―何を歌おう 何を祈ろう 君という太陽を失くして― 矢沢あいが描く!!強烈な恋物語『下弦の月』その全貌に触れよう!!!
2018年6月1日 更新

―何を歌おう 何を祈ろう 君という太陽を失くして― 矢沢あいが描く!!強烈な恋物語『下弦の月』その全貌に触れよう!!!

二度読んだら「何を歌おう 何を祈ろう 君という太陽を失くして」の言葉の真の意味が掴める!『下弦の月』二度読んでたっぷりと美味しい食感の深み。あなたがもし、輪廻転生をはたしたら…今の恋人、過去の恋人どちらを選びますか?

10,042 view

これはアダムの切ない片想いの物語だったのでは……?

 (2014963)

泣かないで アダム
あたしは絶対に
あなたを忘れたりしないから
あなたを独りにはしないから
きっとすぐに
生まれ変わって
またあなたのそばに行くから
約束するから
アダム…
愛してる
via 集英社『下弦の月 Last Quarter 愛蔵版 下』p72-73 2004.9
さやかは約束どおりにアダムと再会を果たします。
アダムは月のサイクルの不思議な現象で美月の元に現われ、そこで運命的に、生まれ変わった“美月”と出会い愛しますが、恋人である“さやか”の病死を後追うようにしんでしまったという過去を背負った念(幽霊?)で彷徨っています。
このまま行けば二人は前世のめぐり合わせ、さやかは美月の身体を得て、そしてアダムの元に行こうとしました。しかし、美月を呼びとどめる現世(美月の彼氏)からの声に止められて一歩のところで……。
意識は眠ったまま、身体から離れた美月の想いは、最初は「アダムに会いたい…!」と、アダムへ傾きますが、記憶を探していく中でちびっこ四人との絆の育みが美月を迷わせます。
アダムと約束を交わしたことばも大事にしたい、けども、培った四人の絆や本当はかけがえのなかった美月を作った記憶も捨てきれない。
いろいろな思いが錯綜する中で、美月は歩を踏み出します。
すると。アダムが現われて――。

以下は本編を是非に拝読ください……!!!
。・゚゚ ‘゜(*/□\*) ‘゜゚゚・。

最後に…

 (2015010)

イヴを引き止める事が出来るくらいの
強い力とか希望の言葉が
この世の中にあるの?
あたしは持ってない
via 集英社『下弦の月 Last Quarter 愛蔵版 下』p67 2004.9
美月は複雑な家庭環境に見舞われ、恋人に二股掛けられ(しかも親友に)痛いほどに傷つきます。
当然、そこに優しく声をかけて愛してくれる人がいたら幽霊でもなんでも、しがみつきますわな。
(´;ω;`)ブワッ
“みんな大っ嫌い あんな毎日には戻りたくない! あんな人生捨てたんだよ!”
と美月の悲痛な叫びもものすごく共感してしまうのではないのでしょうか。
多かれ少なかれ、人生の半ばに至った人ならば。
けども、人の強い想いがあって、なにがなんでも約束を信じて、約束を果たそうとした二人がたしかにこの物語の中で息づいていた。
と思うと、また懲りずに、人を信じる力になっていく力を貰えるのではないかと思います。

“この柵の向こうには 全てを見渡せる そんな世界があるの?”
と問う美月にアダムはこう返します。
集英社『下弦の月 Last Quarter 愛蔵版 下』p219 2004.9 (2015032)

via 集英社『下弦の月 Last Quarter 愛蔵版 下』p219 2004.9
そして最後の締めくくりとなる歌詞に込められた意味もいろいろな解釈もございますが、
「さて次はどんなメロディーを君のために作ろうか」
という愛のこもった“さやか”もひっくるめた“美月”に対する、愛のことばだと思うと、
「究極な片想いやな……!!!」と涙を隠すことができないのでした。。
32 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

―あの青い瞳と哀しい旋律に狂おしいほど魅かれたのだ― 吉井和哉をモデルにした青年との狂おしい恋… 矢沢あいが描いた『下弦の月』。その内容に迫ります!

―あの青い瞳と哀しい旋律に狂おしいほど魅かれたのだ― 吉井和哉をモデルにした青年との狂おしい恋… 矢沢あいが描いた『下弦の月』。その内容に迫ります!

美しい絵柄でりぼんっ子を引き込ませた「下弦の月」。しかし、ただただただ緻密に組み込まれた作者・矢沢あいさんのあざやかな手腕に呑まれたのではないのでしょうか。改めて読んでみるとまた違う発見ができるかもしれません。では参りましょう!
me*me | 3,871 view
少女漫画雑誌「りぼん」の"ふろく"に焦点を当てた展覧会が12月8日から京都で開催!90年代をメインに展示!

少女漫画雑誌「りぼん」の"ふろく"に焦点を当てた展覧会が12月8日から京都で開催!90年代をメインに展示!

1955年の創刊以来、少女文化をリードし続けている少女漫画雑誌『りぼん』の「ふろく」に焦点を当てた展覧会「LOVE♥りぼん♥FUROKU」展が、12月8日から2017年2月5日まで「京都国際マンガミュージアム」(京都市中京区)で開催される。
天使なんかじゃない、ご近所物語、NANA…矢沢あいの展覧会『ALL TIME BEST 矢沢あい展』が開催決定!!

天使なんかじゃない、ご近所物語、NANA…矢沢あいの展覧会『ALL TIME BEST 矢沢あい展』が開催決定!!

人気漫画家・矢沢あいの展覧会「ALL TIME BEST 矢沢あい展」が、2022年夏に第1会場となる東京・新宿髙島屋を皮切りに、大阪髙島屋、横浜髙島屋で開催されることが決定しました。
隣人速報 | 591 view
OVA版【天使なんかじゃない】ご近所物語・NANAで有名な矢沢あいの少女漫画がアニメ化!

OVA版【天使なんかじゃない】ご近所物語・NANAで有名な矢沢あいの少女漫画がアニメ化!

『ご近所物語』『Paradise Kiss』『NANA』など、数々の名作漫画で知られる矢沢あいさん。『天使なんかじゃない』の映画・ドラマ化も多くのファンから望まれていますね。今回の記事でご紹介するOVA版『天使なんかじゃない』は30分ほどの短編的な内容にまとめられていますが、唯一、映像化されたコンテンツです。本編動画やストーリー・魅力を振り返っていきますので、ぜひ記事をご覧になってください。
tsukumo2403 | 1,042 view
映画化もされた矢沢あいの隠れた名作『下弦の月』。幻想的で儚くも美しいミステリーに浸ってみませんか?

映画化もされた矢沢あいの隠れた名作『下弦の月』。幻想的で儚くも美しいミステリーに浸ってみませんか?

言わずと知れた名作『天使なんかじゃない』『ご近所物語』『NANA』の作者矢沢あい。彼女の作品の1つにこんなミステリーがあったことを知っていますか?
ゆりか | 739 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト