2016年10月30日 更新

幅広い世代で日常的に使用される言葉「ヤバい」の、なかなかヤバい語源をご紹介。

幅広い世代に使われている言葉「ヤバい」。ちょっと具合がわるい状況の時などに使われていた言葉から、転じて若者が「いい」「美味しい」などをとりあえず「ヤバーい!」、という使われ方もあるようですが、そんな言葉が生まれた由来についてご説明します。

1,929 view

幅広い世代に、幅広い使われ方をされる「ヤバい」

「ヤバい」という言葉があります。
幅広い世代に使われている言葉の1つだと思います。ちょっと具合がわるい状況の時などに使われる言葉ですが、とりあえず「ヤバーい!」と言っておけばいい、という使われ方もあるような気がするこの頃…。

「ヤバい」のシチュエーション例

「ヤバい」①

「ヤバい」①

私たちは若いころに「ちょ、あれヤベ~って!」のような使い方をしましたね。
「ヤバい」②

「ヤバい」②

若い女性が美味しいモノを食べて「これヤバー!」なんて口にするのを、耳にする方も多いことでしょう。
しかし、この言葉。結構きちんとした日本史に由来する言葉なのです。
今回はそのお話を書かせていただきます♪

所説あるなかでも有力とされる「矢場(やば)」語源説

「やばい」という言葉はおそらく江戸時代に成立したようですが、語源は諸説あります。
例えば「厄場(やくば、やば)」。これは牢屋の隠語ともいわれている単語です。しかし、これより有力視されているのが「矢場(やば)」語源説です。

「矢場」とは?

大雑把にいうと、お祭りなどで今もやることがある「射的」の弓バージョンです。
と言っても屋台のような屋外ではなく、屋内。それなりに広い部屋の向こうにある的を弓で射ると、当たった場所に相応した景品が手に入るという遊びです。

矢場女や矢取女という接客婦が働く場所に

なお、辞書サイト『コトバンク』には「元来は矢を射る所の意。元禄期に社寺の境内,盛り場などに出現し,10矢で4文などの料金を取り,的や糸でつった景品を射させた。楊弓場(ようきゅうば)とも。のち矢場女とか矢取女という接客婦がおかれて売春も行われ,次第に私娼窟(ししょうくつ)化した。」と説明が書かれております。
鈴木春信の浮世絵「矢場の女たち」 The Archer...

鈴木春信の浮世絵「矢場の女たち」 The Archery GalleryMuseumより

現代でいえば、ビリヤード場で女性スタッフが接客してくれるようなイメージでしょうか。
少し付け加えますと、矢場は江戸での言い方。西では楊弓場と言いまして、江戸時代以前は主に貴族たちの遊びでしたが、江戸時代に入ると民間にも広がり、民間の娯楽になりました。

ちょっと危険な遊び場=「矢場い」へ

そして、寛政(かんせい1789~1801)期になると、寺社の境内などに矢場が設けられるようになりました。そこで矢を拾ったり、手取り足取り射的の世話をしてくれる女性を「矢場女(やばおんな)」と言いまして、彼女たちが人気になりました。

景品より、美人な彼女たち目当てのお客が増えてきた結果、コトバンクに書かれているような売春も行われるようになったそうです。そうなると、当然、治安はよくない。ちょっと危険な遊び場となります。その危険具合が「矢場い」という訳です。

お祭の出店で射的を見かけましたら、「矢場」に思いをはせたいただけたら

この矢場は、明治時代になっても浅草で人気がありましたが、ゆるゆると衰退し、関東大震災の影響も受け、昭和に入る頃には姿を消しました。その結果、「ヤバい」という言葉の由来が分からなくなってしまったのです。

お祭の出店で射的を見かけましたら、昔「矢場」という遊技場があったことに思いをはせていただけたら嬉しいな♪と思います。
18 件

思い出を語ろう

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

悔しい時に踏む「地団太」、相撲取りが踏む「四股」。一体何を踏んでいるのでしょうか?

悔しい時に踏む「地団太」、相撲取りが踏む「四股」。一体何を踏んでいるのでしょうか?

実際にしたことあるかな?というのはさておき、悔しい時に踏むとされる地団太。そして相撲取りが踏む四股。このような「地面を踏む」しぐさには、信仰的な意味合いがある時もあります。今日はそのお話を書かせていただきます。
山崎敬子 | 1,737 view
「あんぱん」の木村屋が生んだ広告手法と芸能について。

「あんぱん」の木村屋が生んだ広告手法と芸能について。

桜がだんだん咲き始めましたね。空気も暖かくなってきた気がします。ああ、ようやく春…。桜といえば、木村屋(銀座木村屋總本店)の「桜あんぱん」を思い出した自分。木村屋のパンが、ある芸能の成長と関わりがある事をご存じでしょうか?
山崎敬子 | 253 view
「4月4日」は五節句に由来した新たな記念日です、さて何の日か分かりますか?

「4月4日」は五節句に由来した新たな記念日です、さて何の日か分かりますか?

ふと気がつけば、3月3日の桃の節句(雛祭り)が終わり、デパートからあっという間に雛人形が消えて、5月5日の端午の節句用の五月人形やら兜の飾り物がデデンと飾られています。年に5回の節句、それに由来した新たな記念日が4月4日に設けられました。
山崎敬子 | 1,059 view
花見シーズンもそろそろ!「桜×宴」スタイルが定着していった過程について。

花見シーズンもそろそろ!「桜×宴」スタイルが定着していった過程について。

春到来―。そろそろそんな時期になりました。そして、思いつく「花見」。桜が咲く頃になると、宴会を連想する方も多いのはないでしょうか?今回は、花見について。梅ではなく桜が愛でられる花見スタイルが定着していった過程についてです。
山崎敬子 | 172 view
アナタも泣かされた?子供を泣かせるナマハゲ、その意味は一体何だったのか。

アナタも泣かされた?子供を泣かせるナマハゲ、その意味は一体何だったのか。

「泣く子はいねが~!」「悪い子はいねが~!」と叫びながら子ども達を泣かしまくる鬼をもてなす行事が秋田県男鹿市にあります。「ナマハゲ」です。実は日本各地には、ナマハゲのような存在がポコポコ存在しています。さらに子供をわざと泣かせる行事は他にもあります。「泣き(笑い)相撲」です。こちらも全国でポコポコ見られる行事です。
山崎敬子 | 431 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト

懐かしい!記憶をくすぐる商品

(PR)アマゾンで購入可能