【衝撃動画】小錦の足を破壊し横綱昇進を阻んだ北尾の鯖折り
2016年11月25日 更新

【衝撃動画】小錦の足を破壊し横綱昇進を阻んだ北尾の鯖折り

1986年5月場所8日目、横綱目前の北尾と大関目前の小錦という大型力士同士の一番で事件が起こった。小錦が横綱になれなかった最大の理由と言われる北尾の鯖折りを改めて動画で確認する。

22,591 view

1986年5月場所8日目、北尾vs小錦

1986年5月場所8日目、横綱目前の北尾と大関目前の小錦の一番。

身長2m・体重170kgの北尾と身長184cm・体重240kgの小錦という超大型力士同士の対決は最初、土俵際まで押し込む小錦をからくも北尾が引いて残して同体取り直しとなった。

そして、その取り直しの一番で事件が起こった。

北尾 vs. 小錦 KONISHIKI (1986)

小錦の巨体を一気に土俵際まで寄っていった北尾が、つり上げようと粘る小錦に覆いかぶさるように鯖折りを決めた。
両者合わせて400kg以上の体重が小錦の右膝に集中、耐えきれずにじん帯を損傷・骨折という大怪我を負ってしまう。

決まり手【鯖折り(さばおり)】とは

http://maruhon38.net/wp-content/uploads/2014/10/690bf28a2e2dfeb115378d903d29e3e9.gif (282238)

相撲の決まり手のひとつ。
廻しを取って強く引き付け、上からのしかかるようにして相手の膝を土俵に付かせる技。
­この技をかけられた場合、腰や膝に大きな負担がかかるため、小中学生等の大会では禁止­される場合が多い。

巨漢力士として知られた元関脇の出羽ヶ嶽文治郎や元小結の大起男右エ門が得意とした。­出羽ヶ嶽は1926年(大正15年)5月場所で大関太刀光を鯖折りで破って負傷させて­おり、太刀光はこれが原因でそのまま引退している。

「鯖折り」の名称は、技を掛けられた力士が活け締めにされるサバの首を折られた時の姿に似ているところからついた。
サバは「生き腐れ」の異名を取る程鮮度の落ちが早い魚であり、冷蔵技術の未発達だった時代には鮮度を保つ目的で、釣り上げたその場で首を折って血抜きし、活け締めにされる事が多かった。

この怪我が小錦に深刻な影響を及ぼす

小錦はこの負傷により2場所連続休場を余儀なくされ、平幕に転落、大関獲りも一旦振り出しとなる。

その後も右膝のケガは遂に完治することなく、膝の故障でどうしても稽古を減らさざるを得ず、それが体重を増やし余計に膝を悪化させる悪循環になった。
そして大相撲史上最重量の体重約240kgを活かせずむしろ持てあます取り組みが多くなっていったのだった。

両者の因縁はこの先も続き、小錦の綱取りにさらなる影響を与える。

北尾は、小錦とのこの一番でストレートの勝ち越しを決めて勢いにのり、そのまま5月場所準優勝、翌7月場所優勝同点の成績を収め、横綱に昇進。
双羽黒と改名。

その後、小錦は怪我から回復し大関に昇進。
綱取りを目指し始めた矢先である1987年11月場所後、横綱・双羽黒(北尾)は師匠らと衝突の末廃業してしまう。
双羽黒(北尾)は史上初の優勝をしたことがない横綱となってしまった。

そして、この事態を重く見た相撲協会は「原則として『横綱昇進は大関の地位で2場所連続優勝』が絶対条件」と内規を設定した為、優勝を3回した小錦でも横綱に手が届くことなかった。

不可抗力ではあるが鯖折りの大怪我と合わせ「小錦の横綱昇進を阻んだ最大の加害者は双羽黒」という意見は多い。

もしも、鯖折りでの怪我がなかったら?

http://sherlock1129.up.n.seesaa.net/sherlock1129/image/009konishiki.jpg?d=a0 (282245)

小錦本人は鯖折りの件で双羽黒を恨んではおらず、むしろ「あのケガがあったから大関になれた」とコメントしている
だが、この怪我さえなければ幕内優勝3回、大関を6年もつとめた『ハワイの黒船』小錦が、曙よりも先に史上初の外国人横綱となっていたのではないかと思わずにいられない。
13 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

【小錦八十吉】相撲人生を振り返り、「いま」を追跡してみた!

【小錦八十吉】相撲人生を振り返り、「いま」を追跡してみた!

小錦八十吉が1982年6月から歩み続けてきた相撲人生を振り返り、取り組みの様子や名勝負などをまとめつつ、「いま」を追跡し、まとめてお伝えします。
貴乃花  決して曲げず 貫き通したチカラビト SUMODO

貴乃花 決して曲げず 貫き通したチカラビト SUMODO

千代の富士、小錦、武蔵丸、朝青龍、兄、若乃花、数々の名勝負。宮沢りえとの破談、兄との確執、洗脳騒動、母親の不倫など数々のスキャンダル。小泉純一郎に「「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」」といわせた武蔵丸戦とその後のケガとの戦い。中卒でプロの相撲の世界に入った貴乃花は、嵐のような人生を職人的なプロフェッショナリティーで、ガンコに、一途に、真っ直ぐに進んでいった。
RAOH | 961 view
あの偉大なスポーツ選手達が引退した時って何歳だったんだろう?もう”あの頃”の彼らの年齢を超えてしまった

あの偉大なスポーツ選手達が引退した時って何歳だったんだろう?もう”あの頃”の彼らの年齢を超えてしまった

ボクシングや相撲、野球、サッカー、テニスなど、数多くのスポーツや格闘技で輝いた選手達。絶頂期で引退を決めた選手、怪我と戦いながら40歳を超えても第一線で活躍した選手。”あの頃”憧れた選手たちの引退年齢と成績をまとめた。
ひで語録 | 7,753 view
オーパーツ等、超常現象に迫った番組『特命リサーチ200X』 相撲を格闘技最強とする仮説も唱えた!

オーパーツ等、超常現象に迫った番組『特命リサーチ200X』 相撲を格闘技最強とする仮説も唱えた!

毎週日曜の夜に日テレで放送されていた「特命リサーチ200X」。架空の調査会社「ファー・イースト・リサーチ社」を舞台に、ミステリーや超常現象に迫った番組だった。また、格闘技において最強の競技は相撲だと仮説を立てた回も印象深い。
ひで語録 | 8,445 view
技のデパート舞の海!頭にシリコンを埋め角界へ!猫だましに騙された!

技のデパート舞の海!頭にシリコンを埋め角界へ!猫だましに騙された!

「平成の牛若丸」とも呼ばれ、相撲取りらしからぬ軽快さで、大相撲を沸かせた舞の海。猫だましや目回し作戦など実に多彩な技を繰り出し、上位陣を苦しめた小兵・舞の海!通算では5度の技能賞を獲得している。最高位は東小結。出羽海部屋に所属していた。
ひで語録 | 19,648 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト