『ジャッカー電撃隊』
放送期間:1977年4月9日から1977年12月24日
放送時間:土曜19:30から20:00
放送局:テレビ朝日系列
放送話数:全35話
主題歌:「ジャッカー電撃隊」ささきいさお
スタッフ
監督:山田稔(最終回担当)ほか
脚本:上原正三(最終回担当)ほか
美術:八木功
音楽:渡辺宙明
音楽制作:あんだんて
キャスト
東 竜/ダイヤジャック:伊東平山
カレン水木/ハートクイン:ミッチーラブ
大地文太/クローバーキング:風戸佑介
番場壮吉/ビッグワン:宮内洋
鯨井大助:田中浩
鉄の爪(アイアンクロー):石橋雅史
ナレーター:大平透
『ジャッカー電撃隊』とは
第1作目である『秘密戦隊ゴレンジャー』に比べて視聴率は振るわず、途中から宮内洋が演じる番場壮吉という行動隊長が新しい仲間として登場するものの、1年と続かず35話で終了となってしまった(『ゴレンジャー』は2年間で全84話)。
『ジャッカー電撃隊』の最終回
第35話「大勝利!さらばジャッカー」
カレンを抱きかかえた桜井は、イカルス大王と追跡隊に囲まれる。
イカルス大王「銃殺用意!」
だがそこに「待て!」という声が。光が現れる。それは首領のシャインだった。ジャッカーを追い詰めたことを報告するイカルス大王だったが「たわけ!」と叱責されてしまう。
シャイン「お前がそこでうろうろしている間に、乱入されてしまったぞ!いま鉄の爪が防衛中じゃ!そんなケガ人は放っておけ!」
本部へ急ごうとするイカルス大王たちの前に、再び光が現れる。
シャイン「待てえ!このたわけ者!奴はニセ者だ。だまされるな!」
最初に現れた光の正体は番場壮吉だったのだ。
番場「はははは、ジャッカー電撃隊行動隊長、番場壮吉!そして。またの名を」
赤いバラをイカルス大王の顔に投げつける。
番場「ビッグワン!」
ビッグワンに変身し、戦闘が始まった。
一方、逃げていた桜井たちは再び戦闘員に囲まれていた。しかしそこにキングとジャックが現れて救出。桜井たちはボートに乗って島を脱出した。
ビッグワンとイカルス大王の戦いにジャックとキングも参戦。不利になったイカルス大王は要塞の中に逃げ込んだ。鉄の爪になぜ助太刀にこなかったと怒ると「腰抜けが」と言い返される。
イカルス大王「ええい、無礼な!その椅子はわしの物!どけぃ!!」
剣を抜くイカルス大王。しかし鉄の爪の右腕が飛び、首を締めた。
鉄の爪「力なき者は去れ!」
ボタンを押すと床が開き、イカルス大王は落ちていった。
シャインが現れる。
シャイン「イカルス大王を死刑にしたな?」
「クライムに腰抜けは無用」と言う鉄の爪。
シャイン「わかった。鉄の爪よ、お前を太陽系のエンペラーに任命しよう」
ジャッカーを必ず倒すと誓う鉄の爪。そして全身銀色の姿に変身する。
ジャッカー基地。まだ気を失っているクインは、一刻も早く手術をしないと危険な状態だった。そしてその手術ができるのは鯨井大助長官だけだった。
ナレーション「クライムに狙撃された弾が磁力回路に損傷を与えていた。早く弾を取り除かないとカレンの命が危ないのだ」
残された妻と娘(マリ)は、ジャッカーの女隊員ふたりと共に車に乗る。しかし、そこに鉄の爪が現れた。
東たちの乗る車の無線機が鳴った。それは鉄の爪からだった。
鉄の爪「鯨井長官の妻と娘を預かっている。第3埠頭へすぐに来い!すぐにだ!」
脅迫には乗らない、カレンの手術が先だと言う長官。それに反対する東。
東「鉄の爪は冷血な男です。虫けらのように人間を殺す男です。第3埠頭へ向かいます」
車はUターンした。
東「鉄の爪、出てこい!」
到着した東たちの前に、鉄の爪が現れた。戦闘員がトラックのコンテナドアを開けると、中には妻と娘とふたりの女性隊員が捕らわれている。
鉄の爪「文句を言わずに乗れ!」
その中に入る東と長官。
ふたりも乗る。
鉄の爪「さて、ジャッカーに連絡しろ。鯨井長官を人質にされた、とな。早くするんだ!」
ジャッカー基地。東と通話している番場。
番場「なにい?人質にとられた?」
そこへカレンの様態が悪いと電話が入る。
カレンが寝ている部屋にかけつけた桜井たち。
科学者「動力エネルギー回路が熱を持ち始めたんです。長官は? 鯨井長官を助け出すことは、できないんですか!」
番場「鉄の爪の狙いはこれなんだ。鯨井長官しか手術のできないことを知っている」
科学者「はやく手術をしないと、回路自体が爆発してしまいますよ」
桜井「キング、君は科学者の卵だった。手術をしてくれ」
冗談じゃない、と断る大地。
番場「このまま放っておけば、カレンは死ぬ。大地、やってくれ」
メスを受け取る大地。だが手術はできない。
大地「失敗したら、カレンは死ぬ。死なせたくないんだ…死なせたくないんだ!」
科学者「この調子じゃ、あと2時間もつかどうか」
桜井 (…カレン…)
番場「あるぞ!救出の方法がひとつだけ!」
夜。コンテナの中。捕らわれている一同。
鉄の爪「フハハハ。そろそろくたばる頃だ、カレン水木がな!わしゃあジャッカーに勝ったんだ!」
そこへトラックの小さな扉から、鉄のホース口が突き入れられた。
ナレーション「番場隊長は爆弾の信管を凍結させることを考えた。むろん人質も凍結状態になるが
短時間なので命に別状はないのである」
桜井たちがコンテナを開けると、一同は凍結状態になっていた。病院に連れていくため引っ張り出す。鉄の爪も同様に引っ張り出された。
番場「鉛の箱にぶち込め。おっと待った!このまま置いちゃあならない。どこかに埋めてしまえ!」
病院で解凍された長官は、カレンを手術した。体内から弾が取り出されエネルギーチャージされると、カレンは目を開けた。
長官「ようし、もう大丈夫だ」
桜井「カレン、気分はどうだ?」
カレン「長い眠りから覚めたみたい。すっきりした気分よ」
番場「ふぅ…。鉄の爪は今頃処分されてます。残るはクライム要塞島!」
だがその頃、鉄の爪は鉛の箱から脱出し、運んでいた隊員たちを倒して逃亡していた。
要塞の入り口を探して進む4人を爆発が襲う。それはシャインだった。
シャイン「くたばれ、ジャッカー!」
戦闘員たちを連れて鉄の爪がジャッカー基地を襲っていた。倒される隊員たち。そこへ番場が現れる。
鉄の爪「番場め、貴様と決着の時が来たな!」
番場「望むところだ!」
番場は戦闘員たちを倒した。ビッグワンに変身。
要塞に侵入したジャッカーたちは仕掛けた爆弾で内部から破壊する。指令室に乗り込んだエースとクイン。爆発が起こり、シャインの光が現れた。
シャイン「死ね、ジャッカー!死ね!死ねー!」
メカニカルな謎の球体(通信装置か?)が現れて、ふたりを襲う。
エース「スペードアーツ!」
それをエースが剣で突いた。
爆発を起こす要塞から、スカイエースは脱出した。
ビッグワンと鉄の爪の戦いに、ジャッカーの4人が加勢する。それぞれ名乗りを上げ、5人が整列。
5人「我ら、ジャッカー電撃隊!」
鉄の爪「わしは太陽系のエンペラーだ、皇帝なのだ!貴様ら、頭が高い!」
エース「シャインの正体はこれだ!よく見ろ、アイアンクロー!」
エースの手から、謎の球体が鉄の爪のところへふらふらと飛んで来る。
シャイン「鉄の爪よ!お前は太陽系のエンペラーだ!ジャッカーを倒せ!」
ビッグワン「貴様は操り人形だったのさ」
鉄の爪「そうだったのか…。くそぉ!」
球体を地面に投げつける。
ビッグワン「正義の怒りを受けてみろ!」
鉄の爪「わしの怒りを受けてみよ!」
戦闘員が飛び出して、戦いが始まった。それらを倒し、鉄の爪との勝負になる。
ジャック「ダイヤソード、回転斬り!」
キング「クラブメガトン!」
エース「スペードアーツ、アトム射ち!」
ジャック「ダイヤソード、稲妻斬り!」
キング「重力プレス!」
クイン「ハートキュート!」
次々と技を出すが倒せない。ジャッカークロス、ジャッカーアタック、電光キックも跳ね返された。
鉄の爪「とどめだ!」
そのとき光と共にビッグワンが飛んで来る。
ビッグワン「ビッグボンバーだ!」
ビッグボンバーを組み立てる。
ビッグワン「ジャッカー必殺武器、ドブネズミ!ビッグボンバー!」
打ち出された巨大なドブネズミが、鉄の爪の首にかみついた。倒れた鉄の爪は、そして爆発。
夕焼けの中、街を歩いている5人。
ナレーション「自由の戦士ジャッカーよ。君たちの活躍は平和を愛する人々によってこれからも長く語り継がれるであろう。さらば、ジャッカー電撃隊」
夕焼けを並んで見ている5人の姿。
その後の『ジャッカー電撃隊』
やはりヒーロー側では第23話から登場の、宮内洋が演じる番場壮吉(ビッグワン)がいちばん魅力的ですね。
メンバー4人が持つ、核(スペードエース)、電気(ダイヤジャック)、磁力(ハートクイン)、重力(クローバーキング)のエネルギーをすべてひとりで持っているという設定なのですから、最初から扱いが違います。
劇場版としては1977年の「東映まんがまつり」の1作、他に1978年のクロスオーバー作品『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』があります。
その後の《スーパー戦隊シリーズ》にもたびたび客演し、ビッグワンもまた活躍しています。