『ガンプラり歩き旅』その82 ~HGUCで初めて1/144キット化されたキュベレイを、あえてエルピー・プル専用機を選んでみた!~
2021年6月21日 更新

『ガンプラり歩き旅』その82 ~HGUCで初めて1/144キット化されたキュベレイを、あえてエルピー・プル専用機を選んでみた!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!

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漆黒のキュベレイと、似つかわしくない天真爛漫系ニュータ...

漆黒のキュベレイと、似つかわしくない天真爛漫系ニュータイプ美少女、エルピー・プルと、なぜかチョコレートパフェ!?

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私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、 再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。
今回紹介するのは、『ガンダムZZ』を象徴する人気キャラとなり、今でもファンが多いニュータイプ美少女・プルの搭乗する、漆黒のキュベレイMK-Ⅱの旧HGUCキットを紹介していきます。

エルピー・プル専用キュベレイMk-Ⅱ 1/144 HGUC 011 2000年6月 1500円(機動戦士ガンダムZZ)

キュベレイMK-Ⅱのボックスアート。こちらの方は、プル...

キュベレイMK-Ⅱのボックスアート。こちらの方は、プルの可愛さには一切触れず、禍々しさを強調している

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今回紹介するキュベレイMK-Ⅱは、HGUC 004で、1999年9月に発売されていたキュベレイの成型色替えキットであり、ハマーン・カーンのキュベレイの旧HGUCは、価格は同じ1500円で発売されていた。その金型流用キットとしてMK-Ⅱが発売されるに当たって、成型色を変えるだけではなく、肩のバインダーに彩られたジオンマークの転写式ガンダムデカールが追加された仕様で発売された。
完成したHGUC キュベレイMK-Ⅱ

完成したHGUC キュベレイMK-Ⅱ

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まずは、このキットの元となった、HGUC 004 キュベレイの解説からはじめなければならない。『ガンダムを読む!』再現画像でハマーンの白いキュベレイは、2015年に発売された、このキットの上位商品、HGUC 195 REVIVE キュベレイを使用するからだ。
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ジュドーのコア・ファイターを宇宙で追いかける無邪気なプルの、漆黒の悪魔モビル・スーツ!

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「1/144のキュベレイ」それは『Zガンダム』『ガンダムZZ』、いや榊原良子女史が声を当て命を吹き込んだ、ハマーン・カーンというキャラに魅了されたガンダムファンと、その優雅で気品のあるシルエットと独特のディテールを持った「永野護式『モビル・スーツ版エルメス』」に魅了されたガンプラ・メカファンの悲願であった(実際、キュベレイの右肩の裏には「L-MESⅡ」と刻印されている)。
正面から見たキュベレイMK-Ⅱ

正面から見たキュベレイMK-Ⅱ

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しかし、『Zガンダム』本放映時代は、キュベレイの登場が終盤ということもあり、それでも人気が高かった機体だったため、1/220では発売されたが、あの優美なシルエットラインを当時の1/220で再現するのは到底無理で、爪の先まで伸びた平手が一番似合う手首も拳状だけで造形され、結果的に「キットが出ただけジ・Oよりはマシだった」で終わっていたキュベレイ。
サイドビューとバックビュー。キュベレイ独特の曲線ライン...

サイドビューとバックビュー。キュベレイ独特の曲線ラインを、ハイレベルで再現していることが、個別の角度から見ていると分かる

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HGUCという商品枠は、特に初期はこういった「当時キットが出来が悪かったり、当時にはキット化されなかったり」といった、不遇の名機をハイレベルな仕様で商品化することで一気に絶大な支持を集めたわけだが、ザクⅢ改や百式、ギャンやガンダムGP01等は、まさに個々のモビル・スーツファンからすれば、HGUCが救世主のように思えるラインナップといえた。

だが、商品化枠も200を超える頃合いになると、既存のモビル・スーツを片っ端からリメイクするしかなくなっていき、ついにはVer.2やREVIVEとして、HGUC内で二度目のキット化で、いわば「1/144版MG」のように変節していった経緯がHGUCにはあるが、このキュベレイもそういった意味で、二度目はさらに進化したスペックで商品化されている。
邪悪なルックスの黒いキュベレイが、純真無垢な美少女との...

邪悪なルックスの黒いキュベレイが、純真無垢な美少女との組み合わせで襲ってくる!

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本家、ハマーンの純白のキュベレイは、入手しやすさ、ディテールや可動領域の広さ、値段などから、最新のHGUC 195 REVIVE版を使用することに決めたが、プルツーの赤キュベレイMK-Ⅱはともかく、プルの漆黒キュベレイMK-Ⅱ(以下・プルキュベレイ)はどうしようかと悩んだときに、確かにHGUC 195 REVIVEでも漆黒プル版は発売されているが、プレバン限定商品だったために今はプレミアがついており、例えばAmazonで比較すると、今回紹介するHGUC 004版のプルキュベレイが1000円近くで手に入るが、同じプルキュベレイでもHGUC 195 REVIVE版を買おうとすると3倍以上高値になっている。

大河さんとしてもここはうーんと考え、「プルキュベレイであればそれほど出番はない」「HGUC 004版でも、充分見栄えは劣っていない」「ハマーンキュベレイとプルキュベレイを、新旧2つのHGUCで使い分ければ、ミドルエッジ連載で比較が出来る」「安い方に越したことはない」という身も蓋もない理由含めで(笑)プルキュベレイはHGUC 004版を使うことにした。
キットのポテンシャルの解説に移るが、ハマーンキュベレイと色以外は全く同じと思って構わない。
両肩のバインダーを展開させたプルキュベレイ

両肩のバインダーを展開させたプルキュベレイ

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前回紹介したリック・ディアスより開発と発売は早く、HGUCシリーズもまだ発足して4商品目ではあるが、いきなりこのキュベレイは(当時的には)満点に近い出来を誇っている。
写真を見れば分かる通り、華奢な関節と複雑な曲面構成、そして巨大かつ自在に動く羽根バインダーという要素を、まだHGUC4番目ながら、このキットは高次元で融合させている。
腕の可動範囲

腕の可動範囲

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腕は、肩は水平近くまで上がり、肘の曲がり角度も90度ジャスト程度。これ以上曲げるには、REVIVE版のように、肘関節のデザイン自体に手を加えて構造を変えなければいけない。個人的には、この程度曲がるのであれば、劇中の殆どのシークエンスを再現できるとは思うのだが……。
開脚可動範囲

開脚可動範囲

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