はそもそも1990年に発売された「新耳袋」を稲川淳二が盗作した、というところにありそうだ。

「新耳袋」シリーズからの盗作問題はそもそも合意の上で?

Youtubeで「ワイドスクランブル」と検索すると、下記の動画がヒットする。
投稿日時からすると、今夏の木原氏のラジオ番組を聴いた人間によるものかもしれない。
タイトルには「2002年8月26日の放送」とあるから、その通りだとするならば今から16年前のこと。

シリーズ復刊した「新耳袋」が1998年であることから、1998年~2002年の間「新耳袋」は盗作として叩かれていた可能性があるのだろう。

テレビ朝日「ワイドスクランブル(2002年8月26日放送)」

この動画を観ると分かるのだが盗作として叩かれていた「新耳袋」ではなく「盗作された」とされる稲川淳二による盗作疑念の釈明がメインとなっている。
「新耳袋」盗作疑惑に端を発した盗作騒動が、この時期既に稲川淳二盗作問題となっていたことの証左であろう。

動画内で度々用いられているコメントを抜粋してみると…
「このなかで気に入った話があったら使ってくださいね。」
「はい、有難う。」
「私は彼が使ってくださいねって言うから使ったんですよ。」
「ごめんねって言ったら許してくれたんですよ。」
「本の中で面白いものがあったら使ってくださいという申し出があった。」というふうに稲川さんは仰っているんですけど。
このように、当事者間の合意形成がなされていたとするコメントが続いている。
疑惑として取り上げられたテーマだったようだが、とくに問題としてクローズアップされた形跡は感じられない。

番組で紹介された元ネタとなった「新耳袋」と、盗作疑惑がかけられた稲川怪談がそれぞれ下記作品。
31 件

思い出を語ろう

     
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  • 2022/1/26 07:59

    そのワイドスクランブルの動画も無断転載というところが笑える

    にぃ~やん 2019/2/16 16:38

    彼らの盗作問題が第一段だとすると、現在は第二段になるだろうか。
    出版、テレビからネット、ライブに移った怪談界。
    そこにある新たな課題・・・「怪しい怪談師たち」でググってみてください。
    なぜかまた絡んでしまう稲川氏w

    妙典 2018/11/8 17:50

    youtubeにワイドスクランブルしかアップしていないアカウント、そのアップされたタイミング、この記事が書かれるタイミング。
    盗作して開き直り、あまつさえ契約を反故にするのは許しがたいが、この記事は中立ではなく、本件を炎上させたい側への援護射撃に見えてしまう。

    2018/11/8 10:29

    まあ、本当に盗作ならちゃんした証拠あるならば用意して、裁判でも起こしてちゃんと訴えるべきでは?本人だってと当時誰にも了承得ずにやるとは思わないけど、何処か先かどうかではなく、当時のその話の保持者などに証言を得たりして何らかの証拠を得た上で訴えるべきでは?浅知識の素人がただ口をだしても何の解決にもならないと思う。これがただ貶めたいだけのものだとすれば本当の問題はそこだと思う。

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