「新 芦毛伝説 ビワハヤヒデ」
2016年12月8日 更新

「新 芦毛伝説 ビワハヤヒデ」

芦毛の名馬ビワハヤヒデ。半弟にナリタブライアンがおり、常に比較され続けたビワハヤヒデは、15戦連続連対というあのシンザンに次ぐ大記録も持っています。そんなビワハヤヒデの軌跡を振り返ってみましょう。

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1993 日本ダービー

岡部は競走後のインタビューで「4コーナーでウイニングチケットについていきたかったが、動けなかった。瞬発力の差だ。それに内ラチ沿いは荒れていて、入る自信がなかった。ビワの状態もよかったけど、パドックではウイニングが一番良く見えたし、(柴田は)自信があったから入れたんだろうね。直線ではよく差を詰めたけど、かわせるとは思えなかった」と述べた
浜田は馬場状態の良いところを通らせた岡部の判断に理解を示しつつ「それよりも大欅(第3コーナー手前)のあたりから4コーナーまでの、300メートルがレースを左右したと思いますよ。岡部君は大欅のところから馬を外に出したんですが、前にいたドージマムテキが急にバテて下がったため、せっかく外に行ったものを、また内に入らざるを得ないというロスがあったんです。あれが何にしても痛かった」と回顧している。
ともに2着で終わった春のクラシック2レースでしたが、最後の1冠、菊花賞を奪取すべく夏の間も休まず調教を続けました。
そして秋初戦を神戸新聞杯(阪神競馬場 芝2000mGⅡ)で始動したビワハヤヒデですが、ここでは格の違いを見せつけて楽勝し、菊花賞に弾みをつけました。
菊花賞当日、ビワハヤヒデは皐月賞馬ナリタタイシン、ダービー馬ウイニングチケットを抑え、堂々の一番人気に支持されました。
レースは中団につけ終盤に徐々に加速し、最終コーナーで仕掛けるとそのままグングン伸び、終わってみれば2着に5馬身差の大勝で最後の1冠、菊花賞を戴冠しました。
そのタイムは当時の日本レコードでした。

1993年菊花賞 - ビワハヤヒデ

浜田は後にこの競走について「涙は出ませんでした。とにかくうれしかった。やるべきことはすべてやって、その結果が出たわけですから」と振り返っている。

1993年 年度代表馬へ

見事にGⅠホースの仲間入りをしたビワハヤヒデはその年の締めくくり有馬記念(中山競馬場 芝2500mGⅠ)へと駒を進めます。
有馬記念にはトウカイテイオー、ライスシャワー、レガシーワールドなど歴戦の雄が揃う中、ビワハヤヒデは1番人気に支持されました。
結果はトウカイテイオーの2着でしたが4歳馬として古馬とも互角に渡り合い、来年以降、間違いなく競馬会の中心にいるのはこの馬だと印象付けるレースでした。

1993年 有馬記念 トウカイテイオー

岡部は「自分の思い通りの競馬ができたし、勝ちパターンに持ちこめたが、直線で横を見たらトウカイテイオーが凄い手応えで並んできた。テイオーに負けたのは仕方ない。来年はお返ししないと」と語った。


翌1月に発表された当年のJRA賞表彰では、菊花賞のタイトルに加えてGI競走における3度の2着などの安定した成績が評価され、安田記念、天皇賞(秋)を制したヤマニンゼファーを抑えての年度代表馬に選出された。

充実の5歳シーズン~突然の引退へ

1993年の年度代表馬に選ばれたビワハヤヒデは年の明けた1994年、京都新聞杯(京都競馬場 芝2200mGⅡ)から始動し、単勝人気は1.2倍でレース結果は2着に7馬身差の圧勝劇でした。
古馬となって最初のGⅠレースとなった天皇賞(春)(京都競馬場 芝3200mGⅠ)でも1.3倍と圧倒的な1番人気に押される中、ライバル・ナリタタイシンの猛追を抑え見事に天皇賞を制覇。昨秋の菊花賞に続くGⅠ2勝目とし、デビューから続いている連続連対数を「13」へと伸ばしました。

1994 天皇賞(春)

怪物過ぎる半弟「ナリタブライアン」との兄弟対決へ

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