Thriller In Manila
相手は、ジョー・フレージャーだった。
2人は、これまで1勝1敗。
モハメド・アリは、軽いフットワークから、急に脚を止めて腰を落としパンチを浴びせる。
「人間機関車」ジョー・フレージャーは、アリのパンチをかわし突進あるのみ。
2人は壮絶な打ち合い、何度も形勢が逆転するシーソーゲーム、かつ消耗戦となった。
12R、モハメド・アリの渾身の右フックで、ジョー・フレージャーのマウスピースが観客席の10列目まで吹っ飛んだ。
それでも粘り強く戦うジョー・フレージャーの顔は凸凹だった。
そして15R開始時、彼のセコンドが試合を止めた。
イノキアリ
3度、世界ヘビー級チャンピオンとなる
Muhammad Ali - Leon Spinks. 1978 02 15. I
36歳のチャンピオンより12歳若い挑戦者は、プロ8戦目。
しかし15Rを通じて、モハメド・アリを圧倒し、判定勝ちの大番狂わせを演じた。
Muhammad Ali - Leon Spinks. 1978 09 15. II
前回の敗戦から半年後のことだった。
力でねじ伏せるボクシングではないが、老獪で洗練されたボクシングでレオン・スピンクスにレッスンをつけるように戦った。
そして15R、判定勝ちした。
25年間、ボクシングをやって、3度目の世界王座獲得という偉業をやってのけたモハメド・アリは、引退を表明した。
引退
Muhammad Ali - Larry Holmes. 1980 10 02
対戦相手は、世界ヘビー級チャンピオン:ラリー・ホームズ。
かつてはモハメド・アリのスパーリングパートナーだった。
しかしモハメド・アリは、いいところをみせることはできず10RTKO負け。
Muhammad Ali vs Trevor Berbick #Legendary Night# HD
5R、トレバー・バービッグをグラつかせたが、試合は判定負けした。
これがモハメド・アリの最後のリングとなった。
プロボクシング戦績は、61戦56勝(37KO)5敗。
通算3度、世界ヘビー級チャンピオンとなり、19度の防衛に輝いた。