“ナスターシャ・キンスキーの背中”目当てでもいいが、結局は、『パリ、テキサス』はすべての人の物語なのだ。
2016年7月19日 更新

“ナスターシャ・キンスキーの背中”目当てでもいいが、結局は、『パリ、テキサス』はすべての人の物語なのだ。

別に入口はなんだっていい。“ナスターシャ・キンスキーの背中”目当てでもいいし、ライ・クーダーのギターに魅せられるのでもいい。ヴィム・ヴェンダースの最高傑作だからもう一度観ておこう、みたいな感じでもいい。結局は、さまざまな愛の再生の物語に心が引き取られ、落ち着かされ、なだめられていく。年齢を重ねたからこそ感じられる発見もある。僕らはいつ主人公トラヴィスのように生きることになってもおかしくない、と気づく。いい意味でも悪い意味でも。

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『ランド・オブ・プレンティ』 (2004年)

『パレルモ・シューティング』(2008年)

『Every Thing Will Be Fine』(2015年)

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』など、ドキュメンタリーの秀作も多い

ヴィム・ヴェンダースは、ドキュメンタリー作品の評価も高い。キューバの老ミュージシャンたちの演奏を中心に、キューバの日常を描いた『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』は、ヨーロッパ映画賞やロサンゼルス映画批評家協会賞のドキュメンタリー映画賞を受賞。2011年には、ドイツの振付家のピナ・バウシュを取り上げたドキュメンタリー『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』を発表し、第84回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされている。また、小津安二郎に大きな影響を受け、敬愛することから1985年には『東京画』というドキュメンタリーも制作している。
『ニックス・ムービー/水上の稲妻』 (1980年)
『Docu Drama』 (1984年)
『東京画』 (1985年)
『都市とモードのビデオノート』 (1989年)

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999年)
『Viel passiert - Der BAP-Film 』(2002年)
『U2: The Best of 1990-2000 』(2002年)
『ソウル・オブ・マン』 (2003年)

『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』 (2011年)

『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』(2014年)
ジュリアーノ・リベイロ・サルガドと共同監督

さあ、それでは、『パリ、テキサス』、ご覧ください!

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