あまりにも繊細な叙情派フォークの雄、“N.S.P”。埋もれてしまうには、すっごく惜しいんですけど。
2018年5月9日 更新

あまりにも繊細な叙情派フォークの雄、“N.S.P”。埋もれてしまうには、すっごく惜しいんですけど。

70年代後半。時代がフォークからディスコ、パンク、日本ではニューミュージックへと移行していく中で、叙情派フォークと呼ばれたN.S.Pにとっては厳しかったでしょうね。しかし、彼らの残した音楽はいまでも輝いています。むしろ今聴くべき音楽なのではないかと思うのです。

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NSPの良さは、情景の押しつけをしないことに尽きると思う。
歌の中の「僕」はいつも自分だし、「君」は片思いだった女の子だったりふられてしまった女の子だったりする。
「ゆうやけ」はリスナーそれぞれが一番きれいなゆうやけを思い描き、「線香花火」をしている場所は海辺だったり学校の校庭だったり自由である。
このアルバムで大ブレイクしてもよかったんですけどねぇ。良いアルバムですよ、これは。しかし、残念ながらそうはなりませんでした。
とはいえ、シングルが大ヒットすることはなかったのですが、70年代に発表したアルバムはオリコンで常に10位前後となっていますから安定した人気を誇っていたということですね。

あと、もう一息。シングルヒットさえあればなぁ。

線香花火

八十八夜

1977年も「明日によせて」、「黄昏に背を向けて」と2枚のアルバムを発売したNSP。チャートアクションは、それぞれ10位、15位。ディスコやパンクが台頭してきたことを考えると、まずまずだったのではないでしょうか。
とはいえ、N.S.Pのような抒情派にとっては厳しい時代だったといえます。

その最中、1978年8月に発売されたアルバム「八月の空へ翔べ」」は、ソフィスティケートされた音作りながらもN.S.Pの真骨頂といえるアルバムではないでしょうか。
八月の空へ翔べ

八月の空へ翔べ

1. 秋の木立ちと天気雨
2. 恋は水色涙色
3. 誰かが落した悲しみを
4. 湖
5. 八十八夜
6. 歌は世につれ
7. 八月の空へ翔べ
8. 愛の行先
9. 色あせた風景の中で
10. そのままの君でいて
11. 週末
12. 避暑地にて
素直な歌詞、叙情的なメロディーで自分の気持ちをそのまま伝えているような
NSPの曲が好きで、よく口ずさんでました。
このアルバムが発売された頃、別れた彼女の幸せを祈っていた自分を思い出します。
アルバムジャケットもN.S.Pらしくていいですよね。「八十八夜」がシングルカットされて37位となっているのですが、これ以降は40位以内に入るヒット曲はでていません。

八十八夜

同年10月に14枚目のシングル「冬の花火はおもいで花火」がでますが、この曲はオリジナルアルバムには収録されていません。
良い曲ですが、この時期の曲としては地味だったのかもしれないですね。

冬の花火はおもいで花火

1985年に中村貴之が、1987年には平賀和人が脱退してしまいN.S.Pは事実上解散となります。2002年にオリジナルメンバーで復活したものの、2005年にメインソングライターだった天野滋が脳内出血で亡くなりN.S.Pは消滅してしまいます。

大ブレイクすることはありませんでしたが、思えば最後までN.S.Pらしい音楽を追求していたんですよね。だからこそ彼らの音楽は今でも胸に迫るのでしょう。
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