とりあえず、アニメメカ的(玩具会社クローバー的)には、『ゲッターロボ』(1974年)における、ゲッター3立ち位置だったはずのガンタンクだが、3作ある映画版では、必要最低限に出番をカットされた挙句、最終的には存在を抹消されたわけであり、そもそも富野監督サイドとしては「V作戦モビルスーツの長距離支援戦車タイプ」というよりは、「旧式モビルスーツ以前」以下の代物扱いであったわけで、それはそれでリアリティはあるし、むしろ後年の安彦良和氏の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』等では、さらに「ガンタンクは数年前から存在していた、モビルスーツの出来損ない」的な扱いを受けていて、コアなマニアがいるとはいえ、不遇な扱いだなぁとは思う。
にしたって、テレビ版のDVDを見直せば、大気圏突入以降地球編では、ほぼレギュラーメカとして、がんばって活躍している機会も少なくはないので(コアブロックシステムの玩具要素を逆利用して、上半身だけ分離して、砂漠に着地して砲台代わりになったのは、さすがにどうよとツッコまざるを得ないが……)、ベルファスト戦闘でも活躍したわけだし、テレビ版のソロモン戦前では、果敢に宇宙空間でモビルアーマー・ザクレロとも戦ったわけだし(註・双方ともに映画版では存在抹消)、富野総監督のことは嫌いになっても、ガンタンクのことは嫌いにならないでくださいっ!(なんだ今回のこの文章。ガンプラ解説になってねぇし)
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光の国から愛をこめて
フリーランスライター・脚本家・演出家・元映画助監督・制作進行
市川大河が語る、ウルトラマン、ガンダム、日本のカルチャー