「柴田政人の悲願! ウイニングチケットが叶えた日本ダービー制覇の夢」
2016年12月5日 更新

「柴田政人の悲願! ウイニングチケットが叶えた日本ダービー制覇の夢」

第60回東京優駿(日本ダービー)優勝馬「ウイニングチケット」。そのドラマティックな競走馬としての生き様に魅了されたファンは多い。記録よりも記憶に残る名馬「ウイニングチケット」を振り返ってみましょう。

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デビュー~3歳時

※馬齢の表記ですが、現在の満年齢表記と違い、当時は数え年で表記されていましたので、そのまま数え年表記と致します。

トニービンの初年度産駒として誕生

ウイニングチケットは1990年3月21日、北海道静内の藤原牧場で生まれました。父はトニービン、母はパワフルレディです。父トニービンは現役時代イタリアを主戦場に通算27戦15勝の成績を残し、5歳時には世界最高峰のレース「凱旋門賞」を制覇した歴史的名馬で、日本でのレース経験(ジャパンカップ)もあります。競走馬引退後、社台グループが購入し日本で種牡馬となったトニービン。ウイニングチケットはその初年度産駒です。

デビュー戦は函館競馬場

ウイニングチケットは当時の関西の名伯楽 伊藤雄二調教師に見初められ伊藤厩舎からデビューする事となりました。注目のデビュー戦は9月6日の函館競馬場で、柴田政人騎手とコンビを組み芝1200m新馬戦に出走しましたが5着に敗れました。その翌週、鞍上を横山典に変え連闘で函館芝1700mに出走、見事に初勝利を挙げました。

連戦連勝で一気にクラシック戦線の主役に!

9月のデビュー2戦目で初勝利をあげたウイニングチケットですが、一息入れた年末、葉牡丹賞(500万下)、ホープフルS(OP)を連勝し破竹の3連勝と勢いに乗ります。皐月賞と同じ舞台の中山競馬場芝2000mを連勝し、一躍クラシック戦線の主役に躍り出ました。

クラシックレース戦線

明けて4歳となったウイニングチケットですが、その迫力を増した馬体は充実の一途をたどり、皐月賞のトライアルレースである弥生賞(中山競馬場 芝2000mGⅢ)ではナリタタイシンを抑え1番人気に支持されます。

1993年 第30回 報知杯弥生賞(GⅡ) ウイニングチケット(柴田政人)

結果は最後方から直線に入り大外を一気にスパートし、ナリタタイシン・ドージマムテキら有力馬をまとめて差し切り快勝!デビュー2戦目からの連勝も4となり、皐月賞制覇に向け大きく弾みをつけました。
鮮烈な勝ちっぷりにもかかわらず、レース後の伊藤雄二調教師と柴田政人騎手(現調教師)のコメントは「今日は85点」「切れがひと息」と辛口なもの。これが一層、同馬への期待を抱かせることになった

3冠レース初戦 「皐月賞」

弥生賞を制し、万全の状態で迎えたクラシックレース初戦「皐月賞」を迎えたウイニングチケットは皐月賞でも1番人気に支持されます。弥生賞では後方待機から直線に入り豪脚でライバルたちをまとめて差し切ったウイニングチケットですが、皐月賞では一転して中団から前目の競馬となり、最後の直線でも伸びを欠きクラシック初戦は4着という結果に終わりました。

1993年 第53回 皐月賞(GI) ナリタタイシン(武豊)

鞍上 柴田政人の悲願 日本ダービー制覇!

皐月賞の敗戦でマスコミから騎乗ミスを指摘され叩かれた柴田政人騎手。次の日本ダービーに対しては並々ならぬ思いがありました。

「日本ダービーに勝てたら騎手を辞めてもいい」

この年45歳になった柴田政人騎手は、盟友ウイニングチケットとともに望むこのレースに、騎手人生の全てを賭けたと言ってもいいほど強い思いで挑みました。
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