大ブレイクするまでの“甲斐バンド”のシングルがこれだ!!
2024年4月28日 更新

大ブレイクするまでの“甲斐バンド”のシングルがこれだ!!

甲斐バンドは1975年2ndシングル「裏切りの街角」がヒットした後、1978年に11thシングル「HERO(ヒーローになる時、それは今)」で大ブレイクしるまでの約3年間、不遇な時期を過ごしています。が、その間に出た9枚のシングルも素晴らしいものばかりなんですよ!

582 view

甲斐バンド

甲斐バンドは「バス通り」でデビューし、2枚目のシングル「裏切りの街角」がヒットした後、11枚目のシングル「HERO(ヒーローになる時、それは今)」でブレイクするまで3年ほどセールス的に低迷していました。

バス通り / 甲斐バンド

ヒット曲に恵まれなかったわけですが、その間のシングルは結構地味でもあるんですよね。
が、悪い曲ではない!ただ地味だし暗い。そして重い。いや、重苦しい。詩だけ見ると最悪の人生を謳ってるものばかり。が、悪い曲ではない!

なにゆえ甲斐バンドの曲は暗く重いのかというと、基本失恋ソングだからですね。しかも、ただの失恋ではなくって、もう絶望って感じ。人生から見捨てられた男の詩。立ち直れる予感のかけらもないです。
が、そこんところが素晴らしく、ハマってしまうとたまらんわけで、後年多くのファンを獲得したのですよ。

そんな甲斐バンドの低迷期のシングルを聴きなおしてみましょう。

ダニーボーイに耳をふさいで

1975年6月にリリースされた2ndシングル「裏切りの街角」は売上枚数75万枚、オリコン最高7位と大ヒットしました。この路線で突っ走ればヒット曲を連発出来たのかもしれないです。
が、続く3rdシングル「かりそめのスウィング」、4thシングル「ダニーボーイに耳をふさいで」と立て続けにリリースしたものの2匹目のドジョウは狙わないということで、かなり印象の異なる楽曲を敢えて続けたことで売り上げは低迷することに…

しかしですよ、これがなんともイイ曲なんですよねぇ。
ダニーボーイに耳をふさいで

ダニーボーイに耳をふさいで

ダニーボーイに耳をふさいで:作詞・作曲・編曲、甲斐よしひろ
リリース:1976年4月5日

カップリング:昨日鳴る鐘の音 (Single Version)
「かりそめのスウィング」にしろ「ダニーボーイに耳をふさいで」にしろダークというかウェットというか、いっそ陰湿といってもいいかもしれん歌詞になっています。モチロンそこがイイわけで私も大好きです。
が、当時これはキツかった。もっとパァーとした曲であれば波に乗れたのではないかという気がします。

ダニーボーイに耳をふさいで

「かりそめのスウィング」はオリコン最高44位、「ダニーボーイに耳をふさいで」は同85位です。共にメロディはキャッチーですし、いい曲なんですよねぇ。甲斐バンドはきっと「なんでこの曲が売れないんだ?!」と思ったことでしょう。

男と女のいる舗道

甲斐バンド3作目のオリジナル・アルバム「ガラスの動物園」からの先行シングル「男と女のいる舗道」を1976年8月にリリース。「ダニーボーイに耳をふさいで」に次ぐ5thシングルですね。

歌詞としては相変わらず暗いというか、単なる失恋ソングではなく、なんというか、もっと厳しい現実を描いています。それが甲斐バンドの美意識なのでしょうが、重苦しいと感じる要因でもありますね。
但し、この「男と女のいる舗道」は曲調が明るい!爽やかといってもいいほどです。
男と女のいる舗道

男と女のいる舗道

男と女のいる舗道:作詞・作曲・編曲、甲斐よしひろ
リリース:1976年8月3日

カップリング:東京の一夜 (Single Version)
アルバムタイトルの「ガラスの動物園」とは、おそらくテネシー・ウィリアムズによる同盟の戯曲からとられたのでしょう。そして「男と女のいる舗道」は、ゴダールの映画「女と男のいる舗道」から拝借されたものと思われます。
その「男と女のいる舗道」はオリコン最高76位。カップリングの「東京の一夜」も両A面扱いだけあって実にイイ曲なんですけどね。

甲斐バンド 男と女のいる舗道

それにしても甲斐バンドはタイトルを付けるのが上手いですよねぇ。どれもシャレてます。

2ndアルバム「英雄と悪漢」に収録されている「ポップコーンをほおばって」(これもシャレてる!)という曲の中に「映画を観るならフランス映画さ」という歌詞がでてくるのですが、「男と女のいる舗道」はまさしくって感じで、当時どのようなフランス映画を甲斐よしひろが観ていたのかが伺い知れますね。

テレフォン・ノイローゼ

当時の地方の若者にはフランス映画を観る機会などほとんどなかった。「タワーリングインフェルノ」や「大地震」といったアメリカ映画しか見ていない者には「ポップコーンをほおばって」だの「男と女のいる舗道」といったタイトルは思いつかないし、そんなセンスは到底ない!
1976年12月にリリースされた6thシングル「テレフォン・ノイローゼ」も同様だ。なんてシャレたタイトルなんでしょう。
テレフォン・ノイローゼ

テレフォン・ノイローゼ

テレフォン・ノイローゼ:作詞・作曲・編曲、甲斐よしひろ
リリース:1976年12月20日

カップリング:風が唄った日 (Single Version)
3rdアルバム「ガラスの動物園」からシングルカットされた「テレフォン・ノイローゼ」は間違いなく名曲だと思うのですが、この曲もまた陰りがある。そのためなのか何なのか、オリコン115位ですわぁ。。。名曲なのにねぇ。
34 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

軽く見られがちな世良公則&ツイストですが、日本の音楽界にロックを定着させたのは彼らの功績です!

軽く見られがちな世良公則&ツイストですが、日本の音楽界にロックを定着させたのは彼らの功績です!

世良公則&ツイストがデビューした当時、日本ではまだロックは市民権を得ていませんでした。つまり商売にならんと音楽界からは相手にされていなかったのです。曲もさることながらボーカルやバンドのスタイルをはじめメディア戦略まで彼らが成し遂げた功績は大きく偉大なのです!
obladioblada | 6,024 view
知ってましたか?「アメリカ(バンド)」の全盛期を飾ったアルバム・タイトルは、全て頭文字が「H」なんですよ。

知ってましたか?「アメリカ(バンド)」の全盛期を飾ったアルバム・タイトルは、全て頭文字が「H」なんですよ。

「名前のない馬」や「金色の髪の少女」をはじめとして、70年代にヒット曲を連発した「アメリカ」。現在でも元気に2人組で活動していますが、3人組だった70年代の作品は、今聴いても心に沁みる素晴らしいものばかりです。そしてその素晴らしいアルバムのタイトルは全部「H」で始まるんですよ。
obladioblada | 15,782 view
ブルーハーツの8cmシングルが軒並みEPに!「シングル・レコード ボックス・セット」が12月6日発売!

ブルーハーツの8cmシングルが軒並みEPに!「シングル・レコード ボックス・セット」が12月6日発売!

ザ・ブルーハーツのアナログEP17枚組BOX「シングル・レコード ボックス・セット」が12月6日にリリースされます。1985年のクリスマスライブに限定約200枚で配られた「1985」のソノシートに加え、初EP化12枚を含むEP17枚をBOXで一挙にリリース!
隣人速報 | 1,452 view
【70年代】イーグルスが「ホテル・カリフォルニア」を提訴!一体どういうこと?

【70年代】イーグルスが「ホテル・カリフォルニア」を提訴!一体どういうこと?

「ホテル・カリフォルニア」で有名なイーグルスがこのたび「ホテル・カリフォルニア」と名乗るホテルを提訴したことがわかりました。この記事ではその背景を探るとともに、日本におけるパロディなども紹介したいと思います。
70年代後半より80年代前半にかけて活躍したロックバンド、ブロンディ。その歌姫 デボラ・ハリーの歌声は今も妖艶に輝く!

70年代後半より80年代前半にかけて活躍したロックバンド、ブロンディ。その歌姫 デボラ・ハリーの歌声は今も妖艶に輝く!

皆様はブロンディ(BLONIE)というロックバンドをご存知でしょうか?? 多分、50歳代以上の洋楽好きの方でしたら知っておられることでしょうが、若い方にとっては首をかしげてしまうのではと思います。ですが、あのCMやこのCMのバックミュージック等でこのブロンディの曲が使われていますので、お聞きになれば、『ああ!あの曲ねえ!!』と認識されることでしょう。実は何と、40年以上もの歴史あるロックグループだったブロンディの人気の秘密を追ってみよう。

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト