90年代でサイクルヒットを達成したバッターを振り返る
2018年4月13日 更新

90年代でサイクルヒットを達成したバッターを振り返る

日本プロ野球において、64人が計69回達成しているサイクルヒット。単打、二塁打、三塁打、そしてホームランを1試合にすべて放つという離れ業を成し遂げた選手を、今回は90年代の達成者に限定して紹介していきます。

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藤本博史(ダイエー)‐1990年7月7日

藤本博史

藤本博史

南海ホークス
福岡ダイエーホークス (1982 - 1998)
オリックス・ブルーウェーブ (1998)

通算成績:715安打・105本塁打・419打点
現在、福岡ソフトバンクホークスの一軍打撃コーチをつとめている藤本博史。現役時代の通算成績は、都合14年間で105本塁打・打率.235と1流選手とは言い難いものですが、1990年、日ハム相手にサイクルヒットを達成しています。

池山隆寛(ヤクルト)‐1990年8月23日

池山 隆寛

池山 隆寛

ヤクルトスワローズ (1984 - 2002)

通算成績:1521安打・304本塁打・898打点
スリーベースヒットがもっとも難関だといわれるサイクルヒットですが、1990年シーズンの池山は、自身の現役生活に最多となる4本の3塁打を記録。そのうちの1本が、8月23日の中日戦におけるサイクル安打達成時に放ったものでした。ちなみに、このシーズンの池山は打ちに打ちまくり、遊撃手としては史上初となる「3割30本」の大記録も達成しています。

1993年 池山1イニング2発7打点日本タイ記録! 満塁&3ラン

松永浩美(オリックス)‐1991年5月24日

松永浩美

松永浩美

阪急ブレーブス
オリックス・ブレーブス
オリックス・ブルーウェーブ (1979 - 1992)
阪神タイガース (1993)
福岡ダイエーホークス (1994 - 1997)

通算成績:1904安打・203本塁打・855打点
走・攻・守を兼ね備え、史上最高のスイッチヒッターと謳われた往年の名選手・松永浩美。オリックス・ブルーサンダー打線不動のリードオフマンとして活躍していた彼が、サイクル安打を成し遂げたのは、1991年5月24日のロッテ戦。4打数4安打の固め打ちで、最後にスリーベースヒットを放って記録を達成しました。

ハウエル(ヤクルト)‐1992年7月29日

ジャック・ハウエル

ジャック・ハウエル

ヤクルトスワローズ (1992 - 1994)
読売ジャイアンツ (1995)

通算成績(NPB):397安打・100本塁打・272打点
ペタジーニ、ラミレス、バレンティンへと続く、ヤクルトスワローズ“当たり外国人打者”の系譜。1992年にサンディエゴ・パドレスから入団したジャック・ハウエルも、そんなヤクルト産・当たり助っ人の一人でした。
来日初年度に、打率.331・38本塁打で首位打者・ホームラン王の2冠を達成したハウエルは、その年の広島戦でサイクル安打も成し遂げています。

プロ野球 伝説の助っ人 ヤクルト・巨人 ジャック・ハウエル 44

中村紀洋(近鉄)‐1994年9月18日

中村 紀洋

中村 紀洋

近鉄バファローズ
大阪近鉄バファローズ (1992 - 2004)
オリックス・バファローズ (2005)
ロサンゼルス・ドジャース (2005)
オリックス・バファローズ (2006)
中日ドラゴンズ (2007 - 2008)
東北楽天ゴールデンイーグルス (2009 - 2010)
横浜ベイスターズ
横浜DeNAベイスターズ (2011 - 2014)

通算成績(NPB):2101安打・404本塁打・1348打点
通算404本塁打の大打者・中村紀洋。常にフルスイングのバッティングで、ホームランを撃つと後方にバッドを投げ捨て、悠々と確信歩きすることの多かった彼ですが、1994年9月18日の日本ハム戦では、難易度の高い3塁打も大激走の末記録し、見事、サイクル安打達成となりました。

ロバート・ローズ(横浜)‐1995年5月2日、1997年4月29日、1999年6月30日

ロバート・ローズ

ロバート・ローズ

横浜ベイスターズ (1993 - 2000)
千葉ロッテマリーンズ (2003)

通算成績(NPB):1275安打・167本塁打・808打点
かつてフジテレビ系列の地上波で放送されていた『プロ野球ニュース』において、2000年の暮れに、20世紀の終わりを記念して「あなたが思う、20世紀のベストナインは?」という質問を、現役選手に聞いて回る企画が放送されていました。その際、二塁手部門で落合博満と同等か、それ以上に多く名前を挙げられていたのが、この横浜最高の助っ人外国人“白ローズ”こと、ロバート・ローズでした。
1998年にゴールデングラブ賞を獲得するほどの好守もさることながら、特筆すべきは、やはりバッティング。プロ野球在籍8年で首位打者1回、打点王2回、最多安打2回を獲得し、特に、得点圏にランナーを置いて迎える打席では異常なほどの勝負さを発揮し、1シーズン歴代2位となる153打点・1試合10打点のセ・リーグタイ記録など、数々の打点記録を獲得しています。

そんな華々しいローズのキャリアを彩る数々の記録のうちの一つが、プロ野球史上唯一となる3度のサイクル安打達成です。1回目は1995年5月2日の中日戦で、2回目は1997年4月29日のヤクルト戦、そして、3回目は1999年6月30日の広島戦。これほど傑出したバッターが、なぜメジャー再挑戦せずに、日本で8年間もプレーしてくれたのか…。今あらためて考えてみると、かなり謎です。
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