M08「JESUS」
黒夢 - JESUS
M09「親愛なるDEATH MASK」
黒夢 - 親愛なるDEATHMASK
デスメタルスタイルを独自のセンスで、消化したかのような歌い方が格好良い!
おそらくDir en grayの京が「MASK」「羅刹国」の2曲に渡り、
「首生掴み」というフレーズを入れてるのはこの頃の黒夢へのリスペクト。
歌詞は放送禁止用語を連発すれば格好良いと思っているところに若さを感じます(笑)
しかし、そんな事を感じさせない激しさを持つ曲です!
M10「亡骸を」
黒夢 - 亡骸を
イメージ通りのバラードで、メンバーも思い入れがある楽曲。
初めて聞いた時は、愛した女性への思いを歌った感じの世界観だと思っていました。
しかし、亡くなった祖母に贈ったという話を聞いた時に、
去りゆく敬愛すべき人への愛の歌なんだな...としみじみ感じました。
<UNDER>根底に流れる精神は永久に変わることはない!!
M1「UNDER...」で本作の幕が上がります。
前作からの流れを汲む強烈な2ビートが印象的。
ちなみに本作のドラムは、クレジットでは匿名となっていますが、
一時在籍するex.THE STAR CLUBのHIROが担当しています。
そしてこの曲に込められた意味を、清春は当時のインタビューで
「時の流れとともに外見や表現方法が変わっても底辺<根底>に流れるものは
変わらない、変わってしまってはおかしい、そういう事を歌っています。」と
語っていました。
常にシーンの主流へ対するカウンターであり続け、スタイルを変えても反逆精神を
持ち続けた黒夢。
「UNDER...」は、そういった黒夢のアティチュードを体現した曲となっています。
現にインディーズ期の代表曲であり、ファンクラブ名を冠すほど重要なポジションに
あった曲なのです。
M2「終幕の時」M4「讃美歌」M6「MISERY」M7「if」では、救いようのないほどに
冷たく残酷な暗黒美旋律が鳴り響きます。
後のインタビューで、本作リリース前に東芝EMIとの契約を済ませており、
M6「MISERY」のようなミドルテンポで美しいメロディーをもつ曲を求められた事を
明かしていました。
M3「DANCE 2 GARNET」M5「十字架との戯れ」M8「JESUS 」で魅せる臣の
サディスティカルなギターと人時のうねり踊るベースが、リスナーのボルテージを上げます。
そこに重なる清春の独自性が高いビブラートやヒステリックな唱法が、退廃美をより
色濃くしていきます。
そのボーカルだが、スケジュールの都合により2日間で録り終えたというから驚きです!
所謂"王道"に寄り添ったアプローチも見受けられますが、決して安易なものになっていません。
それは、彼らが根底に持つ精神とバランス感覚のなせる技ですよね!
「生きていた中絶児」から再録されたM9「親愛なるDEATHMASK」は
"神の遺産"とも呼ぶべき曲。
耳を突き刺すような残虐でノイジーなサウンド、叩きつけられる狂気の世界、
性急な"ツタツタ"ビートの上を這いずり回る発狂寸前のボーカル、
清春の専売特許であり伝家の宝刀でもあるシャウトにビブラートをかけた
"ビャイヤイヤイヤイ"など、細部に至るまで多くのフォロワーたちに伝統芸として
継承され、様式のひとつを作り上げた歴史的名曲なのです。
ラストはDEAD END/Serafineを彷彿とさせる壮大なナンバー M10「亡骸を」。
この曲は、清春が亡くなった祖母へ追悼の意を表した楽曲となっており、
清春ソロでは「PHANTOM LOVER」としてセルフカバーされています。
発売後、「亡骸を...」は前代未聞のインディーズチャート2ヶ月連続首位を
記録する大ヒットとなりました。
これは本作がいかに革新的でセンセーショナルな作品であったかを物語る出来事の
ひとつ。
もしあなたがヴィジュアル系というカルチャー・ムーブメントの深淵に触れたいと
思うのなら、この作品は必ず手に取るべき聖典のひとつです。
ヴィジュアル系シーンの根底に脈々と流れる黒夢の遺伝子を、黒夢がレジェンドと
呼ばれるその所以を、きっと感じ取る事が出来るはずですよ!
全編通して、サイドギターの使い方が技巧的で印象に残ります。
ギターソロのフレーズや歌メロも秀逸な名曲!
一度聴いただけで物凄く頭に残る美しい名サビと耽美的な名イントロ。
キラキラした神々しい名曲といえますよね!