懐かしいあの映画・ドラマの 降板・代役 騒動
2021年6月5日 更新

懐かしいあの映画・ドラマの 降板・代役 騒動

芸能界で過去に話題になった映画やドラマの降板劇、その経緯と俳優たちが降板した理由は何だったのか。そして急遽代役に決まった俳優と映画の評判。時間を経て明らかになったことを紹介したい。

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百恵&友和が初共演したドラマ『赤い疑惑』突如降板した女優

『赤い疑惑』は、1975年10月3日から1976年4月16日までTBS系列で放送された赤いシリーズ第2弾で山口百恵と三浦友和が初共演したテレビドラマである。山口百恵が演じるヒロイン大島幸子の父親役は宇津井健、母親役は八千草薫が演じていた。

ところが6話を終えたところで八千草薫が突如降板し渡辺美佐子と交代した。当時この降板劇について大きく取り上げられることはなかった。1980年に山口百恵は結婚、芸能界を引退した。そして約半世紀近くが過ぎた。
『赤い疑惑』山口百恵と三浦友和

『赤い疑惑』山口百恵と三浦友和

「赤い疑惑」オリジナル・サウンドトラック
Momoe Yamaguchi 形式: CD
2019年10月24日に大女優・八千草薫は逝去。八千草の所属事務所の社長が、ドラマ『赤い疑惑』降板の真相を告白した。八千草は、当時歌手として活躍していた山口百恵の多忙な撮影スケジュールから百恵を守ろうとした結果制作側と意見が合わず降板したと説明した。

女優か歌手の選択を迫られ降板した女優

1980年にアメリカNBCで制作NBCネットワーク放送されたテレビドラマ『将軍 SHOGUN』キャストは日本からは三船敏郎、ジュディ・オングなどの俳優の出演が決まっていた。まり子役には流暢な英語を話し時代劇の立ち回りができるジュディ・オングが抜擢された。

当時のジュディ・オングは、母国の台湾(現在は帰化し日本国籍)と日本で地道に活動していた。1979年2月25日にシングル「エーゲ海のテーマ〜魅せられて」が発売され同年この曲が使われた女性下着メーカーワコールのCMが大ブレイクした。映像CMには同年の日伊合作の映画『エーゲ海に捧ぐ』のシーンがつかわれたことでCMソング「エーゲ海のテーマ~魅せられて」は200万枚の大ヒットとなった。歌番組では華麗な衣装で歌うジュディの姿が連日放映された。

歌手活動が忙しくなったジュディは、女優か歌手の選択の迫られていた。このまま歌手を続ければ、『将軍 SHOGUN』撮影は不可能だった。そしてジュディは歌手活動を選び『将軍』を辞退した。
『将軍 SHOGUN』まり子役の島田陽子

『将軍 SHOGUN』まり子役の島田陽子

直輸入、大きな写真TV「将軍 SHOGUN」島田陽子
代役は島田陽子が務めた。島田は『将軍 SHOGUN』でゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞「国際女優」とも呼ばれた。

一方のジュディ・オングは1979年大みそかに「日本レコード大賞」獲得。第30回NHK紅白歌合戦に初出場を果たした。

『将軍 SHOGUN』は、劇場映画として編集されヨーロッパや日本で上映された。日本では1981年3月30日から4月6日、テレビシリーズ版がテレビ朝日系列で放送された。

【追悼りえママ伝説】宮沢りえの降板劇

1995年10月10日に宮尾登美子による長編小説を映画化した『蔵』が公開された。
映画『蔵』は大正から昭和に変わる時代に盲目の美少女が酒造りの蔵元の跡をつぐ、過酷な女性の生涯を描いた作品で音楽・主題歌はさだまさしが担当した。

配役はベテラン俳優の朝丘雪路、加藤治子、松方弘樹を集め中堅の川島なお美、石立鉄男、船越栄一郎、黒木瞳が脇を固めるという豪華な顔ぶれであった。

ヒロインの烈役は宮沢りえに決定していた。しかしクランク前に急遽降板した。
映画『蔵』 一色紗英、浅野ゆう子

映画『蔵』 一色紗英、浅野ゆう子

藏 [DVD]
浅野ゆう子 (出演), 一色紗英 (出演) 形式: DVD
宮沢りえの代役は新人の一色紗英に決定した。
降板撃の経緯は、タイトルロールの名前の順序だった。当時トレンディ俳優としてブレイクしていた浅野ゆう子(義理の母役)のクレジットが一番目であることにマネージャーを務めていた母親(通称・りえママ)が納得しなかった。そして宮沢が降板した。

宮沢は1992年11月に貴花田(現在の貴乃花親方)と婚約解消、一時はアメリカに移住して活動を休止していた。映画『蔵』の出演は芸能界復帰のきっかけとなるはずだった。ヒロイン役に再起をかける宮沢サイドはトップクレジットという序列にこだわったのだろう。

降板騒ぎで「犬にかまれたみたみいな気持ち」

1994年10月からNHKの朝ドラ『春よ、来い』はスタートした。ところが1995年2月にヒロイン高倉春希役を演じていた安田成美が突然降板した。代役は『連想ゲーム』で9年間紅組キャプテンを務めた中田喜子。中田は『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』に長年出演している橋田ファミリーだが年齢は安田より13歳年上だった。ドラマは安田が1部、中田が2部を演じる二部構成になった。
ドラマ『春よ、来い』安田成美

ドラマ『春よ、来い』安田成美

春よ、来い〈2〉戦後篇 (日本語) 単行本 – 1995/2/1
橋田 寿賀子 (著)
途中降板した理由は、橋田壽賀子と安田成美の歴史観の相違と報道されたが、体調不良による理由の降板となった。

じつは安田は橋田の強い希望でヒロインに起用されていた。降板劇の後に橋田が『突然、犬にかまれたみたみいな気持ち』とコメントしたことが話題になった。

ドラマ『春よ、来い』は視聴率が25%前後と低迷したまま終了。
安田は同年にとんねるずの木梨憲武と結婚した。

曰く付き映画『透光の樹』萩原健一の降板は秋吉久美子のせい?

2004年10月30日公開の日本映画『透光の樹』(とうこうのき)は、高樹のぶ子の原作『透光の樹』を根岸吉太郎監督の映画化した作品である。
ストーリーは、25年振りの再会した中年男女の恋、情愛を再燃させた性と生を描いたドラマだ。

撮影当初は、主役の今井郷役は萩原健一(ショーケン)だったが、途中降板となった。
理由は相手役の秋吉久美子と反りが合わず彼女が萩原を拒否、監督もスタッフも秋吉を説得できなかったことと発表された。それならなぜ秋吉は降板せずに萩原が一方的に降板させられたのか。
映画『透光の樹』秋吉久美子

映画『透光の樹』秋吉久美子

透光の樹 [DVD]
秋吉久美子 (出演), 永島敏行 (出演), 根岸吉太郎 (監督) 形式: DVD

萩原健一の代役は永島敏行がつとめた。にっかつロマンポルノ出身の根岸吉太郎と日活の女優だった秋吉久美子。永島と秋吉のセックスシーンはとにかくエロい!しかし、ショーケンのエロさとは違う。

『透光の樹』制作側と俳優がイザコザを起こして降板劇が話題になった曰く付きの映画となった。そして、降板劇の重要人物の二人にも生と性のドラマが待ち受けていた。

萩原健一は出演料をめぐる恐喝事件をおこし2005年に有罪判決を受けた。
秋吉久美子は映画が公開された年の12月に26歳年下の日系アメリカ人グレンと結婚した。そして10年後の2014年にグレン氏が覚せい剤取締法違反で逮捕され離婚を発表した。

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