『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』とは?
『S-Fマガジン』1976年1月号に掲載。ブラックな内容と、主人公が小池さんと同じ顔であるミスマッチが、ブラックユーモアともギャグとも違うテイストを引き出している。小池さんと同じ顔を持つ、正義感は強いが非力な小市民が、ある日数々の超能力を持つ超人として目覚め、次第に歪んだ思いを振りかざす殺人鬼に変貌していく姿を描いた「カイケツ小池さん」のリメイクにあたる。
藤子Fが連載・短編共に好んで用いた「ごく普通の人間がある日突然スーパーマンになったら」というテーマの作品の一つ。個人の正義のエゴイズムとその先に待つ虚しさを描く。
『カイケツ小池さん』
無料公開中の藤子不二雄SF短編集、『カイケツ小池さん』がだいぶ精神にキた。
— 和菓子 (@LOCAGECT) August 9, 2020
こういう人ら、ツイッターで散々見たことある…… ウッ……!https://t.co/XhuqTooNat pic.twitter.com/4vgcHgfV9b
(※当時は藤子不二雄名義)
出版:小学館
掲載:ビッグコミック
→1970年発表
『ビッグコミック』1970年4月25日号に掲載。「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」のプロトタイプにあたる作品。
OVA版『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』の本編動画・ストーリー
SF短編 ウルトラ・スーパー・デラックスマン 1/3
SF短編 ウルトラ・スーパー・デラックスマン 2/3
SF短編 ウルトラ・スーパー・デラックスマン 3/3
もともと真面目で正義感の強い性格でしたが、度胸はなく、社会の悪を見て見ぬふりして過ごす平凡なサラリーマンでした。ある日、句楽は不死身の肉体に、怪力・透視・飛行といった特殊能力を天から与えられ、スーパーヒーローとして活躍するようになります。
そんな句楽の凄まじいパワーに世間は恐れるようになり、彼の存在は次第に社会から孤立していくのでした。そして、誰も抑制できない句楽のチカラに、その正義は歪み、やがて身勝手な理屈を振りかざすだけの暴君に変わっていくのでした…
OVA版『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』の魅力とは?
子供向けアニメ『パーマン』とは違うヒーロー像
抑制できないチカラは、やがて狂気に変わっていくという風刺が強烈すぎて、子供には少し刺激が強いと思います。短編アニメながらメッセージ性が明確で、反面教師というような側面をかなり強調しているところが面白いです。
(※当時は藤子不二雄名義)
出版:早川書房
掲載:S₋Fマガジン
→1976年発表