坂田アキ役の榊原るみが別のドラマへの出演(『気になる嫁さん』(日本テレビ)の主演。第27話から坂田とアキが暗殺される第37話までの期間は出演していなかった。)のためにスケジュール確保が困難になり、第37・38話で健とアキはナックル星人に虐殺されて物語から姿を消し、初代ウルトラマンとウルトラセブンの登場というイベントと相まって、ここで内容的にも視聴率的にも一つの頂点を迎えた。
病院の屋上から飛び降りてウルトラマンジャックに変身・・・思いつめて後追い自殺か?と心配した視聴者も多かったでしょう。
郷は恋人を失い冷静さを失っています。この状態で戦うのは危険です。敵の思う壺です。ですからジャックは郷を変身させない可能性もありました。
復讐に燃える郷が、病院の屋上から飛び降りる変身方法を選択したのは、問答無用で変身するためでしょう。
坂田兄妹の死だけでなく、帰ってきたウルトラマン(ウルトラマンジャック)も処刑されてしまうという子供にはキツイ、二重にトラウマな回。
ウルトラマンジャック「太陽エネルギーをくれ。頼む、太陽エネルギーをくれ。私はここで倒れるわけにはいかないのだ・・・」
人の幸せを踏みにじった諸悪の根源のナックル星人。用心棒怪獣のブラックキングを鍛えあげ、ウルトラマンジャックの抹殺を図る恐ろしい暗殺宇宙人だ。
山口百子(ウルトラマンレオ) 昭和ウルトラマン史上最悪の「恐怖の円盤生物シリーズ」の犠牲者に。多くの仲間を失う。
山口百子(演:丘野かおり) 『ウルトラマンレオ』(1974年 - 1975年)
ヒロインにさえ払うギャラが足りなくなった・・・。大人の事情によって悲劇のヒロインが生まれる。
1974年から「丘野かおり」に改名し、『ウルトラマンレオ』(TBS)にレギュラー出演した。
1970年代後半以降の芸能活動は確認されておらず、『レオ』で共演した真夏竜も「丘野さんだけはまったく消息がわからない」と語っている。
円盤生物シルバーブルーメがMACの本部を襲撃する。MAC本部は全て飲み込まれてしまった。MAC全滅。
MAC本部に勤める仲間たちに払うギャラが足りなくなってしまった。オイルショックのせいです。金がかかる特撮ドラマはかなり犠牲になってしまった。
東京上空に突如出現したシルバーブルーメは、なんと百子たちが買い物をしていたデパートを破壊する。
恐るべしオイルショックの影響。
そこまでやるか!子供向け番組のトラウマ記録をどこまで更新するつもりなのか・・・「恐怖の円盤生物シリーズ」恐るべし。
当時のオイルショックによる物価高騰などが制作体制を直撃し、番組は制作費の緊縮を余儀なくされてしまう。
ギャラの節約を狙ったレギュラーキャストの削減や、毎回の怪獣着ぐるみの製造費・防衛チーム基地のセット維持費などのカットが断行された結果、番組は大幅な路線変更を強いられることになった。
ゲンとトオルは、山口百子、タケシ、梅田カオル・・・かけがえのない仲間を全て失った。
悲劇のヒロインはオイルショックの犠牲者か。
オイルショックの影響で1974年(昭和49年)は-1.2%という戦後初めてのマイナス成長を経験し、高度経済成長が終焉した。当時の特撮番組は大ダメージを受けた。
画像のチャートは1861年〜2007年の原油価格。100年近く続いた安値が1970年代に破られたことがわかる。
日本の消費者物価指数で1974年(昭和49年)は23%上昇し、「狂乱物価」という造語まで生まれた。インフレーション抑制のために公定歩合の引き上げが行われ、企業の設備投資などを抑制する政策がとられた。結果、1974年(昭和49年)は-1.2%という戦後初めてのマイナス成長を経験し、高度経済成長がここに終焉を迎えた。
水城涼子、水城霧子(仮面ライダーX) 第9話以降の路線変更に伴い第8話でヒロイン退場。
水城涼子、水城霧子(演:美山尚子) 『仮面ライダーX』(1974年)
仮面ライダーXは父と子の絆や謎めいたヒロインの登場を軸とするなど、従来作とは大きく違った切り口が特徴の作品を目指していたが、第9話以降からそれまでのシリーズをより意識した展開に戻すことになる。
この路線変更のため第8話で涼子と霧子のヒロイン退場となった。
放送前の試写時点で、霧子の退場などの路線変更が内部で決まっていた。
放送前の時点で試写を見た毎日放送側などの意見は「ストーリーが大人向けを狙っている」「涼子と霧子を巡る展開がわかりづらい」と言った懸念や疑問であり、その一方で「神話怪人」に対しても「なじみやすさに欠ける」と指摘され、それらの意見はその後の展開において「チコ・マコの登場」「悪人軍団への変更」などといった形で反映されている。
「水城涼子」(みずき りょうこ)
敬介の婚約者で神教授の助手。人間工学という希有な分野を研究するが故に学会では孤立しがちな教授の良き理解者である。よく神親子のケンカを仲裁していた。しかし、そんな二人を裏切りGODの一員となる。
その正体はインターポールの秘密調査員で、GODに潜入して捜査を行っていた。その際、サイボーグ手術を受けている。第8話において怪人アトラスの攻撃から子供を庇ったことで正体が露見、GOD総司令によって体内の自爆装置のスイッチを入れられて命を落とす。
初期設定では「インターポールの捜査官」という設定は存在せず、神教授がGODの協力を拒絶し続けるため、GODの巧妙な脅迫に屈して、本当に神親子を裏切る予定だった。
「水城霧子」(みずき きりこ)
涼子の双子の妹。姉とはお互い離ればなれで暮らしていたが、連絡だけは取り合っていた。当初、涼子から彼女の存在が知らされていなかったために敬介を困惑させたが、後に双子であることを敬介に明かす。亡くなる直前、「姉は今でもあなたのフィアンセだから信じてほしい」と敬介に対して必死で話していた。
GODに潜入した姉に代わって、敬介を影からサポートする。敬介が姉のことで苦悩するが、彼に「個人の感情は捨てて皆のXライダーになれ」と言う。第8話で敬介を庇って戦闘工作員の放った矢に当たり、絶命する。