そうですね。どうして治るのかというと、ベルト巻いて締める=血の流れを制限してる状態なわけですよね。傷ついた血管というのは血流が流れていない状態なんですけど、ギューッと締めることで、どんどん行く状態を作るんですよね。行く状態を作るとすると人間は身体の中で再生能力があるから、新生血管で新しい血管をどんどん作っていくわけです。それで、治していくわけですよ。それが自然治癒能力で、アッという間の数分で出来ちゃうわけです。
で、血管が通っちゃうから傷ついているところに血流が流れていって、その後に大して運動してないのにものスゴいキツいトレーニングをしてるんで、脳から成長ホルモンが安静時の300倍出るわけです。で、自然治癒力だから体の中はどこが悪いってわかっているので、そこへ流れていくんですよね。で、治りが早い。だから今は色々な病院がリハビリに加圧を取り入れていますよ。
やり方を教えてもらい水戸でトレーニングをして肉離れは治ったんです。最終的に現役を引退することにはなって、まさか自分がその後加圧トレーニングの仕事に就くとは思っていませんでしたけどね。
30歳で現役を引退、加圧トレーニングの道へ
この時の人の縁が、伊藤さんを加圧トレーニングの道へと導くことになりました。
後日スポーツクラブへ行ったら「伊藤さんですよね?社長が呼んでます」と社長に呼ばれ、社長から「トレーナーとして働きませんか?」と誘って頂き、僕の経歴を考慮して副支配人の待遇で入れてくれました。その時、社長が加圧トレーニングに興味を持っていて、「僕知ってます」ってプレゼンじゃないですけど説明をしたら、社長から「免許取って来て」と言われて免許を取得することになりました。
そして、加圧トレーニングを水戸ではじめたんですが、最初は批判だらけでした。
「血をとめる!?」「いや、止まらないです、制限してるだけです」なんてやり取りからはじまり、外した時には「ダムみたいにドーンと流れだす」と説明すると「心臓が悪いから止まっちゃうよ」「いや、止まらないですよ」みたいな感じでなかなかすんなりとは話を聞いてくれなかったです。おじいさんおばあさんばっかりでしたし。
でも勇気ある人が少しずつ来て、“肩こりが治った”とか“むくみが取れた”とか女性は“美肌になった”とか次第にサウナやお風呂で噂になっていって。どんどん忙しくなって朝から晩まで休む暇のない生活が続きました。
やがて世間でも加圧トレーニングの認知度が高まり始めました。そんななか、人のご縁があって「あなたは陸上の実績もあるし、茨城でやる人じゃない。東京で勝負した方が良い」と説得され「出資してあげる。後で返してくれればいいから」となって自由が丘に出店することになりました。
お陰様で1年も経たないうちにすぐに予約がいっぱいになって、これ以上はさばけないとなった頃、それまで共に働いていたスタッフが自由が丘へ来てくれるといった流れにもなりました。ちなみに4年ほど前にお店を買い取って今は自分がオーナーの立場で運営させていただいてます。
伊藤さんは現在、東京・自由が丘で「加圧トレーニングジム DEUX」を経営。
アスリートやスポーツ愛好家をはじめ、幅広い目的で様々なお客様が当店を訪れています。
アスリートやスポーツ愛好家をはじめ、幅広い目的で様々なお客様が当店を訪れています。
加圧トレーニングジム DEUX(東京・自由が丘)
東京都目黒区、自由が丘駅(東急東横線・大井町線)から徒歩4分。 加圧トレーニング ジム DEUX のウェブサイト。トレーナーとのマンツーマンによりお客様にあった効果的な加圧トレーニングを指導いたします。酸素カプセル(ファイテンO2)も完備。
そして現在、フィジークチャンピオンを目指すストイックな日々!
※フィジーク…形が良くバランスの良い筋肉に加え、ステージ上での立ち振る舞い、肌の色艶、髪型に顔などトータルで評価される競技
via kaatsu-deux.com
-47歳にしてフィジーク大会に出場する動機をお聞かせください。
トレーナーなんで、デブのトレーナーには教わりたくないじゃないですか!?
まず自分の体をきっちりしていないと指導できないな、と前のスポーツクラブにいた時からそこは気を付けてます。
「痩せたいです」って来た人に、太ったトレーナーが「痩せれますよ!」といくら言ったところで説得力に欠けますからね(笑)見た目で9割ぐらい連想できるという話もありますよね。
その時に自分の体を鍛えていきながら、刺激が足りないといいますか・・・勝負した人間は現場に出たくなるところがあるんですよね。
今からできるものは何か無いのかなと考えていた時に、スタッフから「ベストボディ」という大会があることを教えてもらいまして。
「細マッチョで結構カッコイイんですよ」なんて言うもんですから、興味湧きますよね!?そして僕も大会を見に行ったんですよね。見てるうちに僕もできるんじゃないかなと思えてきて。「俺が上脱いでステージに上がったら俺の方がいい体だろ!?」って(笑)
火が付いたらトコトンの伊藤さん、徹底的に鍛え始めた肉体はナント体脂肪3%。
初めて参加した「ベストボディ」静岡大会を皮切りに、気が付けば全国大会にまで出場。
遂には世界大会まであって競技人口の多い「フィジーク」に挑戦することとなりました。
初めて参加した「ベストボディ」静岡大会を皮切りに、気が付けば全国大会にまで出場。
遂には世界大会まであって競技人口の多い「フィジーク」に挑戦することとなりました。
最初に聞いた時は「フィジークはいいよ…」って断るつもりだったんですけどね。フィジークは世界大会まであるんですよ!?ちょっとしんどいな、と。従業員もいる背負ってるものがたくさんある中、そこまでやれるか!?・・・と。
ただ、失うものも無いかな、とも思いはじめまして。やることにしました。
僕が今度出場するのは関東大会で、カテゴリー176cm以上という一番大きいクラスに出るんですね。その中で年齢は上から3番目です。一番上が54歳、次が50歳、で僕が47歳、その後は45歳ぐらいがずらずら~っといる感じですね。
なので、やれないことも無いですよ。
意外と雑誌見てて、僕の体見るとあんまり変わらないかな、と自信が出てくるんですよね。
-たまに暴飲暴食したいな~なんて思うことはありませんか?(笑)
いや、それがないんですよ。まぁ現役時代はちょっとありましたけどね。
僕はチーズケーキが大好きなんですよね。100円とかで売ってるスフレの。日曜日はあれを1ホール買ってきて、朝から半分に切ってコーヒーと一緒に半分丸々食べちゃう。日の丸つけてる現役の頃にもかかわらず(笑)
それで昼ご飯を食べて、ずっと頭の中に“半分残ってる”てのがあるんで、残りの半分も食べちゃうんですよね。1日1ホールです。でも頑張ってるからいいかなぁなんて(笑)
ここに来てから(今の仕事をするようになってから)は全然ないんですけどね。
目の前でアイス食べてるとかラーメン食ってるとかなってても、一瞬だけ食べたいなと思ってもその後は全く思わなくなります。目指すべきところがあるとそれ以外考えられないと言いますか。コーラ好きですけど、炭酸水を飲むようにしてますし。
根底に流れるのは「雑草魂」
お話を伺っていて、とても明るく気さくに丁寧に話して下さる伊藤さん。
しかし、にこやかに語っていただくお話の一つ一つにはトコトンまでやり抜く努力と、今なおストイックに自身を鍛え抜く姿勢が表れています。
アスリート現役時代、加圧トレーニング実業家としての現在、47歳にしてフィジークに挑む顔。
そのいずれにも、伊藤さんの前向きで粘り強い姿勢が表れているのだと感じます。
しかし、にこやかに語っていただくお話の一つ一つにはトコトンまでやり抜く努力と、今なおストイックに自身を鍛え抜く姿勢が表れています。
アスリート現役時代、加圧トレーニング実業家としての現在、47歳にしてフィジークに挑む顔。
そのいずれにも、伊藤さんの前向きで粘り強い姿勢が表れているのだと感じます。
未だに現役選手と同じぐらいやれるっていう自負があるんですよね。
やっぱり日本代表になったし、日本1位にも何回もなったし・・・1番になった事がある人って1番上しか見れないようになっちゃうんじゃないかと思います。
割り切れる人もいるでしょうけど、そうでない人は違う世界でも1番になろうとするんじゃないですかね。
特に個人種目だった人は下は見れないというか一番上しか見れないんじゃないんですかね。
極めるためには“やるしかない”ですからね。
陸上でも中学でチャンピオン、高校でチャンピオン、大学でチャンピオンみたいなエリート街道を歩んできた選手もいますけど、僕は雑草から入っていって、なんとかトップまで登っていけたんで、ツラい経験に耐性がありますよね。
仕事もそうですよ。
最初は厳しい時もあったんですよ。僕は予約がいっぱいでも他のトレーナーに予約が全く入らず、1人でポツンと座ってるだけみたいな時もありましたし。
そこから地道にポスティングしたり色々な人に宣伝したりして来てもらって、そこからクチコミでも拡がって、努力してここまでにきてますからね。よく言われるんですけど、全国の加圧のジムの中で僕のところが一番うまくいっていると。そういう評判は頂けてるようです。
選手も育つ。結果も出る。通ってくれてる猫ちゃん(猫ひろしさん)がまさかオリンピックに出るとまでは思ってなかったですけど、そこまで行けましたし。もちろん猫ちゃんの努力が一番大きいんですけど。
信念をもってやることは何より大事だと思います。
via kaatsu-deux.com
その時「伊藤じゃないか!お前今何やってるんだ?」と声をかけられて「お前みたいなヤツがこういうスポーツクラブで教えないと後輩達が育たないだろ。俺が社長に言ってやるから」と言って、スポーツクラブの社長に言いに行ってしまったんですよね。