3校の中で一番最後に登場したのが報徳学園。全国制覇の経験もあり、兵庫県下一の野球の名門校とはいえ、前の2校が揃って緒戦を突破。更に選出された経緯もあいまって、報徳学園の選手達には、試合前から大きなプレッシャーがかかっていました。北海高校との試合も苦しい展開になるのですが…。
1995年選抜高校野球 報徳学園
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この試合をテレビで見ていた私は、「逆転の報徳」はやはりすごいなぁ・・・などと同級生のプレーに感心しきりでした。報徳学園は続く2回戦で関西高校に敗退したものの、選出された3校が揃って緒戦を突破。被災地に住む方に勇気と感動を与えたのです・・・と、いうのがよく言われる「感動的な物語」です。もちろん、それは間違いない事ですが、そう単純なことでもないとも思うのです。
最後に
この年、オリックスの選手達は「がんばろう神戸」というキャッチフレーズをユニフォームに縫いつけ、ペナントを戦いましたが、彼らはまだ高校生。そして選手の多くは被災者でした。いわば「がんばろう」と言われる側だったはずです。この3校の奮闘記は今も語り継がれる「感動的な物語」ではあるのですが・・・当時から周囲は感動的な物語にしようとするほどに彼らの背負う荷はどんどん重くなっていったのではないだろうかという思いがあるのです。
(甲子園に出た事もない私が彼らの心情を推し量ることはおこがましいかもしれませんが…)
(甲子園に出た事もない私が彼らの心情を推し量ることはおこがましいかもしれませんが…)
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「甲子園に出る」という事は地域の方の期待を背負うという面は確かにあります。ですが、私は「地域の皆さんの為に…」などと選手宣誓で堂々と発言する高校球児を見る度に思うのです。「子供はそんな気を使わなくていいから、自分とチームの仲間の為だけにプレーしたらいい。こっちは勝手に感動するから・・・」と。