ルパン三世 PARTIII(第3シリーズ)1984年-1985年
ルパン三世 PARTIII(第3シリーズ)は原作からの抜粋を中心にハード&アダルト路線に挑戦した意欲作(アダルトな雰囲気を十全に楽しめる作品が多い)
ちょい見せ 「ルパン三世 PARTⅢ」 - YouTube
名作『ルパン三世 2nd シリーズ』の完結から約4年、1984年にスタートしたのが『ルパン三世 PART Ⅲ』。『ルパン三世 1st シリーズ』ではまだ早かったアダルトな路線に10年以上の時を経て再びチャレンジした意欲作で、特にあえて総作画監督を置かず、各回担当者が自由に映像を紡ぎ出せるようにしたことは今でもファンの間で話題に。
総作画監督を置かず、各回担当者に自由に任せたことで、各回ごとに担当者の個性が出ていて面白い。作画が崩れているとマイナス評価の原因にもなっているが・・・
原作に近い絵柄の回や、作画スタッフの多くが参加していたロボットアニメ『六神合体ゴッドマーズ』を思わせる絵柄の回、ルパンの顔が異常に長い回など、各回ごとに担当者の個性が出ていて面白い。
読売テレビ版ルパン三世(=PART Ⅲ)は、日本テレビ版ルパン三世(=第2シリーズ)と同じ路線のルパン三世にすることはできないという大人の事情と意地があった
ルパン三世 PARTIII 第30話「カクテルの名は復讐」に使用された原作:SEXYルパン・3「ロールス セーラー」(漫画アクション 1984年7月11日号)
当初、旧ルパン三世を製作した読売テレビは日本テレビ版の新ルパン三世人気に激しい対抗意識を持っており、日本テレビ版ルパン三世とは意図的に異なるルパン三世を意識して製作された。
東京ムービー新社にも日本テレビ版ルパン三世と同じように製作しないで欲しいとオーダーを出している。
・・・このように、ルパン三世 PARTIIIが前作とぜんぜん違うのは、大人の事情もある。
当時東京ムービー新社から「ルパンのジャケットは緑に戻すのか?」と問われた際、読売テレビは「緑にする必要は無い。だが、赤だけは絶対にやめてくれ」と強く答えたと言うエピソードが残っている。
劇場用アニメ第3作『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』1985年
劇場用アニメ第3作『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』1985年
本作品は、1985年7月13日に封切られ、バビロンの黄金をめぐるルパンとニューヨークマフィアのボス、マルチアーノとの争奪戦を描く。
本作の主題歌「MANHATTAN JOKE」は、当時アイドルだった河合奈保子が唄っており、河合は声優として特別出演している。「MANHATTAN JOKE」はオープニング、エンディングで使われ、オープニングは前置き的なストーリー展開もなく、いきなりタイトルバックから始まる。
TVシリーズ『ルパン三世 PartIII』(以下、『PartIII』)放送中の映画化である本作は、前作で監督を務めた宮崎駿の推薦で押井守が監督を務める予定だった。
しかし、当初の準備稿があまりに実験的であったため、その内容を危惧した制作側が押井を降板させ、TV版スタッフから吉田しげつぐが新監督に参加し、さらには映画監督の鈴木清順(TV第2シリーズ監修、『PartIII』第13話「悪のり変装曲」脚本)を共同監督に迎え、TVシリーズのスタッフを移行させて制作したという経緯がある。
押井版の内容については、押井守本人も断片的にしか発言していないために全容は不明だが、「ルパン三世の映画でありながら、ルパンを否定する」あるいは「世界中にもう盗むモノが無くなり、怪盗としてのアイデンティティを喪失したルパン」な作品にしようとしたといわれる。
『PartIII』放送中だったことから、ルパンもTVシリーズに合わせてピンク色のジャケットを着用。絵柄は『PartIII』後期のポップなデザインとなっている
。一方で、ルパン、不二子以外のメインキャラクター(次元、五ェ門、銭形)の造形および衣装カラーリングは『PartIII』のものは採用されず、青木悠三の手でTV第2シリーズに近いものにリファインされている。
また、ルパンも物語冒頭部分ではTV第1シリーズの青ジャケットを連想させるカラーリングのジャンパー姿で登場している。
なお、銭形は劇中でルパンに「ドジでマヌケでアンポンタン」、婦人警官軍団に「能なし」と言われる扱いである。
(出典:wikipedia/ルパン三世_バビロンの黄金伝説)
ルパン三世 バビロンの黄金伝説 予告 - YouTube
だが、その一部始終を苦々しく見つめている男達がいた。ニューヨークを牛耳るマフィアのボス、マルチアーノと若頭のコワルスキーだ。「ルパンを殺せ」マルチアーノはコワルスキーにそう命じる。
ある夜、ルパンのもとに現れたロゼッタ。彼女はルパンに、こんな話を始めた。紀元前5世紀、メソポタミア文明の古代都市「バビロン」では、滅びる前に神の手によって国内の財宝が全て集められ、今でもその財宝はどこかに隠されているというのだ。それこそが、ルパンがマルチアーノから聞き出そうとしている秘密だったのだ。マルチアーノは先代からバビロンの黄金を探し求めていたのである。ロゼッタはルパンに古びた燭台を残し、いずこへか去ってしまった。
その頃、銭形警部は「国際婦人警官ビューティーコンテスト」の参加者5人を部下に従え、ルパン逮捕の作戦を計画していた。オリエント急行内で待ちかまえる銭形警部と婦人警官5人組。だが、同じくマルチアーノもルパン暗殺を狙っていた。
不二子と合流したルパンはバベルの塔が発掘されたというイラクへ向かう。 塔の内部に潜入したルパンは、立体映像の美女に出会い黄金の獅子像を見つける。だが、財宝のあまりの少なさに、ルパンはおかしいと疑問に思った。
ルパンは、バビロンの真の黄金を探すべく再びマンハッタンへと戻った。ルパンの推理は的中し、マディソン・スクエア・ガーデンの地下空洞に大量の黄金が存在した。マルチアーノに捕らわれた不二子を救うため、ルパンはマルチアーノのアジトへと潜入する。
バビロンの黄金を巡り、争奪戦が始まる。
ロゼッタ(老婆)
声 - 塩沢とき(老婆)/河合奈保子(正体)
バビロンの黄金の謎を探る正体不明の謎の老婆。遠い昔に神に使わされて地球に降り立ち、バビロンの黄金を求めて地球をさまよっている。実際は水も滴る美女だが、他人を欺く為か老婆に化けていた。別れ際の台詞から、ルパンのことを本気で愛していた模様。
ロゼッタ(正体)
劇場用アニメ第4作『ルパン三世 風魔一族の陰謀』1987年
劇場用アニメ第4作『ルパン三世 風魔一族の陰謀』1987年
アニメーションの制作は『ルパン三世 カリオストロの城』、『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』を担当した東京ムービー新社の子会社テレコム・アニメーションフィルムが請け負った。テレビシリーズ放映中の劇場版やテレビスペシャルとは異なり、テレビ局は製作に名を連ねず、東宝と東京ムービー新社が製作している。
本作品はもともとOVAとして企画制作が進められていたが、ビデオ販売に先駆けて劇場公開されることになった。1987年12月18日に東宝系で封切られたが、東京ではテアトル池袋、大阪では玉造東宝で、上映館数はごくわずかに留まった。
テレコム・アニメーションフィルム公式サイトではOVA作品として紹介されているが、実際にビデオリリースがなされたのは劇場公開の後、1988年4月である。本作がOVA作品なのか劇場用映画作品なのか、扱いが分かれることもある。
(出典:wikipedia/ルパン三世_風魔一族の陰謀)
ルパン三世 風魔一族の陰謀 予告編 - YouTube
ルパン達の活躍で何とか壺を取り返したのもつかの間、花嫁の紫がさらわれてしまう。
その壺には墨縄一族の先祖が残した財宝のありかが記されていた。 そして、それらを狙う風魔一族は、四百年もの間その財宝を狙っていた。それを知ったルパンたちは、墨縄家の隠し金庫から壺を盗み出して紫との交換へ向かう。
一方、風魔はルパンが死亡したと思いこんで警察官を引退し、山寺の住職となった銭形警部を呼び寄せた。ルパンと風魔、双方ともあわよくば壺と紫を両方手に入れようと思っていたが、交換場所である機関車整備庫に銭形警部がやってきたため、壺は風魔、紫はルパンへと入れ替わるだけになった。その後、五ェ門がルパンに財宝から手を引けと迫るが、ルパンはすでに壺の秘密を解読しており、五ェ門・紫とは別行動をとることになる。
不二子は単独で風魔を調査し、財宝の秘密に探ろうとするが逆に捕まってしまい、不二子につけた発信器を逆手に取られたルパンは銭形率いる警官隊と派手なカーチェイスを演じるハメになる。
不二子は自力で風魔のアジトを脱出し、壺の底に隠されていた黄金の鍵を手に入れていた。その鍵こそ、財宝が隠された洞窟の落盤を防ぐ安全装置だったが、それはすでに風魔に財宝を奪われまいとする墨縄老人の手によって破壊されていた。
財宝が眠る洞窟へ乗り込んでいく風魔、五ェ門と紫、そしてルパンたち。そこに仕掛けられた様々な罠や迷路、幻覚ガスなどを突破し、ついにたどり着いた地下空洞には、すべてが黄金でできている巨大な財宝の城が建っていた。
刻々と地下空洞の落盤が迫る中、黄金城の財宝を巡ってルパンと風魔の最終決戦が開始された。
過去の2シリーズの番組名が『ルパン三世』と同一だったのに対し、本作は第3作目であることが『PARTIII』という番組名で区別できる唯一のシリーズ。
本シリーズは、過去の『TV第1シリーズ』、『TV第2シリーズ』によって作品世界が確立、劇場映画第1作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の興行的な成功また劇場映画第2作『ルパン三世 カリオストロの城』の高い評価(公開当時の興行成績は思わしくなかった)により“国民的アニメ”となったルパン三世だったが、今作ではそのイメージに敢えて従わず、原作からの抜粋を中心にハード&アダルト路線を軸とした作品が目立つようになっており、全く違った一面を出したシリーズとなっている。
タイトルの「PARTIII」表記及びレギュラー陣同キャストの起用で同じ世界観つながりは明確であるが、それ以外はあくまで独立した作品となっている。
(出典:wikipedia/ルパン三世_PARTIII)