動乱の1968年、ポスト・ビートルズを虎視眈々と狙って異色に満ちたグループが結成される。イエスもその最大の一つ
2016年10月26日 更新

動乱の1968年、ポスト・ビートルズを虎視眈々と狙って異色に満ちたグループが結成される。イエスもその最大の一つ

世界的な学生動乱期にあたる1968年は、ビートルズの晩年期にあたり、「ポスト・ビートルズ」を目指して、英国では非常に多くのバンドが独自のサウンドを創りだし競争をしていた。 イエスはメンバーの出入りも多く、アンダーソンを中心に置いたセッションバンドである色彩が強い。同業プログレのキング・クリムゾンが、オーナー=ロバート・フィリップをコアにしたバンドで、アルバムごとに、面子が入れ替わったのと同じように。

2,320 view
ウェイクマンの後任には、スイス人のパトリック・モラーツがキーボード担当に。モラーツは、フュージョン系の要素をもっており、アルバムの「リレイヤー」は、全英4位、全米5位にランキングされる。
一方バンドの混迷とは裏腹に、1973年のメロディーメーカーの人気投票では、前年の順位を逆転して、グループ部門では「イエス」、キーボード部門ではリック・ウェイクマンがトップに躍り出る。

リックウェイクマン復帰

究極

究極

さて、モラーツのフュージョン路線と、メンバーの方向性に齟齬ができたこともあり、モラーツ自身は脱退。そこでワンポイントとしてウェイクマンが招聘され、アルバム「究極」をスイスで録音。全英1位に躍り出る。シングルカットされた「不思議なお話しを」はトップ10に入った。

イエス、第一回目の解散

オーナー=アンダーソンの脱退と解散

エイジア-詠時感^~時へのロマン

エイジア-詠時感^~時へのロマン

1979年にパリで行われたリハーサルでは、メンバー同士の音楽的対立もあって空中分解。そんな中、リーダーのアンダーソンが去り、加えてセッション万として参加していたウェイクマンも脱退。
急遽ボーカルにトレバ―・ホーンとキーボードにジャフ・タウンズを入れてアルバム「ドラマ」を録音リリースしたが、評判は今一つ。アメリカとヨーロッパでのツアー後、イエスは事実上の解散状態に陥る。
1980年から1983年の3年間は名実ともにイエスは解散状態であった。この間メンバーの成功をあげるとすれば、ギターのハウとキーボードのダウンズだろう。
ふたりは、ELPのカール・パーマーやキング・クリムゾンのジョン・ウェットンとともにスーパー・バンドの「エイジア」を結成し、ファースト・アルバムの「詠時感-時へのロマン」が世界で1500万以上売れ大々的なヒットとなった。

活動開始

イエス再結成

アルバム:90125/シングル:ロンリーハート

アルバム:90125/シングル:ロンリーハート

1983年リリースのアルバム「90125」からシングルカットされた「ロンリー・ハート」全米をはじめ各国で大ヒット。再結成のイエスは大成功となる。実は正式には再結成に向けての前であるが若干の紆余曲折があり、「シネマ」と「ドラマ」というアルバが録音が一部流動的なメンバーで実施されている。
このヒットから5年間、イエスはメンバーの変動はしていない。その訳は1987年のアルバム「ビッグ・ジェネレーター」の録音とリリースのみがこの間の活動であったからという。
なお、1988年には16年ぶりに来日公演を果している。因みに1987年から、元メンバーでドラムスのビル・ブラッフォードは、日本のジャズ・ギタリストである渡辺香津美と「スパイス・オブ・ライフ」など2枚のCDを録音している。

イエス分裂-オーナー=アンダーソンの分派発動

アンダーソンの裏イエス=スーパー・バンドは大成功

ABWH-閃光

ABWH-閃光

1988年のツアーが終わった時点で、アンダーソンは自分のお気に入りバンド「ABWH]という黄金期のイエスと同じメンバーであうビルブラッフォード、スティーブ・ハウ、リック・ウェイクマンとのカルテットを結成する。原因は、当時のイエスのキーボード、ラビンとの確執があったという。
さてABWH,セッションのベースに、キングクリムゾンや渡辺香津美バンドでもおなじみに米人トニー・レビンやジェフ・バーリンを招聘したりした。アルバムは「閃光-ABWH」やライブ・アルバムがリリースされた。
アンダーソンの分派活動といえども、イエスの足跡に重要な地歩をあたえた。
ところで本元のイエスは、ギターのサポートであるビリー・シャーウッドの加入を得て、新しいプロジェクトを進行させ、4枚組大作の「Yesyears」とそこからのシングルを発表したのみであった。
Yes-years

Yes-years

イエスの本流サイドのLPでは4枚組となる大作

閑話休題

Kazumi Watanabe, Bill Bruford & Jeff Berlin - Hiper K | City - Live 1987

元イエスのブラッフォード、日本最高峰のギタリスト渡辺香津美とセッション

イエス再統合

51 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

革新的な音楽と共に幻想的なアルバム・ジャケットが魅力のイエス

革新的な音楽と共に幻想的なアルバム・ジャケットが魅力のイエス

革新的な音楽スタイルで一世を風靡したイエス。時代とともにその音楽は変化してきましたが、今なお変わらないのがアルバムジャケット等を担当するロジャー・ディーンのアートワークです。今では音楽よりもアルバム・ジャケットの方が楽しみなくらいです。
obladioblada | 3,013 view
高校時代に嗚咽涙した「エピタフ」は、キングクリムゾンのデビューアルバムから

高校時代に嗚咽涙した「エピタフ」は、キングクリムゾンのデビューアルバムから

キング・クリムゾンは、ELPやイエス、ピンク・フロイドとならんで「プログレッシブ四天王」の一角を形成。 結成から半世紀が経とうとしているが一貫してオリジナルメンバーはギタリストのロバート・フィリップただ一人。 つまり実は、ロバート・フィリップがオーナーの前衛ロック・セッション・バンドが正体ではないか。
Leon | 6,303 view
80年代の幕開けを華々しく飾ったバンド、バグルス。

80年代の幕開けを華々しく飾ったバンド、バグルス。

大ヒット曲「ラジオ・スターの悲劇」で知られるバグルス。この曲を聴くと80年代の華やかなイメージが蘇ります。音楽にも日本経済にも勢いがあった華々し80年代を思い出すにピッタリのバグルスをご紹介します。
obladioblada | 4,652 view
とっつきにくく小難しいプログレをポップに昇華!エイジア(Asia)が1980年代にもたらした意識改革とは??

とっつきにくく小難しいプログレをポップに昇華!エイジア(Asia)が1980年代にもたらした意識改革とは??

1970年代に一時代を築いたイギリスのプログレッシブ・ロック。 その重鎮バンドであった、イエスやキングクリムゾン、ELPなどのメンバーであった面々が集まって結成当初から「スーパーバンド」として、1982年に音楽シーンに颯爽と現れたのがエイジア(Asia)です。 今もまだ活動を続ける彼らですが、その1980年代当時の活躍を振り返り、彼らが後の音楽シーンに与えた影響や意義などを考察していきたいと思います。
tenpuo4 | 4,922 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト