SFC屈指の名作、『天地創造』は創世記をモチーフとした壮大なアクションロールプレイングゲーム!
2017年1月24日 更新

SFC屈指の名作、『天地創造』は創世記をモチーフとした壮大なアクションロールプレイングゲーム!

『天地創造』は1995年1月26日にクインテッド開発、エニックス(現・スクウェア・エニックス)によって発売されたSFC用ソフトである。クインテッド開発による別タイトル、「ソウルブレイダー」、「ガイア幻想紀」が同様のアクションロールプレイングで有る事から、ファンの間で呼ばれる「ソウル三部作」の三作目に本作は当たる。クインテッドの独特な作風である、「創造と破壊」がとても良く表れた作品である。キャラクターデザインは「ロトの紋章」で有名な藤原カムイ氏が担当している。

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復興後、美しい大地を取り戻す!

復興後、美しい大地を取り戻す!

復興すればそこは植物に覆われ、鳥が飛び交い、動物達が憩い、人類が誕生する。
via binto
第3章 天才の復活
復活した人類文明の成長を促すために、世界中で各分野の天才を手助けしたり技術交流を行って文明を発展させる。ゲーム中で最も長い章で物語の中核とも言える。ゲーム的にも深いトリックや比較的難易度の高いボス戦闘などが存在するため謎解き・アクション要素も大きくなっている。この章で人類文明を発展させる事で世界中を自在に巡れるようになり、またゲーム進行との関連は薄いが町の発展度が表示されるなどやりこみ要素も深くなっている。なお、動植物との会話こそ出来ないが第2章で利用した渡り鳥による移動は可能である。
グランドモスクの天才科学者、ベルーガ

グランドモスクの天才科学者、ベルーガ

航海術の天才コロンブス、航空技術の天才ウィルなど、第三章の標題の通りアークは様々な天才と関わり世界を発展させていく。しかし、新バイオ学説の発表により世界平和賞を受賞した天才、ベルーガをコールドスリープから解き放った時、恐ろしい事実が判明する。
アーク死す・・・・!

アーク死す・・・・!

ベルーガはアークが地表を復興する前の世界で、ダークガイアの命令で死亡率9割の空気感染型ウィルス「アスモデウス」を蔓延させ、地表を滅ぼしていた。そして現代では、人間を不老不死にする研究でゾンビを生み出し、増えすぎた人類は再び細菌兵器で人口調整するという考えをアークに告げる。それを阻止しようとしたアークは研究所のロボットに殺されてしまうのだった。その際、クリスタルホルムの長老の声が届く・・・・。
「ベルーガはすばらしい世界を築き上げてくれるだろう。」「お前の役目はもう終わった。ゆっくりと眠りにつくがいい・・・。」
地表と地裏のアークが出会う!

地表と地裏のアークが出会う!

クマリの力によって一命を取り留めたアーク。しかし、ベルーガの細菌兵器によってネオトキオはわずかの間に滅んでしまう。
人の世の調和と生命のバランスが崩れた事により、選ばれた者のみが不死を得て停滞した“13時”という時間を世界が刻み始める。それはありえない、あってはならない時間である。世界に調和を再びもたらすため、地表のアークであるライトサイドの使者の魂の力を借りて、地裏のアークであるダークサイドの使者は、運命の輪の外の存在である「光と闇の使者」に生まれ変わる。
第4章 えいゆうの復活
英雄が復活して、12時間表示の時計における“13時”とも言うべき本来存在しえない状態の世界を創り出そうとする、ベルーガと闇の意思に挑む。ボス戦闘がラスボスのみでありシナリオダンジョンも1箇所だが、物語としてもゲーム的にもまさにクライマックスを占めると言える。章としてはそこまで長くないが、第3章同様世界中を巡ることは可能。
アークの悲しき叫び・・・

アークの悲しき叫び・・・

4章に入り衝撃的な展開が続く。クリスタルホルムの長老の命令で、地裏の幼馴染エル、共に旅を続けて来たヨミがアークを始末しようと襲いかかる。
しかし、エルはアークを殺す事ができず、アークを庇って襲いくるヨミと共に消え去ってしまう。そして長老の正体こそ、ダークガイアであった事が明らかとなる。
世界一の天才の最後・・・!

世界一の天才の最後・・・!

アーク達に追い詰められたベルーガの最後は、自身の作成した機械の飛行船のプロペラに巻き込まれて死ぬという皮肉な物だった。主人のダークガイアへ救いを求める声は届かなかった。
そして最後の戦いへ!

そして最後の戦いへ!

長老であるダークガイアの元へと向かうアークは、地裏の故郷、クリスタルホルムへとたどり着いた。地裏のクリスタルホルムの住人はアークも含め、シャボン玉のように町に浮かぶクリスタルブルーからダークガイアの手によって作られた地表のコピーである事が明かされる。破壊も創造も無い一つの意思によって統一された世界を新たに生み出そうとするダークガイアに対して、現在の地表の世界の調和のためにアークは最後の決戦に挑む!

戦いの終わり、そして長い旅路の果て・・・

ついにダークガイアを倒したアークは、誰もいない故郷のクリスタルホルムに戻る。
そこで、ダークガイアの目論みによって自身は地表の世界を復興した事に対して、罪悪感を持っていた。ダークガイアによって作られた故郷の人々も、エルも居なくなってしまい、何のために戦ったのかと・・・。

そんなアークを地表のヨミは、「天地創造」という神に等しい使命を全うした、悪い事の裏側に同じ数だけ良い所があるとなぐさめる。しかし、ヨミも深い眠りについてしまい、アークは一人残される。

そこに、地表の心であるライトガイアの声がアークに届く。
ダークガイアが封じられた今、クリスタルホルムを含む地裏全体が消滅するという事、
そしてライトガイア、ダークガイア両方の血が流れている現在のアークもまた、消えてしまうという事。
ライトガイアは最後に一日だけ、平和な頃のクリスタルホルムを楽しんで欲しいと言い、アークは懐かしいみんなが居た頃のクリスタルホルムで目を覚ます。そこには、かつての日常と同じようにエルの姿が有ったのだ・・・・。

穏やかな一日を終え、自室で眠りにつくと、エルの声が聞こえてくる。自身の創造主であるダークガイアの命令に逆らえず、一度アークを始末しようとした事を謝り、いつかきっとまた出会えると別れを告げる。

アークは深い眠りに落ちて行った。そして、最後の夢を見た。
それは、鳥になって自身が復興した地表の世界を眺める夢だった・・・・・。

鳥になったアークは有る場所に降り立つ、一方、エルは鳥の鳴き声と、扉を叩く音を聞き、家の扉を開けるのであった・・・・。
懐かしきクリスタルホルムの姿・・・

懐かしきクリスタルホルムの姿・・・

アークが消えてしまう最後の一日は、かつて望んだ平穏なクリスタルホルムの日常と幼馴染のエルの姿を見る事ができたのだった。
鳥になって復興した世界を見渡す・・・・

鳥になって復興した世界を見渡す・・・・

一回り成長した世界を眺める夢を見るアーク、豊かな自然に、発展した文明の証の列車や飛行機、夜の街並みのネオンの光、と非常に感慨深いシーン。

ぜひプレイして欲しい作品!

とにかく、本当に良いゲームなのでぜひ一度プレイして欲しい作品である。
SFC後期の作品のなかでも特に美麗なグラフィックで、地表の大地が復興する演出は非常に神秘的で一見の価値有り。また、実際にプレイしていると主人公アークに対する思い入れも一塩である。天地創造という大任を果たすアークは、きっと最後にハッピーエンドを迎えると思っていた。けれどエルも消え、アーク自身も消えてしまうという結末は本当に悲しく、最後の鳥になって長い距離を飛び、エルの元に辿り着いたであろう最後のシーンを見た時、もう普通に泣いてしまっていた。そこまで純粋にエルの事を思っていたんだなと・・・・・。当時子供だった筆者はライトサイドやダークサイド等の話は余り理解していなかったように思えたが、アークのただひたすらにエルや身近な大切な人々を思う気持ちに心打たれ、涙した記憶が蘇って来る、そんなタイトルです・・・・。

天地創造の評判!

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