【玉置浩二】名曲を神曲にしてしまう男。様々なアーティストとのコラボレーションでも人々に感動を与え続けるカリスマです。彼の歴史と共にその歌声を聞いてみませんか?
2016年11月23日 更新

【玉置浩二】名曲を神曲にしてしまう男。様々なアーティストとのコラボレーションでも人々に感動を与え続けるカリスマです。彼の歴史と共にその歌声を聞いてみませんか?

誰もが聞き惚れる切なく素晴らしい歌声と、アーティストならではの脆さを併せ持つ人。その美しさと感性は人々を虜にし続けます。ソロ曲や安全地帯での素晴らしい歌声はみなさんもご存知のとおりですが、最近は他アーティストとの競演も多く、見事なハーモニーで本家さえも食ってしまう勢いです。まさに天才といって良いでしょう。

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当時の寄せ書き

当時の寄せ書き

玉置自身の出身中学である神居中学校へ39年ぶりに訪問したそうです。当時は生徒会長をしていたようです。そして、その春に卒業する3年生を前にして人生の先輩として優しいメッセージを送りました。

『人生でなにかを見失ってしまう時ってあると思うんだけど、見失うものっていうのは大切なものであって、大切じゃないものは見失わない。』

1973年秋~1976年 ヤマハ ポピュラーソングコンテスト

インベーダーは、メンバー2人を加えて5人組となると同時に、バンド名を「安全地帯」と改めました。そしてその年のヤマハ ポピュラーソングコンテストの北海道地区大会に出場し、優秀賞を獲得します。安全地帯の評判は、地元・旭川を中心に拡がっていきます。そしてついに、1976年10月、安全地帯はヤマハ ポピュラーソングコンテスト つま恋本選会に出場を果たし、その存在感を地元のみならず、北海道内へと拡げていきます。
同じくこの第12回に、なんと長淵剛も九州代表としてエントリーされています。
このコンテストに出場したことをきっかけにデビューしたアーティストは、
■1975年 八神純子
■1976年 渡辺真知子、中島みゆき、因幡晃
■1977年 世良公則&ツイスト、安部恭弘
■1978年 佐野元春、長渕剛、円広志
■1979年 チャゲ&飛鳥、クリスタルキング
■1980年 きゅうてぃぱんちょす(杉山清貴&オメガトライブ)
■1981年 伊藤敏博、アラジン(高原兄)
■1982年 あみん(岡村孝子)
■1983年 TOM★CAT、辛島美登里
などそうそうたるメンバーです。スターの登竜門ですね。

1978年 ミュージカル・ファーマーズ・プロダクション

昭和53年 2月
新生・安全地帯は、旭川の郊外、永山にある廃屋を借り、安全地帯専用スタジオにリフォームし、MFP(ミュージカル・ファーマーズ・プロダクション、「音楽を耕す農夫の集団」)と命名しました。当初は屋根と壁があるだけで、そこに水道を引き、床を張り、壁に防音材を詰めていました(周囲300m四方には家もなかったのに)。改装費用は500万円でほとんどが借金。このスタジオで安全地帯は連日連夜、曲作り、練習、デモテープ作りに励む(かたわらバイトに精を出す)。一日に7~8時間こもることも。
そして、およそ800人が収容できるホールを自分達で貸し切って、定期ライブを開催するようになります。
「音楽を耕す農夫の集団」

「音楽を耕す農夫の集団」

現在この場所は宮下隆宏氏がオーナーのフランス料理専門のレストランになっています。またMFPは後に安全地帯が設立した独自の事務所の名前になります。
そして1978年11月、次のステップとして、東京への進出、プロデビュー考えていた彼らのもとへ、安全地帯のデモテープを聴いた、キティレコードのディレクター・金子章平が訪ねてきます。安全地帯の素直で洗練された音楽に可能性を感じた金子は、頻繁に旭川の彼らのもとを訪ねるようになります。

安全地帯 アマチュア時代のLive音源 「とても素敵さ」

1978年当時の5人編成「安全地帯」最後の旭川市公会堂でのLive音源です。音は良くありませんが、アマチュア時代のPopな曲調と若き玉置さんの素晴らしいVocalが聞けます。
「テープを聴いて“これはいける!”と思った。直感でね。で、すぐに旭川の合宿所に会いに行ったんだ。当時の彼らはみんな長髪でね。玉置なんかまるでパット・シモンズ(ドゥービー・ブラザーズのメンバー)みたいな雰囲気だった。で実際に演奏を聴いてみると想像以上にパンチがあってストレートで“これは絶対にいける”って確信した」(金子章平談)

1981年 井上陽水のライブツアーのバックバンドに

金子章平が、自らがディレクターを務めていた井上陽水を連れて玉置の元を訪れ、彼らは井上陽水と数曲ほどセッションします。そして、その場で金子は、安全地帯を井上陽水のライブツアーのバックバンドとして起用することを決めるのでした。
『井上陽水のバックバンドに、まだアマチュアだった安全地帯を起用した理由は、井上陽水の持っている複雑なニュアンスが入り組んだ表現の美しさに、安全地帯の純粋な想いが込められた音楽が加わることで、お互いにとってプラスに働くと思ったからです」。金子章平は当時のことについて、こう振り返っています。

萌黄色のスナップ

東京でのツアーリハーサルが始まった当初、プロとアマチュアの演奏レベルの差に驚き、自分達のオリジナル曲は演奏できても、井上陽水のバックバンドなんて、とても無理だと感じたんです。しかし、セッションを積み重ねる内に、これは絶対にチャンスだ、と思った僕は、自信を失いかけていた他のメンバーを必死で説得し、練習を積み重ねたんです。しばらくすると、自分達でも少しずつ満足できる演奏ができるようになり、音楽関係者も認めてくれるようになったんです。
玉置浩二は、その当時について、こう振り返っています。
この時は自分達のデビューに向けたリハーサルも同時並行だったので、ほぼ丸二十四時間音楽漬けの生活を送っていました。こうして、安全地帯は、1982年2月に1stシングル「萌黄色のスナップ」をリリースするのです。
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「その頃のオレたちにはロック以外なにも考えられなかったね。とにかくドゥービーを聴いて、打ちのめされていたから。やっぱりロックはカッコイイし、オレたちにはこれしかないと思っていた。メソメソしたのはやってられんな、ってね。でもそんなことにこだわっている自分の方が小さいって気づいたんだ。自分のやりたいものをやることの方が自然だし、自分の姿勢の問題だって思うようになったんだ。表現の仕方で、たとえ歌謡曲だって違うものになる。陽水さんに会って、それに目覚めたのね。無言のうちに教えられたんだよね」

「給料なんてないし、衣装買うカネもないような状態だった。だから陽水さんとの最初のツアーの衣装なんて、みんなで渋谷のジーンズメイトに行って買ったやつだったね。それにハチマキってスタイルだったよ」(玉置浩二談)

1982年 安全地帯 デビュー

1982年2月に、1stシングル「萌黄色のスナップ」をリリースした安全地帯は、自分達の作品作りをしながら、井上陽水のバッックバンドとしても活躍を続けます。井上陽水のツアーの合間をぬって、10月に2ndシングル「オン・マイ・ウェイ」を、翌1983年1月には1stアルバム『安全地帯ⅠRemember to Remember』をリリースします。しかし、残念ながら、セールスは芳しくありませんでした。

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