筋骨隆々・寺尾!18歳の貴花田に敗れ、さがりを花道に叩きつけた!1勝14敗でも貴乃花に勝ちたい!!
2020年4月23日 更新

筋骨隆々・寺尾!18歳の貴花田に敗れ、さがりを花道に叩きつけた!1勝14敗でも貴乃花に勝ちたい!!

元関脇鶴ヶ嶺を父に持ち、二人の兄も力士で、井筒3兄弟と言われた角界のサラブレッド・寺尾。しかし、親の七光りではなく、努力と情熱で39歳まで現役を続け、鉄人と呼ばれた。貴花田との名勝負や貴闘力や小錦の最後の取組相手にもなった寺尾の足跡を辿る。

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多くの力士の「最後の取組相手」を務めた

学年は寺尾が1年上ではあるが、同じ昭和38年(1963年)生まれの「花のサンパチ組」と呼ばれ、良きライバルだった、元横綱北勝海・元大関小錦・元関脇琴ヶ梅の引退相撲では、異例とも言える最後の取組相手として指名され、寺尾はそれぞれ3人の力士と土俵に上がり勝負した。

また、2002年9月場所は寺尾の現役最後の場所となったが、12日目、元関脇貴闘力と十両の地位で対戦。貴闘力は寺尾に敗れて負け越し幕下陥落が確定的となり、その日限りで現役引退を表明した。
その取り組み後には、寺尾が土俵上で貴闘力の肩をそっと叩き、互いの労をねぎらうというシーンが見られた。
小錦との取組

小錦との取組

平成14年9月場所12日目 貴闘力-寺尾 貴闘力現役最後の一番

平成14年9月場所15日目 小城錦-寺尾 寺尾現役最後の一番

寺尾語録

●「今日一日の努力」
 
 毎日頑張ろうと思うと疲れる。
 今日一日だけなら頑張れる。
 その積み重ね。

●「子供の頃、手伝いをしたら、おふくろにものすごく褒められて、
 うれしかった。その延長で、何か一生懸命やっていれば、
 褒めてもらえそうな気がした。そんな毎日だった。」
引退後も凛々しい寺尾(錣山親方)

引退後も凛々しい寺尾(錣山親方)

引退後、錣山親方を襲名し、1年間井筒部屋付きの親方を経験し、錣山部屋を設立。

現在も、後進の指導をしている錣山親方ですが、
「部屋に入ってきた子供(弟子)の一生を守ってあげることができる!」
「子供(弟子)のために死んであげれる!」といつも考え、
「怒るときも真剣に!」をモットーとしている。

相撲を途中でやめていく子供(弟子)の仕事の面倒もみている。
子供(弟子)とは、一生付き合うことが親方の使命と考えている。
弟子に指導をする寺尾(錣山親方)

弟子に指導をする寺尾(錣山親方)

通算成績、主な受賞歴

通算成績:860勝938敗58休 勝率.478
通算勝利860は歴代9位、通算敗北938は歴代2位
幕内成績:626勝753敗16休 勝率.454
通算出場:1795回(歴代3位)
通算連続出場:1359回(歴代6位)
現役在位:140場所
幕内在位:93場所(歴代4位)
幕内出場:1378回(歴代4位)
幕内連続出場:1063回(歴代4位)
三役在位:13場所(関脇7場所、小結6場所)
三賞:7回
殊勲賞:3回(1989年1月場所、1994年5月場所、1995年3月場所)
敢闘賞:3回(1986年9月場所、1989年9月場所、1994年3月場所)
技能賞:1回(1989年7月場所)
金星:7個(千代の富士1個、北勝海1個、大乃国3個、貴乃花1個、武蔵丸1個)
各段優勝
十両優勝:2回(1985年1月場所、1985年5月場所)
井筒三兄弟(寺尾は一番右)

井筒三兄弟(寺尾は一番右)

端正なマスクだけでなく、情熱的な取組も魅力だった寺尾。
引退後も弟子に厳しくも温かな指導を行っているようだ。
普段は寡黙ながらほんわかとして人当たりの良い彼だが、稽古場では「コノヤロー」と罵声を飛ばしている。しかし、怒鳴りながらもきちんと改善点を伝える。そこに愛情を感じることができる。
彼に育てられた弟子は伸び伸びとした相撲を取るのだろうと思う。

元小結の豊真将は、負けても取組後に深々と礼をする所作で見る者を爽やかな気持ちにさせてくれたが、これは師匠である寺尾(錣山親方)の教えであり、「ピシッとやると、大きく見えて、相手を威圧できる」という意味合いもあったという。

寺尾(錣山親方)は豊真将の引退会見で「礼で始まり、礼で終わる相撲道を体現できる数少ない力士。弟子ながら尊敬している」と称賛していた。また、弟子に対してもそうしたことを言える懐の大きさも寺尾(錣山親方)の魅力だろう。

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40 件

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  • 👊the grand sumo 2021/9/14 06:15

    名横綱58代「千代の富士」も引退という「カド番」を勧告した先代「プリンス」の実子弟子・・・
    あれは「バブル崩壊」の暗示みたいに見えた

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