大竹しのぶ  vs 明石家さんま  結婚 ~ イマル誕生まで
2023年5月27日 更新

大竹しのぶ vs 明石家さんま 結婚 ~ イマル誕生まで

大竹しのぶと明石家さんま。陽気、勝気、自分が好き、自分のペースで生きていけないのが絶対無理な2人の戦い&見事なかけ合い。

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ドラマの収録が終わりに近づいたある日、
「なんでやろうなあ」
「何が?」
「なんで俺は毎晩、まっすぐ家に帰ってきて電話を待ってるんやろうと思って」
「うん」
「別に彼女でもないわけやろ」
「彼女?」
「俺にはちゃんと彼女がいてるのに、こうしてアンタの電話を待ってるのはなんでなんや?」
大竹しのぶは、明石家さんまに恋人がいることを知り、
(本当は電話をするのをやめるべきかもしれない)
と思ったが、夜になると受話器に手が伸びてしまい、12月に「男女7人秋物語」の収録が終わっても電話をかけ続けた。
「やっと元気になったみたいやな。
よかったわ」
「ありがとう」
「でもなんでやろ。
俺はやっぱり毎晩家で電話を待ってるんや」
「・・・・・・・・」
「電話くれたのに自分が家にいなかったら悪いなあと思って。
なんや、待機してることが義務みたいな感じになってますわ」
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年が明け、1988年1月29日に千翔が3歳の誕生日を迎えた頃には、男と女として付き合い始めていた。
大竹しのぶは、夫を亡くして1年も経っていなかったので、明石家さんまと交際していることは誰にも打ち明けなかった。
芸能界一、女性スキャンダルが多い明石家さんまのマンションの前には、常に記者が乗った車が数台いて、向かい側の建物にカメラマンがいることもあった。
だからデートは、事務所などで待ち合わせをして、人目に避けて
「部屋から部屋」
へ移動。
あるとき大竹しのぶはコロコロつきのキャリーバッグに入れられ、明石家さんまは、9階からそれを転がしていった。
タクシーを拾って、バッグを積もうとしたが重くて乗せられない。
「トランク開けましょうか?」
運転手がいってくれたが、バッグの中から拒否のうめき声が聞こえたので、なんとか座席に放り込んだ。
車が走り出すとガタガタ揺れ、バッグの中の大竹しのぶは体が痛くなった。
「苦しい」
バッグの中から声がしたので明石家さんまがチャックを少し開けると口が現れて息をした。
7月、服部春治の1周忌が迫った頃、映画「いこか・もどろか」で2人は共演することが決定。
さらに大竹しのぶは体に変化があった。
「私、妊娠したみたい・・・」
「結婚しよう」
明石家さんまの反応は速く、かつストレート。
しかし大竹しのぶは
「服部春治を裏切ってしまう」
という思いがあり、即答できなかった。
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プロポーズは保留したが、子供産むことにためらいはなかった。
事務所に妊娠したことを報告すると
「自分の立場、わかってる?
それにテレビの連ドラが決まっているのよ。
お願いだから産まないで」
といわれたが、
「絶対に産みます」
と答えた。
仕事で迷惑をかけてしまうことに申し訳ないという気持ちはあったが、妊娠したことに後ろめたい気持ちはなかった。
「夫の1周忌を過ぎたばかりで世間の目にはふしだらと映るかもしれない。
自分自身「少し早い」と思ったのも事実。
だけど私は過ちを犯して妊娠したわけでじゃない」
しかしこの後、大出血し、あわてて病院にいくと緊急入院を命じられ、流産したことがわかった。
「アカンかったか」
かけつけた明石家さんまは肩を落としてつぶやいた。
そして真顔でいった。
「結婚しよう。
退院したらすぐに記者会見やろう」
大竹しのぶは黙ってうなずいた。
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明石家さんまは、東京のマンションで村上ショージ、Mr.オクレ、ジミー大西にいった。
「まだ誰にもいうたらアカンで。
結婚する」
「け、け、結婚」
「あの女ちゃうで。
もう別れた」
「ほな誰と」
「大竹しのぶや」
「若っ、おめでとうございます」
「おう、ありがとな」
「結婚なんて滅茶苦茶うらやましいです」
「そうか。
ジミーも結婚願望あるんか?」
「滅茶苦茶あります」
「結婚のどこがエエねん」
「結婚したらソープ行かんでええやないですか」
「それ?
いやもしかしたら金とられるかもわかれへんで。
女は怖いからのお。
ええか、くれぐれも内密にな。
頼むで」

明石家さんま&大竹しのぶ 愛物語 【熱愛報道...そして結婚】

大竹しのぶが退院した日、2人は記者会見を開いた。
かねてから交際の噂はあったものの、事前に結婚の情報はマスコミにも一切知らされておらず、突然の発表に世間は驚いた。
島田紳助は明石家さんまに祝儀袋を投げて渡した。
「それ、お前にやないで。
大竹さんに渡してや」
「何で嫁やねん」
「お前に渡しても感謝せえへん」
「人聞き悪いこというな。
最近、お礼いえるようになったんや。
ありがとう」
「礼はできても、自分、心がないやんか」
「あるわ!」
一緒に暮らし始める日、大竹しのぶと二千翔は、新しいマンションで明石家さんまを出迎えた。
二千翔が何かをいったが、明石家さんまは、よく聞きとれず、
「んっ?
なんて?」
すると二千翔は新しい父親に向かって、もう1度ハッキリといった。
「愛の始まりやな」
それは両親が共演した映画「いこか・もどろか」の中で明石家さんまがいったセリフだった。
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関西人が相手を
「お前」
と呼ぶのは親しみの証。
京都出身の島田紳助が
「最初は人の心にズケズケと土足に入ってこられるのがイヤだったが、だんだん気持ちよくなる」
という大阪独特の文化のひとつ。
しかし明石家さんまがそう呼ぶと、東京生まれ東京育ちの大竹しのぶは
「お前とかいわないで」
同居しているおばあちゃん(大竹しのぶの母親)にも、
「失礼ね」
と怒られた。
そして
「お母さん」
と呼ぶと
「私、あなたを産んだことはありません」
といわれた。
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ある日、
「もう寝るね」
といって大竹しのぶが先に寝室へいくと、夜中、
「ヒィー、ヒィー」
という声が聞こえてきたのでリビングをみると自分が出ている番組をみる明石家さんまがいた。
謎の声は、息を吸いながら笑うことにより発生する引き笑い音。
自分が出ているシーン以外を早送りしながら、
「うまいな」
「ナイス」
と1人で自画自賛しながら笑う明石家さんまに
(どこまで自分が好きなんだろう)
とコワくなった。
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基本的に明石家さんまの風呂は早く、15分くらい。
ある日、風呂上りにキンキンに冷えたプッチンプリンを食べようと冷蔵庫から冷凍庫へ。
楽しみにしながら風呂から出ると、テレビをみながら
「プッチンもせずに」
プリンを食べる大竹しのぶがいた。
「俺のプリンやないかい」
と怒ると
「買ってくればいいじゃん」
と返されたので
「プッチンくらいしろ」
といった。
ある日の午前3時、きな粉が大好きな明石家さんまがどうしても食べたくなって買いにいくために支度をしているところ、大竹しのぶが起きてきた。
「どこ行くの?」
「きな粉買いにいくねん」
「なんで?
明日にすればいいじゃない」
「明日やったらアカンねん。
今やねん」
いかにも明石家さんまらしい言葉だが、大竹しのぶは、
「おかしいんじゃないの?」
といい捨てて、寝室へ戻っていった。
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大竹しのぶが魚を焼いていると煙が出て、火災報知機を鳴ったことがあった。
明石家さんまは、それをテレビで
「『ウーッ、ウーッ』ってサイレンが鳴って消防車はくるわ、『さんまさんのウチよ』って近所の人が集まってくるわ、大騒ぎになった」
「ホースを持った入ってきた隊員に「すいません、サンマ焼いてて煙が出て」と説明すると「じゃあここ(ホース)にサインしてもらえます」といわれた」
と話した。
大竹しのぶが
「魚を焼いていて煙が出て火災報知機が鳴ったまでは本当だけど消防自動車は来てないから!
そういうのやめてくれる!」
と抗議したが
「火災報知機が鳴っただけで終わられへんやろ」
といった。
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間寛平が、 アテネからスパルタまで246kmを不眠不休で36時間以内で走るというスパルタスロンスに挑戦。
番組から
「なんとかさんまさんも・・・」
といわれた間寛平は
「テレビが来てくれんねんけど一緒にギリシャにいってくれへんか?」
明石家さんまは
「寛平兄やんの頼みならいったんで」
と応じた。
ギリシアに着くと100kmまでは取材禁止ということがわかり、暇で仕方ない明石家さんまは女性スタッフに
「走るわ」
といって42.195㎞のマラソンに挑戦。
練習も何もしていないので
「20㎞くらい走れたらええな」
と思いながらスタートし、途中、タバコも吸いつつ走ったが、あれもかれよと6時間半で完走。
帰国して女性スタッフと共に家に戻った明石家さんまは、大竹しのぶに
「どうだった?」
と聞かれ、
「おう、マラソン走ったで。
あんなもんな、かんたんに走れるわ」
と答えた。
すると大竹しのぶに別室に連れていかれ
「なんでぇ?
人の気持ちわかんないの?」
と怒られた。
実はその女性スタッフは、「マラソンを走れるまで」という1人の人間が42.195㎞を走れるようになるまでの感動ドキュメンタリー番組を撮っていて、それが代表作だった。
そんなことは知らない明石家さんまは、
「ハァッ?」
と聞き返し、わけのわからないうちに、また夫婦の絆に亀裂が入った。
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