トラキチ
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勝ちまくる阪神にファンは熱狂し、グッズは飛ぶように売れ、結果的に甲子園には年間で、前年を65万人近く上回る250万6000人が来場した。
たとえ歴史の長さは巨人に負けてもファンの数なら阪神タイガースが球界No.1。
一般的なファンに加え、熱狂的なトラキチ(タイガース気違い、侮蔑的な意味ではなくホメ言葉)を含め、阪神タイガースのファンは、陽気で、強い一体感がある。
他球団のファンではあり得ないほど、阪神ファンにとって阪神は生活の一部だった。
球場にいけば観戦はなく参戦。
家のテレビで試合を観ていても血圧は上昇し、観戦後は心拍数低下と心理的ストレスの軽減が図られる。
彼らはたとえ病気やケガで入院しても、甲子園でジェット風船を飛ばすことや道頓堀でダイブすることを目標に、高い意欲でリハビリに取組むという。
球場での応援スタイルは熱狂的で、特に阪神巨人戦では甲子園が揺れる。
試合前やホームランが出たとき、勝利が決まったときは「六甲おろし」を合唱。
レギュラークラスの選手は1人1曲、オリジナルのヒッティングマーチがあり、彼らが打席に立つとき、ファンはそれを歌いメガホンを叩く。
投手には「ヒッティングマーチ1番」、新人などヒッティングマーチがない選手にも「ヒッティングマーチ2番」がある。
「ラッキー7」の7回、阪神タイガースの攻撃前には一斉にジェット風船を打ち上げる。
甲子園球場に一斉に上げられたジェット風船の音は95dB(デシベル)を超えることもある。
電車が通ったときのガード下や地下鉄の構内が100db。
カラオケ店の中、怒鳴り声が90db。
そしてスイス政府は、停止している状態で95dBを超える音を発するバイクは禁止にしようとしている。
阪神がリードして守りについた9回や延長回。
2アウトになるといよいよ勝負が決まりそうになると、
「あと1人」
を連呼。
2アウト2ストライクになると
「あと1球」
が連呼される。
熱狂的な応援が高じて、対戦チーム、選手、ファン、審判に対し、誹謗中傷、威嚇、暴力、グラウンドにモノを投げ込みプレーの妨害を行うファンもいる。
危険なデッドボールや誤審、阪神が相手チームや審判とモメるとグラウンドに乱入するファンや、逆に阪神タイガースの不甲斐ないプレーに激怒しグラウンドになだれ込むファンもいた。
相手チームを応援するファンとのイザコザやケンカを起こし、流血するオッサンが多いのも阪神タイガース。
熱いのは素晴らしいことだが、球団や球場は、フーリガン化するファンの問題行為に対し、缶や瓶の持ち込み禁止、ジェット風船の打ち上げを認めていない球場での禁止、立ち見応援の規制など安全で楽しく観戦、応援できるようなマナーを呼びかけている。
たとえ歴史の長さは巨人に負けてもファンの数なら阪神タイガースが球界No.1。
一般的なファンに加え、熱狂的なトラキチ(タイガース気違い、侮蔑的な意味ではなくホメ言葉)を含め、阪神タイガースのファンは、陽気で、強い一体感がある。
他球団のファンではあり得ないほど、阪神ファンにとって阪神は生活の一部だった。
球場にいけば観戦はなく参戦。
家のテレビで試合を観ていても血圧は上昇し、観戦後は心拍数低下と心理的ストレスの軽減が図られる。
彼らはたとえ病気やケガで入院しても、甲子園でジェット風船を飛ばすことや道頓堀でダイブすることを目標に、高い意欲でリハビリに取組むという。
球場での応援スタイルは熱狂的で、特に阪神巨人戦では甲子園が揺れる。
試合前やホームランが出たとき、勝利が決まったときは「六甲おろし」を合唱。
レギュラークラスの選手は1人1曲、オリジナルのヒッティングマーチがあり、彼らが打席に立つとき、ファンはそれを歌いメガホンを叩く。
投手には「ヒッティングマーチ1番」、新人などヒッティングマーチがない選手にも「ヒッティングマーチ2番」がある。
「ラッキー7」の7回、阪神タイガースの攻撃前には一斉にジェット風船を打ち上げる。
甲子園球場に一斉に上げられたジェット風船の音は95dB(デシベル)を超えることもある。
電車が通ったときのガード下や地下鉄の構内が100db。
カラオケ店の中、怒鳴り声が90db。
そしてスイス政府は、停止している状態で95dBを超える音を発するバイクは禁止にしようとしている。
阪神がリードして守りについた9回や延長回。
2アウトになるといよいよ勝負が決まりそうになると、
「あと1人」
を連呼。
2アウト2ストライクになると
「あと1球」
が連呼される。
熱狂的な応援が高じて、対戦チーム、選手、ファン、審判に対し、誹謗中傷、威嚇、暴力、グラウンドにモノを投げ込みプレーの妨害を行うファンもいる。
危険なデッドボールや誤審、阪神が相手チームや審判とモメるとグラウンドに乱入するファンや、逆に阪神タイガースの不甲斐ないプレーに激怒しグラウンドになだれ込むファンもいた。
相手チームを応援するファンとのイザコザやケンカを起こし、流血するオッサンが多いのも阪神タイガース。
熱いのは素晴らしいことだが、球団や球場は、フーリガン化するファンの問題行為に対し、缶や瓶の持ち込み禁止、ジェット風船の打ち上げを認めていない球場での禁止、立ち見応援の規制など安全で楽しく観戦、応援できるようなマナーを呼びかけている。
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8月12日 、日本航空123便墜落事故が発生し520人の乗客、乗務員が犠牲になり、4日後、球団社長、中埜肇の遺体が確認された。
事故機の直前のフライト(日本航空366便)で搭乗していたタイガースナインはショックを受けた。
「球宴後の8月12日に日航機墜落で中埜球団社長が亡くなった。
翌日から巨人に3つ、広島に連敗で5連敗。
後で知るんですが選手会長の岡田が決起集会を開くんです。
監督としてうれしかったし、横浜に1つ負けて6連敗してから勝ち続けました」
(吉田義男)
8月24日、 ランディ・バースが通算100本塁打(史上142人目)
8月終了時点で1位阪神と2位の巨人は0.5ゲーム差、3位の広島は1ゲーム差という大混戦。
9月4日 、左の抑え投手、山本和行が中日戦、試合前にアキレス腱を断裂で戦線離脱。
9月7日、8日の敵地での広島戦で連勝
9月10日、大洋戦で1試合10個の2塁打(セ・リーグ新記録)
9月11日、優勝マジック22が点灯
9月17日、岡田彰布が本塁打を放ち、ランディ・バース、掛布雅之、真弓明信に続き、30本達成。
最終的には、真弓34本、バース54本、掛布40本、岡田35本となる。
9月、阪神タイガースは13勝5敗1分と勝ち越し。
広島は6勝11敗1分、巨人も6勝13敗と失速。
投手陣
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10月12日、 ランディ・バースが広島戦で48号を放ち、日本プロ野球の外国人シーズン本塁打記録(近鉄のチャーリー・マニエル)、球団シーズン本塁打記録(掛布雅之)、またセ・リーグのシーズン勝利打点(試合で最後に勝ち越した打点、巨人の原辰徳の20)を更新。
10月15日、 広島戦の8回裏、6対3、3点リードでの場面で登板した福間納が、そのまま広島打線を封じ込め今季初セーブを飾った。
阪神タイガースは、124試合目にして初めて中西、山本和行以外の中継ぎ投手にセーブをつけた。
「今年は1つも付かなくていいと思っていたんだ。
そういう数字に出ない働きをする者が必要、それがオレなんだとね。
そんなことより、西を1試合でも休ませてやることが出来たのが嬉しいんだ。
アイツは同点でも負けていてもどんな場面でもイヤな顔ひとつせずに「オレが投げますわ」といってマウンドに上がっていった。
なんとしても中西を胴上げ投手にさせてやりたい。
そう思っているのはオレだけじゃない。
工藤も池田も佐藤やノムさん(野村)だって・・・」
福間納は9回に回ってきた打席でホームランを狙った。
しかも30万円の懸賞金がかかったポール直撃の一発を!
「それだけありゃ、中西を誘ってみんなでパーッと飲みに行けるだろ」
福間のバットは快音を発し、打球は右翼ポールめがけて一直線。
だがわずか20cm右に切れファウル。パ
ーッと豪快にはいかなかったが、福間と中西たちはその夜、広島の街で祝杯をあげた。
10月15日、 広島戦の8回裏、6対3、3点リードでの場面で登板した福間納が、そのまま広島打線を封じ込め今季初セーブを飾った。
阪神タイガースは、124試合目にして初めて中西、山本和行以外の中継ぎ投手にセーブをつけた。
「今年は1つも付かなくていいと思っていたんだ。
そういう数字に出ない働きをする者が必要、それがオレなんだとね。
そんなことより、西を1試合でも休ませてやることが出来たのが嬉しいんだ。
アイツは同点でも負けていてもどんな場面でもイヤな顔ひとつせずに「オレが投げますわ」といってマウンドに上がっていった。
なんとしても中西を胴上げ投手にさせてやりたい。
そう思っているのはオレだけじゃない。
工藤も池田も佐藤やノムさん(野村)だって・・・」
福間納は9回に回ってきた打席でホームランを狙った。
しかも30万円の懸賞金がかかったポール直撃の一発を!
「それだけありゃ、中西を誘ってみんなでパーッと飲みに行けるだろ」
福間のバットは快音を発し、打球は右翼ポールめがけて一直線。
だがわずか20cm右に切れファウル。パ
ーッと豪快にはいかなかったが、福間と中西たちはその夜、広島の街で祝杯をあげた。
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「弱投」
「打線は一流、投手陣は三流」
「エース不在」
といわれた阪神タイガース投手陣もチーム防御率4.16は2位、広島の4.1と比べても立派な数字だった。
打撃陣に比べ投手陣は日陰の存在だったが、彼らが我慢して失点を抑えているうちに打線が爆発し、負け試合をひっくり返したことも多かった。
先発
リッチ・ゲイル
池田親興
中田良弘
伊藤宏光
仲田幸司
中継ぎ、抑え
中西清起
福間納
工藤一彦
山本和行
佐藤秀明
先発は、シーズンを通じてローテーションを守ったのはゲイル1人。
先発が5回くらいまで投げた後は継投、継投の勝負だった。
中継ぎの要となったのは工藤一彦、福間納。
そしてWストッパー(クローザー)として山本和行は、中西清起が最後を抑えた。
しかし山本の負傷によって中西清起は63試合、福間納も58試合に登板、フル回転した。
「打線は一流、投手陣は三流」
「エース不在」
といわれた阪神タイガース投手陣もチーム防御率4.16は2位、広島の4.1と比べても立派な数字だった。
打撃陣に比べ投手陣は日陰の存在だったが、彼らが我慢して失点を抑えているうちに打線が爆発し、負け試合をひっくり返したことも多かった。
先発
リッチ・ゲイル
池田親興
中田良弘
伊藤宏光
仲田幸司
中継ぎ、抑え
中西清起
福間納
工藤一彦
山本和行
佐藤秀明
先発は、シーズンを通じてローテーションを守ったのはゲイル1人。
先発が5回くらいまで投げた後は継投、継投の勝負だった。
中継ぎの要となったのは工藤一彦、福間納。
そしてWストッパー(クローザー)として山本和行は、中西清起が最後を抑えた。
しかし山本の負傷によって中西清起は63試合、福間納も58試合に登板、フル回転した。
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10月14日、 広島戦でランディ・バースが50号、51号を放って4試合連続勝利打点(日本プロ野球新記録 )
チームもシーズン137犠打(セ・リーグ新記録)で7対3で快勝し、優勝マジックを「1」とした.
シーズン早々からマスコミが
「21年ぶりの優勝」
というフレーズを使い、ファンが騒ぎ、記者に
「優勝のプレッシャーがないですか?」
と聞かれても吉田義男監督は
「ほとんどの選手は経験したことないからわからんのと違いますか」
優勝マジックが1となったときでさえ
「これで王手ですね」
「いよいよリーチですよ」
といわれても
「王手とリーチはどう違いますんかな?」
とトボケ続けた。
「周りは優勝、優勝と騒ぎ出したが、わたしは絶対口にしなかった。
選手、監督として経験もあったし、勝負はゲタを履くまでわからんとたたき込まれてましたからね。
だから今の選手がヒット打ったぐらいではしゃぐのはもってのほかですわ。
相手投手にも失礼だと思うんです。
勝負は厳しいですからね。
時代といえばそれまでだが、喜ぶのはナベのフタを開けた後でええんです。」
(吉田義男)
チームもシーズン137犠打(セ・リーグ新記録)で7対3で快勝し、優勝マジックを「1」とした.
シーズン早々からマスコミが
「21年ぶりの優勝」
というフレーズを使い、ファンが騒ぎ、記者に
「優勝のプレッシャーがないですか?」
と聞かれても吉田義男監督は
「ほとんどの選手は経験したことないからわからんのと違いますか」
優勝マジックが1となったときでさえ
「これで王手ですね」
「いよいよリーチですよ」
といわれても
「王手とリーチはどう違いますんかな?」
とトボケ続けた。
「周りは優勝、優勝と騒ぎ出したが、わたしは絶対口にしなかった。
選手、監督として経験もあったし、勝負はゲタを履くまでわからんとたたき込まれてましたからね。
だから今の選手がヒット打ったぐらいではしゃぐのはもってのほかですわ。
相手投手にも失礼だと思うんです。
勝負は厳しいですからね。
時代といえばそれまでだが、喜ぶのはナベのフタを開けた後でええんです。」
(吉田義男)
21年ぶりのリーグ優勝
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10月16日午後、神宮球場周辺に大阪ナンバーの車や黄色いハッピ、頭に鉢巻きを巻いた男たちが集まり始めた。
試合前、超満員のスタンドには、すでに「阪神21年ぶり優勝!おめでとう!」の横断幕と多数のガードマンや警察官が配置された。
大歓声とトランペットマーチを浴び、阪神タイガースベンチには優勝のプレッシャーが重くのしかかっていた。
「おうおぅ、ぎょうさんトンボが飛んどるぞ。
秋やのう。
けどまだ黄色や。
もうすぐコイツらも赤くなるんやなぁ」
「カワさん、トンボは紅葉とちゃいまっせ」
「えっ、ホンマか?
コイツら赤とんぼにならんのか?」
川藤幸三のボケに大爆笑しチームは一気にリラックスした。
18時、試合開始。
2回裏、ヤクルトが1点先制。
4回表、先頭打者の、1番、真弓が33号同点ホームラン。
6回表、1アウト3塁でバースがバックスクリーン右へ52号2ランを叩き込み、3対1。
6回裏、ヤクルトが四球、ヒット、ヒットで2点を返し、3対3。
阪神タイガースはピッチャーを交代させたが、その後も打たれ、3対5。
「今日の優勝はお預けやな」
誰もが思った。
9回表、先頭の掛布が1ストライク3ボールからレフトポール直撃の39号。
続く岡田もフェンス直撃の2塁打。
バントで送って1アウト3塁。
そしてセンターフライからタッチアップした岡田が同点のホームを踏んだ。
阪神ベンチの末永正昭マネジャーは記者席へ飛び込んで聞いた。
「あのう、引き分けの場合、ウチは優勝するんでしょうか?」
一瞬の沈黙の後、
「何いうてんのや。
優勝や。
優勝に決まっとるがな!」
「ハイッありがとうございます!」
そして末永正昭マネージャーは、
「優勝やでぇー」
と叫びながらベンチに飛び込んだ。
「引き分けで優勝なんてそんなアホな話あるかい!とずっと思とった。
みんながホンマやというから、そういうもんかいなと」
(川藤幸三)
「ボクも最後まで知らなかった。
延長10回裏の最後の守りでマウンドに野手が集まったとき「どうなの?」と聞いたような。
ふとベンチをみたらカワさんがバンサイしている。
それで優勝するんだとわかったんですよ」
(掛布雅之)
「ほんま、オレも知らんかったわ。
同点のホームを踏んでベンチに帰ったらマネジャーが飛び込んで来て『優勝やでぇ!』と叫んだからわかったんよ。
ええんちゃう。あの年のオレらは勝つことしか考えてへんかったから」
(岡田彰布)
試合前、超満員のスタンドには、すでに「阪神21年ぶり優勝!おめでとう!」の横断幕と多数のガードマンや警察官が配置された。
大歓声とトランペットマーチを浴び、阪神タイガースベンチには優勝のプレッシャーが重くのしかかっていた。
「おうおぅ、ぎょうさんトンボが飛んどるぞ。
秋やのう。
けどまだ黄色や。
もうすぐコイツらも赤くなるんやなぁ」
「カワさん、トンボは紅葉とちゃいまっせ」
「えっ、ホンマか?
コイツら赤とんぼにならんのか?」
川藤幸三のボケに大爆笑しチームは一気にリラックスした。
18時、試合開始。
2回裏、ヤクルトが1点先制。
4回表、先頭打者の、1番、真弓が33号同点ホームラン。
6回表、1アウト3塁でバースがバックスクリーン右へ52号2ランを叩き込み、3対1。
6回裏、ヤクルトが四球、ヒット、ヒットで2点を返し、3対3。
阪神タイガースはピッチャーを交代させたが、その後も打たれ、3対5。
「今日の優勝はお預けやな」
誰もが思った。
9回表、先頭の掛布が1ストライク3ボールからレフトポール直撃の39号。
続く岡田もフェンス直撃の2塁打。
バントで送って1アウト3塁。
そしてセンターフライからタッチアップした岡田が同点のホームを踏んだ。
阪神ベンチの末永正昭マネジャーは記者席へ飛び込んで聞いた。
「あのう、引き分けの場合、ウチは優勝するんでしょうか?」
一瞬の沈黙の後、
「何いうてんのや。
優勝や。
優勝に決まっとるがな!」
「ハイッありがとうございます!」
そして末永正昭マネージャーは、
「優勝やでぇー」
と叫びながらベンチに飛び込んだ。
「引き分けで優勝なんてそんなアホな話あるかい!とずっと思とった。
みんながホンマやというから、そういうもんかいなと」
(川藤幸三)
「ボクも最後まで知らなかった。
延長10回裏の最後の守りでマウンドに野手が集まったとき「どうなの?」と聞いたような。
ふとベンチをみたらカワさんがバンサイしている。
それで優勝するんだとわかったんですよ」
(掛布雅之)
「ほんま、オレも知らんかったわ。
同点のホームを踏んでベンチに帰ったらマネジャーが飛び込んで来て『優勝やでぇ!』と叫んだからわかったんよ。
ええんちゃう。あの年のオレらは勝つことしか考えてへんかったから」
(岡田彰布)
1985年 阪神タイガース逆転集
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岡田彰布のいうように、阪神タイガースの凄さはそこだった。
どんなチームでも早い回に大量失点でもすればゲームを捨てる。
しかし阪神タイガースは点を取られても取り返す逆転劇を何度も繰り広げた。
年間130試合で70勝すれば優勝できるとすれば60敗してもいい計算になる。
絶対負ける試合は粘らず疲労を蓄積させない方が、次の試合や年間の勝敗を考えればプラスかもしれない。
逆にすべての試合に勝とうとすれば疲労も大きくなり、1敗が1敗でなくなってしまうこともある。
だが1985年の阪神タイガースは、すべての試合で勝とうとし勝ちにいった。
「初回の5失点ぐらいは平気だったね。
必ず2、3回までに2、3点返していたし、まあ5、6回までの6点差だったら大丈夫。
さすがに10点差は僕らも諦めたけど」
(掛布雅之)
実際、何度も奇跡を起こした。
例えば5月22日、甲子園球場での広島戦で1回につかまり、衣笠の6号3ランを含め5失点。
3回にも2点を追加されて0対7。
普通なら捨て試合にするところだが虎は勝負を捨てなかった。
問答無用の猛打爆発。
引き分けなんて狙わない。
ましてや試合を捨てるなんてとんでもない。
常に勝つことを求めた。
「そらそうでんがな。
ウチは勝ち星を計算出来るチームやおまへん。
挑戦者なんです。
それを忘れたらあきまへん」
(吉田義男)
勝っても負けても一生懸命。
それがみるものを興奮させた。
延長10回裏、最後の打者が倒れると、挑戦者たちはみんな雄叫びをあげてベンチを飛び出した。
神宮球場は、あまりの歓喜によって三塁側から地鳴りのような揺れが起こった。
その瞬間を伝えるために「夜のヒットスタジオ」が放送開始を遅らせたテレビの最高視聴率は約75%。
神戸や大阪の街は、「六甲おろし)」が響きわたり歓喜するファンの熱狂で包まれた。
ブラックマヨネーズの吉田敬は、野球ファンでも阪神ファンでもないが、この夜はハッピを着て、ハチマキを巻いて、メガホンを持って大阪で女性をナンパ。
それを目撃した先輩に
「ハッピを着てナンパしたんじゃないんです。
ナンパしてハッピ着たんです。
俺は阪神の力は借りてないんです」
と言い訳した。
どんなチームでも早い回に大量失点でもすればゲームを捨てる。
しかし阪神タイガースは点を取られても取り返す逆転劇を何度も繰り広げた。
年間130試合で70勝すれば優勝できるとすれば60敗してもいい計算になる。
絶対負ける試合は粘らず疲労を蓄積させない方が、次の試合や年間の勝敗を考えればプラスかもしれない。
逆にすべての試合に勝とうとすれば疲労も大きくなり、1敗が1敗でなくなってしまうこともある。
だが1985年の阪神タイガースは、すべての試合で勝とうとし勝ちにいった。
「初回の5失点ぐらいは平気だったね。
必ず2、3回までに2、3点返していたし、まあ5、6回までの6点差だったら大丈夫。
さすがに10点差は僕らも諦めたけど」
(掛布雅之)
実際、何度も奇跡を起こした。
例えば5月22日、甲子園球場での広島戦で1回につかまり、衣笠の6号3ランを含め5失点。
3回にも2点を追加されて0対7。
普通なら捨て試合にするところだが虎は勝負を捨てなかった。
問答無用の猛打爆発。
引き分けなんて狙わない。
ましてや試合を捨てるなんてとんでもない。
常に勝つことを求めた。
「そらそうでんがな。
ウチは勝ち星を計算出来るチームやおまへん。
挑戦者なんです。
それを忘れたらあきまへん」
(吉田義男)
勝っても負けても一生懸命。
それがみるものを興奮させた。
延長10回裏、最後の打者が倒れると、挑戦者たちはみんな雄叫びをあげてベンチを飛び出した。
神宮球場は、あまりの歓喜によって三塁側から地鳴りのような揺れが起こった。
その瞬間を伝えるために「夜のヒットスタジオ」が放送開始を遅らせたテレビの最高視聴率は約75%。
神戸や大阪の街は、「六甲おろし)」が響きわたり歓喜するファンの熱狂で包まれた。
ブラックマヨネーズの吉田敬は、野球ファンでも阪神ファンでもないが、この夜はハッピを着て、ハチマキを巻いて、メガホンを持って大阪で女性をナンパ。
それを目撃した先輩に
「ハッピを着てナンパしたんじゃないんです。
ナンパしてハッピ着たんです。
俺は阪神の力は借りてないんです」
と言い訳した。
道頓堀ダイブ
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大阪ミナミでも、優勝に沸くファンが梅田の阪神百貨店前に集まり大騒ぎしていた。
「御堂筋パレードや!」
誰かが叫んだのをきっかけに車道である御堂筋を埋め尽くし、歩行者天国ばりにパレード。
そして心斎橋までたどり着くと、夜中にもかかわらず、多数のファンが戎橋(えびすばし)から道頓堀川に飛び込んだ。
「道頓堀ダイブ」だ。
最初に道頓堀ダイブを決行したのは巨人ファンで高校生だった桂福若(落語家)。
「21年も優勝しなかった阪神が優勝するわけない」
「優勝したら道頓堀に飛び込んでやる」
と見栄を切ったのがきっかけだった。
最初に飛び込んだ男、道頓堀のパイオニアは、道頓堀ダイブをきっかけに高校を退学し、今度は落語の世界に飛び込んでいった。
「僕が最初に道頓堀に飛び込んだのですが、実は巨人ファンなんです。
高2だった1985年秋、阪神は快調でしたが、阪神ファンの友達に「阪神が優勝するわけないやろ!」といってしまいました。
「ほんなら優勝したらどないするねん!」とケンカっぽくなってしまい「道頓堀に飛び込んだるわ!」と約束したらホンマに優勝してしまった。
もともとは罰ゲームだったんです。
そして11月2日、阪神が日本一になり道頓堀にいって橋の上に立ちました。
阪神ファンだらけで「お前、はよ飛び込めや!」とかいろいろいわれて焦りましたね。
飛び込まな生きて帰られへん雰囲気になってパンツ一丁になって飛び込みました。
ジェットコースターの急降下のような感じで命がけでしたよ。
水の中は真っ暗で目を開けたらアカンと思いました。
岸まで泳いで地上に上がるとみんなに胴上げしてもらいましたよ。
まさか巨人ファンを胴上げしていると思っていなかったでしょうね。
そして僕が飛び込んだ後に何人か飛び込みました。
ミナミはお祭り騒ぎでした。
ものすごかったです。
飛び込んだ後も、その場で知り合った阪神ファンと六甲おろしを歌いながら長居公園までいって、また池に飛び込みました。
快感でしたね。
そして翌日に「昨日の再現や」と学校の池に飛び込んだら退学になったんです。
公立校で退学ですよ。
それまでもだいぶ目立つことはしていたので最後のきっかけになったのかもしれないですね。
オヤジ(桂福團治、落語家)には「なんてカッコ悪いことしたんや」っていわれましたが、近所のおっちゃんには「ウチの町内から立派なヤツが出た」とか「ようやった!」ってホメられました。
「実は巨人ファンです」とはいわれへんかった」
🐯 npb Central 2023/9/17 08:03
21Cになり2003年・2005年・2023年リーグ優勝
npb YG ⚾ 🧤 2022/3/6 09:14
10年後の1995年阪神の大地震と東京のサリンを「oo名誉監督と第64代の呪い」と揶揄しておもしろがったら
お父さんから叱られた
🐯⚾ 50th 2021/6/2 07:52
もうあの初制覇から35年経過
当時道頓堀にダイブして溺れおまわりさんに検挙補導されたファンはどのくらいいたか?