ルーツは諸葛亮孔明?饅頭の起源について。
2017年11月19日 更新

ルーツは諸葛亮孔明?饅頭の起源について。

温泉が恋しい季節になってまいりました。温泉宿に行くと、お部屋に入ると、机の上にお茶とご当地お茶菓子がそっと用意されてあったりして、日本らしい「おもてなし」にホッコリしたりする、そんな季節が。温泉といえば温泉饅頭(まんじゅう)!と、饅頭が頭に浮かんだので、今回は饅頭のコネタを。

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温泉が恋しい季節になってまいりました。
温泉宿に行くと、お部屋に入ると、机の上にお茶とご当地お茶菓子がそっと用意されてあったりして、日本らしい「おもてなし」にホッコリしたりする、そんな季節が。

温泉といえば温泉饅頭(まんじゅう)!
と、饅頭が頭に浮かんだので、今回は饅頭のコネタを。
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饅頭と諸葛亮孔明

饅頭の由来をご存じですか?その起源は中国にあると言われています。歴史好きな方、横山光輝ファンの方、歴史小説や歴史を題材にしたゲーム好きな方にはお馴染みの「三国志」に関わりがあります。正しくは3世紀の中国三国時代の蜀の宰相・諸葛亮(諸葛孔明。181年 - 234年)にかかわる説話です。
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南征(南蛮征伐。225年)の帰途に、川の氾濫を沈めるための人身御供として生きた人間の首を切り落として川に沈めるという風習を改めさせようと思い、小麦粉で練った皮に羊や豚の肉を詰めて、それを人間の頭に見立てて川に投げ込んだという話です。三国志ではなく、宋代の類書『事物紀原』に書かれたエピソードですが、この説が饅頭のルーツとして知られています。

日本では、南北朝時代が起源か

そんな饅頭。日本では、南北朝時代・14世紀に宋から渡来した林浄因さんが、禅宗のお茶と一緒に食べるお菓子として考案した、肉を使わずに小豆を使った饅頭(奈良饅頭)に始まるとされています。

もうひとつの起源は羊羹で有名なとらや

もうひとつの起源もありまして、こちらは13世紀に南宋に渡り学を修めた円爾(聖一国師)さんによるもの。彼が福岡の博多でいつも親切にしてくれていた茶屋の主人に饅頭の作り方を伝授したと言われるものです。このときに茶屋の主人に書いて与えた「御饅頭所」という看板が、今では東京の(株)虎屋にあります。
奈良に伝わった饅頭はふくらし粉を使う「薬饅頭」で、博多の方は甘酒を使う「酒饅頭」です(虎屋さんのサイトでは米麹を使った酒饅頭の製法が虎屋に伝わった、とあります)。

ちなみに、この円爾(聖一国師)さん、博多の代名詞的な祭りのひとつで、ユネスコ文化遺産に登録されている「博多祇園山笠」の生みの親でもあります。

2017年博多祇園山笠『追い山 櫛田入り(ノーカット)~七流・上川端通を「お」席より』(2017.7.15)

この祭りは櫛田神社に祀られるスサノオノミコトに対して奉納される祭のひとつで、その起源は鎌倉時代の1241年(仁治2年)に博多で疫病が流行した際、承天寺の開祖であり当時の住職であるた円爾(聖一国師)さんが町民に担がれた木製の施餓鬼棚(せがきたな。お盆の季節に先祖以外の霊魂のために作るお供え品などを置く棚)に乗り、水を撒きながら町を清めてまわり疫病退散を祈祷したこと、と言われております。

というわけで、実は酒饅頭と博多祇園山笠を作った人が同じだよ、というコネタもぜひ♪
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