初期セガを支えた2つの名作、【スペースハリアー】と【ファンタジーゾーン】。
2017年1月24日 更新

初期セガを支えた2つの名作、【スペースハリアー】と【ファンタジーゾーン】。

セガ(後のセガ・インタラクティブ)が1985年に発表した【スペースハリアー】と、翌1986年に発表された【ファンタジーゾーン】。 テイストの全く異なる2作品ですが、どちらもその後、続編が発表されたり多くの媒体に移植され、初期セガを支える人気作となりました。 2つの作品の間に隠された秘密も含め、その魅力を紹介していきます。

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まずは「スペースハリアー」から。

 (1510315)

1985年11月発表。
超能力戦士ハリアーを操作し、敵や障害物を避けながら、全18ステージを疾走していく擬似3Dシューティングゲームです。
【ストーリー】

銀河系のはるか彼方にあるドラゴンランド。永遠に続くかと思われる平和を享受していたこの世界に、突然、凶悪な魔物たちが現れ、世界は闇に包まれた。
ドラゴンランドに住む正義のドラゴン・ユーライアは、荒れ果ててしまったこの世界に光を取り戻すべく、超能力戦士ハリアーに救援を求めた。
未知なる魔物たちが巣くうドラゴンランドに単身乗り込んでいくハリアー。真の戦士となるための孤独な戦いが始まろうとしている…

出典 http://vc.sega.jp/vca_harrier/
ユーライア

ユーライア

映画『ネバーエンディング・ストーリー』のファルコンを思い出してしまう貴方は、ミドルエッジ世代。

ゲームセンターに突如現れた「体感ゲーム」!

「スペースハリアー」の大きな特徴が、コックピット型の大型マシンと操縦桿による操作システムです。
レバー動作によって座席ごと前後左右に動くアトラクション感に、当時高校生だった筆者も度肝を抜かれたものですが、それはゲーム業界にも大きな衝撃を与えました。
スペースハリアーの筐体

スペースハリアーの筐体

飛行機のように、操縦桿を引くと機体が上昇し、倒すと下降します。
そのため、上下操作が通常と逆になるというのが「スペースハリアー」の大きな特徴でした。
(ただし、その後移植されたコンシューマ版では、上下の挙動を選択できるものが多いです)
via スペースハリアー-Wikipedia
後に、この筐体を用いた戦闘機のゲーム「アフターバーナー2」も登場しましたが、ではこのコックピット型の筐体というアイディアは、どうやって生まれたでしょうか?
AMショーでの発表までは自機が戦闘機だったが、ハードウェア機能の制約から自機キャラクタは表示パターンを削ってでも大きく表現したほうがいいと判断され、宙を浮く人間(超能力戦士)に変更された。
via スペースハリアー-Wikipedia
AV-8B ハリアーⅡ

AV-8B ハリアーⅡ

VTOL、すなわち垂直離着陸機の代名詞です。

なお、後に移植されたセガマークⅢ版では、自機をこのハリアー戦闘機に変更できる裏技がありました。
スペースハリアーの「ハリアー」は言うまでもなくVTOL戦闘機の「ハリアー」。元々はそのハリアー機が主役として開発されていて、途中内容が変わったものの名前だけが残ったというのは有名な話。では、「スペース」とは?それは「スペースコブラ」の「スペース」。寺沢武一の漫画「コブラ」のTVタイトル「スペースコブラ」から来ています。
英和辞典で原語「harrier」を引くと、「チュウヒ」(鷹の一種)と出てきます。
そう、鷹から命名された戦闘機の名残だったんです。

また「harrier」にはクロスカントリー競技の選手、という意味もあるそうです。
道なき道を疾走する、というイメージも重ねたのかもしれません。
ちなみに、コブラ。

ちなみに、コブラ。

自機が超能力戦士へと変更になってから、左手にサイコガン内蔵というコブラの設定も参考にされたと思われます。

スペースハリアーの魅力とは?

 (1510321)

筐体だけでもインパクト十分だったのですが、加えてリアルな3D表現、圧倒的なスピード感、巨大なキャラクターの造形・色彩の豊かさ、BGMの素晴らしさなど枚挙にいとまがありません。
「キャビネットが自機にあわせて可動する」というかつて無いプレイ感覚に、「よけて撃つ」のみという虚飾を廃したシンプルが故に圧倒的に高いゲーム性。なめらかな超高速3Dスクロールに32,000色の当時としては比類無く美麗なグラフィック、そしていつまでも耳に残る美しいサウンド。1985年当時のゲームセンター内でも文句なしにずば抜けた存在で、その迫力と臨場感はこれからのビデオゲームの未来を感じさせずにはいられないタイトルだったのだ。
パワーアップ等は一切なく、敵弾や障害物を避けながら敵を倒すだけ!と、実にシンプルなゲーム内容でしたが…

ここはもう、実際のプレイ画面を観ていただきましょう!

アーケード版・プレイ画面

1ステージが短めで、テンポが良いのもよく分かります。
(プレイヤーが神!というのもありますが…)
いまだに30年前のゲームとは思えないです…
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