パンクなデジタル・ビートを刻む、ピート・シェリー
2016年11月14日 更新

パンクなデジタル・ビートを刻む、ピート・シェリー

ピート・シェリーの音楽はエレ・ポップだと言われてはいるものの、あからさまに電子音を使っているわけではありません。もっとエキセントリックで凶暴です。それは、イギリスはマンチェスターが誇るパンク・バンドであるバズコックスを通過しているからでしょう。一味違うデジタル・ビートの世界をご紹介します。

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Buzzcocks

ピート・シェリー

ピート・シェリー

Pete Shelley
担当:ボーカル&ギター
ピート・シェリーと言っても日本では知らない人が多いのではないかと思います。多いというよりも、むしろ誰も知らないという状態に限りなく近いのではないでしょうか?
ピート・シェリーはバズコックスでボーカル&ギターを担当しています。と言ったところでバズコックスがこれまた知られていませんよね。

曲を聴けば「テレフォン・オペレーター」という曲が携帯電話のCMや番組のテーマソングとして使われていたたけにピート・シェリーの方が日本では認知されているのかもしれません。

日本においてピート・シェリーは「テレフォン・オペレーター」だけが多少なりとも知られているマニアックな、もしくはカルトな存在といってもいいかと思いますが、一部のファンだけのものにしておくには余りに惜しい存在です。

今でも現役で活動を続けているピート・シェリーの歴史を振り返ってみます。
バズコックス

バズコックス

出身地:イングランド
ジャンル:パンク・ロック
活動期間:1976年~1981年、1989年~ 現在
1976年にロンドンでセックス・ピストルズのライブを観て感銘を受けたピート・シェリーがハワード・ディヴォートと一緒につくったバンドがバズコックスです。

先ず2人は地元マンチェスターでセックス・ピストルズのライヴを企画し開催しています。当時の観客はわずか42人だったそうですが、その中にはニュー・オーダーを後に結成することになるバーナード・サムナーとピーター・フックやザ・スミス結成前のモリッシーがいたというから驚きです。

翌月に行われた2回目のセックス・ピストルズのマンチェスターでのライブには、前座をバズコックスが務めています。

これらのイベントは当時のマンチェスターの音楽シーンを活性化させたと言われています。
 (1782402)

1978年リリース

【収録曲】
1.Fast Cars
2.No Reply
3.You Tear Me Up
4.Get On Our Own
5.Love Battery
6.16
7.I Don't Mind
8.Fiction Romance
9.Autonomy
10.I Need
11.Moving Away From The Pulsebeat
1978年にファースト・アルバム「Another Music in a Different Kitchen」を発売。同年に発売されたシングル「What Do I Get 」は全英37位、「I Don't Mind 」は55位となっています。

Buzzcocks - What do I get

78年に発表した本作はパワフルなロックンロール・ビートとポップなメロディ、
無機質で淡々と歌うピートのボーカル、高速でエネルギッシュなドラムス、
後のアメリカ西海岸メロディック・ハードコアの元祖的サウンドでもある。
歌詞の内容はラヴ・ソング(屈折的な愛や絶望感と虚無主義的さが漂う)が多い。

本作では兎に角シンプルでストレートなパンク・ロック・ナンバーが続々登場する。

メンバーは、<Pete Shelley:Vo,G、Steve Diggle:G,Vo、Steve Garvey:Bs、Martin Rushent:Ds,Vo>
ギターサウンドは決してハード・パンクの様な攻撃的ではなくメロディアスで親しみ易く、
パンク・マニアでなくとも楽しめると思います。ブリット・ポップ・ファンにもお薦めです。

Homosapien

1981年、バズコックスは解散し、同年、ピート・シェリーはバズコックスのプロデュースもしていたマーティン・ラシェントとほぼ2人でアルバム「ホモサピエン」を作成しています。

収録曲は全てピート・シェリー作成しており、ベースにマガジンのバリー・アダムソンとドラムで元カーヴァド・エアーのジム・ラッセルが何曲かに参加しているようです。
ホモサピエン

ホモサピエン

1981年リリース

【収録曲】
1.ホモサピエン
2.さよならイエスタデイズ
3.未来フィーリング
4.キーツ・ソング
5.ケセ・ケ・セ
6.アイ・ドント・ノウ・ホワット・イット・イズ
7.ゲス・アイ・マスト・ハヴ・ビーン・イン・ウィズ・マイセルフ
8.プッシャー・マン
9.ジャスト・ワン・オブ・ゾース・アフェアズ
10.イッツ・ハード・イナフ・ノウイング
”Commodore PTE Computer(コモドール・PTE・コンピューター)”の前に座ってるアルバム・ジャケットは、”Trevor Rogers(トレヴァー・ロジャース)”が撮影したフォトと”Bruno Christian Tilley(ブルーノ・クリスチャン・ティリー)”のグラフィックスを使用し、”Paul Henry(ポール・ヘンリー)”が手掛けております。

Pete Shelley "Homosapien" (1981)

「ホモサピエン」と「アイ・ドント・ノウ・ホワット・イット・イズ」がシングル・カットされています。

Xl1

1983年発売のセカンド・アルバムです。ピート・シェリーの代表曲「テレフォン・オペレーター」を収録しているということだけでも価値のある1枚です。
それにしても「テレフォン・オペレーター」はいつ聴いてもカッコいいですね。
コンピューターワールド

コンピューターワールド

1983年リリース
一応エレ・ポップの体裁はとっていますが、あからさまな電子音の使用は抑えられ、むしろパンク出身のシェリーらしいソリッドなギターと、元マガジンのバリー・アダムソンが弾くベースの激しいビートが印象的です。

Pete Shelley Telephone Operator

愛しのオペレーター
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