刑事ドラマのテンプレートを作った『刑事コロンボ』の名推理
2017年8月5日 更新

刑事ドラマのテンプレートを作った『刑事コロンボ』の名推理

よれよれのレインコートにもじゃもじゃのヘアースタイル。安物の葉巻にボロボロの車。そんなうだつの上がらない風貌の刑事が、鋭い推理で犯人を追い詰めていく。1960年代の終わりから21世紀初頭まで、世界中の人々に愛され、刑事ドラマの一つの形式を完成させた、刑事コロンボの魅力とはどんなものなのでしょうか。

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刑事コロンボとは?

1968年NBCの単発ドラマとして制作された「殺人処方箋」で、ピーター・フォークがコロンボ刑事として初めて登場しました。
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元々は舞台で評判だったものをテレビドラマに仕立てたものですが、非常に好評だったため、1971年からNBCミステリームービーの中の1枠としてシリーズ化されました。NBCミステリーの他の番組には「署長マクミラン」「警部マクロード」などがあります。日本ではNHKで土曜夜のゴールデンタイムに放送され、大人気番組となりました。

Columbo opening

NBCミステリームービーは1977年に終了しましたが、コロンボは1978年まで、7シーズンに渡って45回放送されました。
その後10年のブランクを開けた1989年、今度はNBCからABCに放送局を移し、「新刑事コロンボ」として制作されます。
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少々髪も白くなって再登場
人気ドラマが、配役や設定を変えてリメイクされる、という事はたまにありますが、主役も設定もそのままに、テレビ局を移動して放送されるというのは、かなりレアなケースですね。
製作のペースは次第に落ちていきますが、2003年まで24回放送されています。
1968年のパイロット版から数えると、合計69回、足掛け35年に渡って続いた、超ロングランの作品です。

コロンボ作品の特徴

コロンボ作品の特徴と言えば、物語の冒頭に犯人がわかる倒叙モノという点。
推理モノなのに、犯人がわかったところから始まるというのは、とても斬新でした。推理モノは犯罪のトリックに重きをおく場合が多いですが、最初に犯人を見せる事によって、次第に追い詰められていく犯人の心理状態が、物語の肝になっています。
ドラマや映画の場合、犯人が最初に判る利点は、大物の俳優さんをキャスティングしやすいという事。
犯人が判らない場合、登場人物の中に大物の役者さんがいれば、何となくあの人が犯人なんだろうなぁ、と視聴者に察しが付いてしまいがちです。
しかし最初から犯人の役者さんが判っていれば、そのような視聴者の「しらけ」もなく、むしろ役者さんの演技を楽しめます。またドラマの宣伝もしやすいでしょうし、今度は誰が犯人なんどろう、というような楽しみ方も生まれるものです。
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オスカー女優:リー・グラント
実際にコロンボの犯人役には、アカデミー賞やエミー賞、ゴールデングローブ賞などを受賞した、名優さん達がたくさん出演していて、これがまたコロンボの見どころにもなっています。

キャスト

コロンボ:ピーター・フォーク

ロス・アンジェルス市警の刑事。警察の階級は日本とは異なるため、実は警視、もしくは警部補かもしれない説もありますが、吹き替えでは一応「警部」という事になっています。
ヨレヨレのレインコートにもじゃもじゃの髪がトレードマーク。安物の葉巻とオンボロの車を愛用。
ピーター・フォーク

ピーター・フォーク

「ウチのカミさんがね」と言うのが口癖。因みに後に放送された「ミセス・コロンボ」は、コロンボの奥さんを連想させはしますが、原作者の反対を押し切って制作された全くの別物。
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