2017年8月12日 更新

ゾンビ映画の父、ジョージ・A・ロメロ監督追悼記念。「死霊のえじき」が日本でコミカライズされていた!

惜しくも先ごろ亡くなられた、ゾンビ映画の父と賞賛される映画監督、ジョージ・A・ロメロ!今回はロメロ監督追悼の意味を込めて、「死霊のえじき」コミカライズ版を紹介します!

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惜しくも先ごろ亡くなられた、ゾンビ映画の父と賞賛される映画監督、ジョージ・A・ロメロ!もちろん、ゾンビ映画以外にも様々な作品を残しているのだが、ファンにとってはやはりゾンビ三部作が思い出深いのではないだろうか?
それにしても、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」、「ゾンビ」に続き、三部作のラストを飾るこの「死霊のえじき」が、まさか公開当時日本でコミック化されていたとは!今回はロメロ監督追悼の意味を込めて、「死霊のえじき」コミカライズ版を紹介することにしよう。

貴重な日本劇場版予告編

「死霊のえじき」ストーリー

死者と生者の数が逆転し、地上にゾンビが蔓延する世界となったアメリカ。フロリダ州郊外の地下基地では女科学者のサラを初め、少数の人間達が立て篭もり、ゾンビの研究と生存者の捜索を行っていた。科学者達は状況を打開すべく、ゾンビの研究に打ち込むが成果をあげることができず、軍人グループの指揮官・ローズ大尉はいらだっていた。圧倒的多数のゾンビに支配された世界で、数少ない人類は生き延びることができるのか・・・?

ゾンビ映画の名作「死霊のえじき」とは?

「ナイト・オブ~」ではゾンビという新興勢力の出現を、続く「ゾンビ」では生きる死者と人間との戦いと、物質文明と物欲に捉われた現代社会を描いて来たロメロ監督。
ジョージ・A・ロメロ監督晩年の写真

ジョージ・A・ロメロ監督晩年の写真

「死霊のえじき」劇場版ポスター

「死霊のえじき」劇場版ポスター

「ゾンビ三部作」のラストを飾るこの「死霊のえじき」では、遂に人間側が少数派(セリフによれば、ゾンビと人間との比率は、もはや40万対1!)となっていて、対抗策としてゾンビを研究し飼い慣らそうとする科学者が登場する。
実は三部作それぞれが、60年代・70年代・80年代のアメリカの現実の問題を描いており、これ以降に製作された作品群においても、常にその時代の社会問題や政治を織り込んで描こうとして来たロメロ監督。この点が、年月を経れば経る程、逆にその評価を増す要因となっているのだ。
「死霊のえじき」撮影中のロメロ監督とゾンビ!

「死霊のえじき」撮影中のロメロ監督とゾンビ!

注:「死霊のえじき」について、更に詳しく知りたい方は、↑上のリンクからどうぞ。

単なる「ゾンビが人を喰うのが見所の映画」では終わらない、この「死霊のえじき」。
果たして、公開当時のコミカライズ版では、どんな内容になっていたのだろうか?

「死霊のえじき」コミカライズ版の概略

本作が掲載されたのは、月刊ハロウィン1986年5月号。作者は阿部ゆたか先生。
月刊ハロウィン1986年5月号の表紙

月刊ハロウィン1986年5月号の表紙

「死霊のえじき」なのに、何故か「デモンズ」の写真が!

「死霊のえじき」なのに、何故か「デモンズ」の写真が!

「死霊のえじき」が収録されているコミックスの表紙

「死霊のえじき」が収録されているコミックスの表紙

ちなみに「死霊のえじき」のコミカライズ版は、阿部ゆたか先生の単行本「トライアングル・ハイスクール」の第1巻に収録されている。
嬉しいことに、第2巻にはあの名作「ゾンバイオ・死霊のしたたり」のコミカライズ版も収録されているので、ホラー映画マニアの方は要チェックだ。
幸い2冊とも電子書籍化されているので、気になった方は是非ご購読を!

実はこのコミカライズ版以外にも、「死霊のえじき」はノベライズ版が当時発売されている。
講談社のX文庫から出版されていた、ノベライズ版の表紙。

講談社のX文庫から出版されていた、ノベライズ版の表紙。

講談社のX文庫から出ていたこのノベライズ版、運が良ければ古書店の100円コーナーで発見出来るかも?

「死霊のえじき」コミカライズ版内容紹介

本編の扉絵。

本編の扉絵。

いきなりゾンビ登場!

いきなりゾンビ登場!

研究材料としてゾンビを捕獲する描写は、映画通りに描かれ...

研究材料としてゾンビを捕獲する描写は、映画通りに描かれている。

本作の名キャラクター、バブもちゃんと登場!

本作の名キャラクター、バブもちゃんと登場!

「死霊のえじき」に登場して観客に強烈な印象を残す、人気キャラクターのバブ。
ご覧の様に、冒頭部分は2色カラーで掲載されていた。
ヒゲ剃りのマネをするバブ。

ヒゲ剃りのマネをするバブ。

博士のセリフによれば、バブは元軍人だったらしい。
人間の時の記憶によって行動するゾンビの基本設定は、本作でも守られている。
独裁者と化すローズ大尉!

独裁者と化すローズ大尉!

指揮官だったクーパー少佐がゾンビの犠牲となってしまった基地内。
権力を得たローズ大尉が次第に暴走を始めるのだが・・・。
阿部ゆたか先生独自の解釈が光る!

阿部ゆたか先生独自の解釈が光る!

後年の「ランド・オブ・ザ・デッド」に繋がるのが、この愛すべきキャラクターのバブ。
阿部先生のコミカライズ版では、映画よりも更に踏み込んでゾンビと人間の交流が描かれている。
映画には無いこの描写!

映画には無いこの描写!

本来映画には登場しない、サラとバブとの心の交流が描かれる。
残虐描写が見せ場となるゾンビ物にあって、こうしたシーンはやはり阿部ゆたか先生の画風がプラスに働いて実に効果的だ。
閉鎖環境での人間同士の対立も描かれる本作。

閉鎖環境での人間同士の対立も描かれる本作。

ヘリで逃げるのは、前作「ゾンビ」のラストシーンを思い出させる。
死んだクーパー大佐の死体を与えていたことがバレた!

死んだクーパー大佐の死体を与えていたことがバレた!

博士の仇を討とうとするバブ!

博士の仇を討とうとするバブ!

エレベーターから押し寄せるゾンビの大群!

エレベーターから押し寄せるゾンビの大群!

映画最大の見せ場もちゃんと登場!

映画最大の見せ場もちゃんと登場!

バブとの悲しい別れ

バブとの悲しい別れ

映画には登場しないこの別れ。阿部先生ならではのアレンジだが、映画本編とのこうした違いこそ、コミカライズ版の魅力なのだ。
迫力満点の逃走シーン!

迫力満点の逃走シーン!

ジープで決死の脱出!果たして彼らは、ヘリまで辿り着けるのか?

ジープで決死の脱出!果たして彼らは、ヘリまで辿り着けるのか?

え、コミックではここで終了?

え、コミックではここで終了?

映画版にあったラストの余韻と続編への引きは、コミカライズ版には無い。
人間関係の描写にページを割いているため、40ページでは収まり切らなかったのか?
ラストはご覧の様に、車でゾンビの群れを突破する所で終了。映画の様なサプライズと、謎を残すラストにはなっていないのが、ちょっと物足りないとも言える。
ちなみに作者である阿部ゆたか先生は、翌年再びこのハロウィン誌に、「ゾンバイオ・死霊のしたたり」のコミカライズ版を、前編後編の2回に渡って掲載することになる。実はこちらの作品も、「トライアングル・ハイスクール」の第2巻に収録されているので、気になった方は是非お読みになってみては?
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