コメディ映画「スーパーの女」 正直屋と安売り大魔王のスーパー対決!主役のおばさん花子があの手この手で落ち目のスーパーを盛り上げます!
2017年1月31日 更新

コメディ映画「スーパーの女」 正直屋と安売り大魔王のスーパー対決!主役のおばさん花子があの手この手で落ち目のスーパーを盛り上げます!

1996年公開 「スーパーの女」。伊丹十三監督らしい庶民的な題材が、面白おかしく描かれています。後年に問題となる食品偽装に関しても言及している点など先見的な作品でもありました。

15,727 view

映画「スーパーの女」とは?

あらすじ

おかっぱ頭のスーパーマーケット大好き主婦・井上花子は、スーパー「安売り大魔王」で小学校時代の幼馴染・小林五郎とバッタリ再会する。
花子は「もう一つスーパーを見て欲しい」と五郎に言われ、ついて行った先のスーパー「正直屋」のダメぶりを五郎に愚痴るものの、迂闊にも五郎がその「正直屋」のオーナーだった。
五郎は、「安売り大魔王」に業績で水をあけられた腹いせに、酒に酔った勢いで「正直屋」を日本一にする夢を花子に語った。

五郎は花子の主婦としての視点から「正直屋」の悪いところを直すべくスーパーに入社を勧め、一度断られるが、花子は「安売り大魔王」の傲慢な商売振りにカチンときて「正直屋」に入社し、「安売り大魔王」と闘う事になる。

最初はスーパーのレジ係として勤務した花子だが、職人気質な人達がチーフに就いている各部門で問題が続発し、特に精肉部・鮮魚部とは事あるごとに対立する。
やがて実績を買われて副店長に昇進した花子は顧客の意見を聞き反映する試みを行い、製品のリパック(店頭に置いてあった製品を回収し再度ラップし、日付のラベルを貼り替えてまた店頭に置く事)の禁止を店舗会議で直訴し五郎も承諾させ、正直屋の商売方針を改善。
徐々に来る客も増えていった。かつて五郎が花子に語った「正直屋」を日本一にする夢を、利益や規模ではなくお客様への信用の面で目指すことになった。
 (1591661)

映画 「スーパーの女」 ポスター 
この映画は、映画に必要なすべてがある。
ヒューマンドラマ、正義、恋愛、コメディー、アクション、涙。
そのうえ、炸裂するガールズパワー(オバサンだけど)にやられる。
こんなに気持ちの良いカタルシスはない。

随所に伊丹作品らしさ満載 古き良きコメディ「スーパーの女」

スーパーにまつわるウンチクが次々と披露され、スーパーの裏側を伊丹監督作品らしいテイストで描かれた作品です。
 (1591656)

元同級生役の二人が久々に再会する場面

いきなり息の合った掛け合い♪
小学校時代の思い出のダンスをしてじゃれ合う二人
宮本信子が主人公で、津川雅彦の潰れかけスーパーを改革していくんですが、二人の出会いの場面が既にかなりフィクショナルというか、いかにも古いコメディっぽいんです。

これが許されたのが90年代までの良さだなと思います。

豪華キャストも個性を発揮!

キャストも豪華でみんな笑っちゃうくらいハマリ役。
 (1591689)

井上花子(宮本信子)と小林五郎(津川雅彦)

両者共に独り身。仲良しだが、どうも恋愛には発展しない
ホテルでベットを共にしようとするが、花子が笑ってしまい失敗などのエピソード多数

伊丹作品で他にも夫婦役をこなす二人。コミカルな演技がお互いにハマります!!
 (1591698)

鮮魚部のしんちゃん(高橋長英)

職人に誇りを持つ昔堅気の人物
刺身をさばく作業を全て一人で行う為、若手が育たない

職人の頑固さを高橋長英が好演!
 (1591632)

青果部チーフのキヨちゃん(三宅裕二、左)とレジ係チーフのイクヨちゃん(中、松本明子)

最初は言われた事だけたんたんと作業していたそれぞれの担当
だが、花子に乗せられ、生き生きと働き始める!

三宅と松本らしいも愛嬌のある役どころ

伊丹十三の先見性が光った映画

最も大きな特色は、2000年の雪印集団食中毒事件を皮切りに相次いで起こった大規模な食品事故を機に社会的関心が高まった、食の安全や食品偽装といったテーマを、その数年前に既に描いていたという点である。

本編中の偽装シーン

 (1591730)

肉をより赤く見せ、変色した肉をごまかしている
 (1592175)

売れ残りを「リパック」して日付を改ざん
また新鮮な商品として売るインチキ商法!

花子はウソが大っきらい!
この後、店長やチーフにリパックを廃止するよう食ってかかります
14年前の作品だけど、懐かしさよりもリアルさを感じました。食の安全をハッキリと指摘した内容だからだと思う。
「安売り大魔王」の社長が「輸入牛のええもんは和牛として売れ」って言うシーンがまさにそれ。食品偽装じゃありませんか。そうやってウソついて稼ぐなんて許せないわ。
数年前、相次いだ食品偽装を思い出しましたね。
31 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

湘南のミニFMが舞台!ほろ苦映画「波の数だけ抱きしめて」  中山美穂の日焼けしたDJ姿がピチピチしていました!

湘南のミニFMが舞台!ほろ苦映画「波の数だけ抱きしめて」 中山美穂の日焼けしたDJ姿がピチピチしていました!

1991年公開の青春映画「波の数だけ抱きしめて」。五人の若者が織りなす湘南・恋物語。ミニFM局の拡大に四苦八苦しながら、恋愛でもチグハグしていきます。
ひで語録 | 18,722 view
金城武の人気を不動のものとした映画「不夜城」の暗黒街・歌舞伎町が凄かった。

金城武の人気を不動のものとした映画「不夜城」の暗黒街・歌舞伎町が凄かった。

映画「不夜城」は、金城武主演の1998年の映画。ミステリー性の高いサスペンス。眠らない街・歌舞伎町に内包された恐ろしさが、映像として存分に引き立てられ、見事な舞台として成立している。
ひで語録 | 25,475 view
【午後の遺言状】第19回(1996年度)日本アカデミー賞を振り返る!【三國連太郎】

【午後の遺言状】第19回(1996年度)日本アカデミー賞を振り返る!【三國連太郎】

1996年と言えば原爆ドームが世界遺産に登録された年。 イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ皇太子妃夫妻が離婚して話題になった年でもあった。そんな1996年の日本アカデミー賞を振り返ってみよう。
もこ | 644 view
【マルサの女】第11回(1988年度)日本アカデミー賞を振り返る!【山崎努】

【マルサの女】第11回(1988年度)日本アカデミー賞を振り返る!【山崎努】

1988年と言えば、東京ドームが開場された年。24年の歳月と7000億円の費用を投じた青函トンネルが開業した年でもあった。そんな1988年の日本アカデミー賞を振り返ってみよう。
もこ | 741 view
1993年恐竜ブーム時に誕生!安達祐実映画デビュー作!『REX 恐竜物語』

1993年恐竜ブーム時に誕生!安達祐実映画デビュー作!『REX 恐竜物語』

1993年といえばジュラシック・パークなどのヒットから恐竜ブームとなっていました!その中で誕生した安達祐実映画デビュー作『REX 恐竜物語』はどんな作品だったのでしょうか!?
ロングアゴー | 2,904 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト