「新 芦毛伝説 ビワハヤヒデ」
2016年12月8日 更新

「新 芦毛伝説 ビワハヤヒデ」

芦毛の名馬ビワハヤヒデ。半弟にナリタブライアンがおり、常に比較され続けたビワハヤヒデは、15戦連続連対というあのシンザンに次ぐ大記録も持っています。そんなビワハヤヒデの軌跡を振り返ってみましょう。

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春シーズン3戦目は宝塚記念(阪神競馬場 芝2200mGⅠ)となりました。
GⅠレースですが出走メンバー的に今のビワハヤヒデにとっては脅威となる相手もおらず、みご日本レコードを叩きだし天皇賞(春)に続いて、GⅠ2連勝を飾りました。
この春の牡馬クラッシック2レース(皐月賞・日本ダービー)ですが、ビワハヤヒデの半弟ナリタブライアン(父ブライアンズタイム 母パシフィカス)が圧倒的な力で2冠を達成しました。
新たな怪物の誕生に、マスコミ、ファンは年末にかけての夢の兄弟対決に期待せずにはいられませんでした。

1994年宝塚記念 - ビワハヤヒデ

浜田は「昨年の有馬記念では口惜しい思いをしました。また、ともに順調にいけば、有馬記念でナリタブライアンとぶつかることになるでしょう。だから是非、有馬記念をこの秋のピークに持っていけるようにしたい。」
秋競馬のビワハヤヒデの出走プランが産経賞オールカマー⇒天皇賞(秋)⇒有馬記念であることが報じられると、国際GⅠのジャパンカップがプランに含まれないことに対して、競馬界の各方面から賛否の声が上がりましたが、この選択はオーナーの天皇賞に対する強い思いがあっての事でした。
緒戦の産経賞オールカマー(中山競馬場 芝2200mGⅡ)ではライバルのウイニングチケットも出走する中、ビワハヤヒデは単勝1.2倍と圧倒的な支持に応え勝利しました。
この秋2戦目の天皇賞(秋)(東京競馬場 芝2000mGⅠ)でも単勝1.5倍と断然の一番人気となり、天皇賞春秋連覇の偉業へ向けて周囲の期待を一身に受けレースに臨んだのですが、後に鞍上の岡部騎手はパドックでの輪乗りの際、一抹の不安を感じたと語っています。
レースが始まるとビワハヤヒデは先行策で好位につけ進んでいったが、このレースでは4コーナー付近でスルスルと先頭に立ついつもの必勝パターンは見られず、直線も伸びを欠いたまま自身初となる連対を外す5着に終わりました。

1994 天皇賞(秋)

屈腱炎が判明~突然訪れた引退の時

天皇賞(秋)のレース直後、歩様に違和感を感じた岡部騎手は下馬し、その後、左前脚に屈腱炎が発症していたことが判明し、引退が発表されました。
岡部は「道中は脚の異常は感じなかったが、反応がすごく悪かった。ボキッといかなかっただけよかったよ」と回顧し、浜田は「ハヤヒデは鋼鉄ではできていない、とは言ってたけど、やっぱり馬は馬か。これで"ハヤヒデ神話"は終わったわ」と語った。
その年の有馬記念では3冠馬となった半弟ナリタブライアンが見事に優勝しました。
「もしビワハヤヒデが万全の状態で有馬記念に出走していたら」…、当時、兄弟対決に夢を膨らませていた多くの競馬ファンのため息が聞こえてきそうで、ビワハヤヒデの引退はとても残念でなりませんでした。
岡部は歴代の名馬との比較について、「中長距離では(岡部が騎乗した)七冠馬シンボリルドルフに次ぐ存在か」との質問に対して「それぐらいに思ってる」と述べた。
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