80年代一気に人気者になったバンド、Kajagoogoo(カジャグーグー)について
2016年10月19日 更新

80年代一気に人気者になったバンド、Kajagoogoo(カジャグーグー)について

1980年代前半、デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ等のイギリス出身のバンドが世界中の音楽シーンを席巻しました。そのブームに乗って登場したバンドの一つが今回取り上げるカジャグーグーです。この記事では彼らが主に活動していた1981年から85年の期間の出来事を中心にまとめてみました。

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カジャグーグーを振り返る

Rock And Pop Music (1751896)

向かって上段左から、
スチュワート・ニール(Stuart Neale):キーボード
ジェズ・ストロード(Jez Strode):ドラム
下段左から、
スティーブ・アスキュー(Steve Askew):ギター
リマール(Limahl):ボーカル
ニック・ベッグス(Nick Beggs):ベース
1979年、ロンドン近郊のレイトン・バザードで同じ学校の友人であったニコラス・ベッグス、スチュワート・ニール、マネージャー役のポール・ライアンと、別の学校の友人であったスティーヴ・アスキュー、ジェレミー・ストロード(Jeremy Strode)は当初はそれぞれ別々のバンドで活動をしていたが、ジェズがアルバイトしていた「エンジェルカーズ」という倉庫でジャムセッションを行う事になって、5人は意気投合、アール・ヌーヴォーを結成し本格的なバンド活動を開始した。彼らは、ジンピードレイクレコードから100枚だけプレスしたシングル"Fear Machine"を発表し、パブやクラブを中心にライブ活動をしていたが、アール・ヌーヴォーとして中々芽が出なかった彼らは新たにボーカリストを探し始めていた。
1980年、俳優と歌手を目指していたクリストファー・ハミル(Christopher Hamill、後のリマール)は2枚のシングル"It's Christmas"と"Angel"を発表し、メジャーデビューを目指していた。 その後もソロ名義で"Who Shall I Be Today"や、Krisという名前でデュエットした"Strange Kinda Love"などを歌ったがヒットに結びつかず、新たにバンドのボーカリストとして道を模索し始め、雑誌「Melody Maker」にバンド募集の広告を掲載した。広告を掲載した後、100組近いバンドと会ったがどれもパッとせず、一時渡米し、戻った時にボーカリストを探していたニックから連絡をもらい、ニックが送った"Fear Machine"を聴いて一気に気に入り、バンド加入を決めた(特にB面の"Animal Instincts"が気に入って、後にリマールのヴォーカルで録音し直し、"Ooh To Be Ah"のカップリングとして収録された)。
加入と同時にハミル(Hamill)は名前の綴りの配列を変えてリマール(Limahl)と名乗り、バンド名もその頃のThe Handstandsからカジャグーグー(Kajagoogoo)に変更した。このバンド名は赤ん坊の泣き声である「おぎゃあおぎゃあ」という意味のある「GagaGooGoo」をちょっともじった程度に変更したものである。

ブリテッシュインヴェイジョン(イギリスの侵略)

1980年代前半、ニューロマンティックと呼ばれたイギリス出身のバンド達はイギリス国内で成功を収めると、今度は最大の音楽市場を持つアメリカを次のターゲットに選びました。
アメリカではちょうどこの頃音楽専門チャンネルMTVが開局したばかりで、ここで放送されるプロモーションビデオがバンドやアーティスト達の新たな宣伝手段として非常に注目を集めるようになりました。
デュラン・デュランが売れっ子Pと共演 «  TimeWarp – 海外エンタメ専門サイト - (1766519)

1980年代イギリスのニューロマンティックを代表する
バンド、デュラン・デュラン。
カジャグーグーとデュラン・デュランはバンドの人数が
同じ5人編成だった事もあり当時はよく比較されました。
80年代に大人気だったカルチャークラブ!紆余曲折ありながらもオリジナルメンバーで来日決定! | RENOTE [リノート] (1766527)

ボーイ・ジョージの完璧な女装で注目を集めた
カルチャー・クラブ。
カジャグーグーも彼らと同じ時代に活躍しました。

●MTVによって彼らの魅力は広まった

ニューロマンティックと呼ばれたイギリス出身のバンド達は、当時最先端のファッションに身を包み奇抜な髪型に派手なメイクをして、主にシンセサイザーを多用した前衛的ながらも親しみやすさを兼ね備えた上質なポピュラーミュージックを自分達の音楽性としてセールスポイントにしていました。その彼らの見た目の華やかさと前衛的かつ親しみやすい音楽はプロモーションビデオには打ってつけでした。
彼らは自分達の特長を活かして趣向を凝らしたプロモーションビデオを制作してMTVを利用した宣伝活動を行いました。彼らの見た目と音楽はプロモーションビデオとの相性が抜群でその威力を存分に発揮しました。
プロモーションビデオで生き生きとパフォーマンスする彼らの姿は、従来の音楽やファッションに飽きていた流行に敏感なティーンエイジャー達を魅了し、彼らの魅力が凝縮されたプロモーションビデオはMTVを通して世界中に広まりました。

Kajagoogoo - Oh To Be Ah - Promo Video

カジャグーグーの音楽性について

カジャグーグーについて語るとき、“Too Shy”だけが大ヒットした一発屋のバンドというイメージだったり、リマールやニック・ベッグスの個性的な髪型について注目されてしまいますが彼らの音楽性についてはあまり語られません。
彼らの音楽の魅力は黒人音楽とりわけファンクの影響を強く受けた、白人によるファンクミュージックを追求した音楽です。その音楽性の片鱗は特に2ndアルバムで窺い知る事ができます。
 (1766865)

デビュー当時の彼らのアーティスト写真の一つ。リマール脱退後ニック・ベッグスはトレードマークだった
後ろ髪の玉暖簾?をやめて、アイドルっぽいポップス路線から本格的なアーティスト路線へ変更して自分達が本当にやりたい音楽を追求し始めます。

White Feathers

カジャグーグーは1982年1stアルバム“White Feathers”をリリース。プロデューサーにデュラン・デュランのニック・ローズが加わったこの作品でメジャーデビューを果たしました。アルバムをリリースする前に先行してリリースされたシングル“Too Shy(邦題:君はToo Shy)”は、イギリス国内のヒットチャートでいきなり1位を獲得する快挙を達成して彼らのメジャーデビューに花を添えました。この曲はアメリカではヒットチャートの5位にランクインして、カジャグーグーがアメリカで人気を獲得するきっかけになった曲でした。そして今日においても彼らを最も代表する曲でもあります。
リマールの甘い歌声にニック・ベッグスのグルーブ感溢れるベースとシンセサイザーのカラフルな音色、プロデューサーにニック・ローズがいたのでデュラン・デュランと重なる要素がありますが、このアルバムは1980年代イギリスのニューロマンティックを象徴する作品の一つです。

Amazon.co.jp: カジャグーグー : 君はTOO SHY (期間限定盤) - ミュージック

1,060~
収録曲
1, White Feathers
2, Too Shy
3, Lies And Promises
4, Magician Man
5, Kajagoogoo
6, Ooh To Be Ah
7, Ergonomics
8, Hang On Now
9, This Car Is First
10, Frayo
価格は10月15日時点のものです。中古品等は価格が変動する恐れがあります。ご購入の際は最新の情報を確認して下さい。

Too Shy - Kajagoogoo (official music video)

Kajagoogoo - Hang on now 1983

Kajagoogoo - Live - Interview Rooms

日本未発売のシングルには収録されましたが、アルバムには収録されなかった隠れた名曲。
何故アルバムに収録されなかったのか疑問に思えるカッコイイ曲です。

Islands

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